耐震基準を満たしていない建物とは|倒壊時の責任、マンションなど住宅の割合、耐震診断・耐震補強など解説

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鉄骨ブレース 外付けブレース 耐震補強

近年、耐震性がますます重視される中、耐震基準を満たしていない建物に関する関心が高まっています。

しかし、「耐震基準を満たしていない建物とはどのようなもの?」、「倒壊時の責任は誰が負うのか?」といった声も多いです。

そこで、この記事では性能向上リノベーションの専門家である福井の『ノークホームズ』が、耐震基準を満たしていない建物について詳しく解説します。

 

このコラムのポイント
  • ・耐震基準を満たしていない建物は、2000年基準を満たしていないものを指します。
  • ・日本の住宅の約3割、およそ1,300万戸が耐震基準を満たしていないと推定されています。
  • ・国は耐震化率を95%に引き上げる目標を掲げ、耐震基準を満たしていない建物をほぼ無くすことを目指しています。
  • ・建物の所有者は、民法717条に基づき、欠陥や問題がある建物が原因で他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う可能性があります。
  • ・耐震診断は地震時の倒壊リスクを評価し、耐震補強リフォームが必要かどうかを判断するための重要な手段です。

 

耐震基準を満たしていない建物とは

家の積木に吹き出し、耐震の文字

ここでは、耐震基準を満たしていない建物について解説していきます。

「耐震基準を満たしていない建物」とは現行の2000年基準を満たしていない建物

「耐震基準を満たしていない建物」とは、「2000年基準」と呼ばれる耐震基準を満たしていない建物を指します。

2000年基準とは、阪神・淡路大震災により多くの木造住宅が倒壊した1995年を契機に、建築基準法上の耐震基準を厳格化したものです。

主に下記3点が変更されました。

  • ・地盤に応じた基礎の設計
  • ・接合部への金具の取り付け
  • ・耐力壁のバランス強化

2000年基準・新耐震基準・旧耐震基準の違い

2000年基準・新耐震基準・旧耐震基準の違いは以下のとおりです。

基準 内容
2000年基準 ・1995年の阪神・淡路大震災を受けて導入された

・新耐震基準より強固な建物を目指し、安全性を向上させている

新耐震基準 ・1981年6月1日以降に適用されている基準

・震度6強から7程度の揺れに耐えられる基準

旧耐震基準 ・1981年5月31日まで用いられていた基準

・震度5強の揺れに耐えることができる基準

 

耐震基準を満たしていないかどうかを確認する方法

耐震基準を満たしていないかどうかを確かめるには、建築確認申請の受理日を調べましょう。

申請日が2000年6月1日以降に行われた建物は、現行の耐震基準である2000年基準に準拠しています。

建物を建てる際には、施工前に役所に提出する書類があり、これが建築確認申請です。

建築確認申請には、建物の面積や用途、構造などの詳細が記載されており、建設予定の建物が法律に適合しているかどうかが確認されます。

耐震基準と耐震等級の違い

耐震基準は、建物の中にいる人の命を守るための基準ですが、耐震等級はそれに加えて建物自体を保護することも考慮された基準です。

したがって、耐震等級には住宅の被害を最小限に抑えられる性能を示す指標も含まれています。

また、耐震基準は建築基準法に基づいていますが、耐震等級は住宅品質確保促進法(品確法)で定められています。

耐震基準の調べ方|中古物件購入時・リフォーム時に確認

中古物件を購入する際や、リフォームを検討する際に耐震基準を確認するには、建築確認通知書の発行日を調べましょう。

発行日が1981年6月1日以降であれば新耐震基準に準拠しており、それ以前の場合は旧耐震基準に基づいています。

そして、2000年6月1日以降に建築確認が行われた建物は、2000年基準に準拠しています。

 

福井での耐震リフォームやその他のリフォームにご興味をお持ちの方は、ぜひノークホームズにお問い合わせください。

ノークホームズでは、専門知識を持つ建築士が耐震性・断熱性・老朽化の度合いなどを丁寧に診断し、デザイン性も兼ね備えたプランをご提案いたします。

 

お問い合わせ
スタジオ来場のご予約

※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。

※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料請求をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。

〈施工エリア〉
福井市・あわら市・坂井市・鯖江市・越前市・大野市・勝山市・永平寺町・越前町

 

耐震基準を満たしていない建物倒壊時の所有者の責任

平成28年熊本地震で壊れた民家

民法717条に基づき、建物に欠陥や問題があり、他人に損害を与えた場合、建物の所有者は損害賠償責任を負うことがあります。

これは、自己所有の一戸建ての場合や、賃貸物件などの事業用建物の場合でも変わりません。

ただし、過去に例がないといえるほど規模の大きな災害が原因の場合は、不可抗力であり、責任を負う必要はないと判断されることもあります。

〈参考〉e-Gov法令検索|民法第七百十七条|土地の工作物等の占有者及び所有者の責任

耐震基準を満たしていない建物(マンション・一戸建て)の割合

大規模建設現場

ここでは、耐震基準を満たしていない建物(マンション・一戸建て)の割合について解説していきます。

マンション

現在、旧耐震基準のマンションは約104万戸あり、10年後には築40年以上経過した新耐震基準のマンションが約94万戸になると見込まれています。

しかし、平成31年時点でのマンション建替えは累計244件(約19,200戸)にとどまっています。

〈参考〉国土交通省ウェブサイト:マンション政策の現状と課題

一戸建て

日本の住宅の約3割、およそ1,300万戸が耐震基準を満たしていないと推定されています。

住宅の耐震化の重要性は、過去の震災からも明らかです。

阪神・淡路大震災では、犠牲者のうち約8割以上が住宅の圧壊による圧死でした。

住宅の耐震化を推進することで、犠牲者を大幅に減らすことが可能です。

〈参考〉内閣防災情報:住宅等の耐震化の推進について

耐震基準を満たしていない建物に対する国の政策

国は令和7年までに耐震化率を95%に、令和12年までに耐震基準を満たしていない建物をほぼ無くすことを目標に掲げています。

そのために国は住宅耐震改修の支援策を打ち出しています。

例えば、住宅金融支援機構による融資制度(令和2年度)には、下記のような内容が含まれていました。

  • ・個人向け支援策の融資限度額は最大1,500万円
  • ・マンション管理組合向け支援策の融資限度額は一戸あたり最大500万円

また、個人向け支援策では、耐震改修や建て替え、除去の補助金が交付されます。

〈参考〉
・国土交通省ウェブサイト:住宅・建築物の耐震化率の 推計方法及び目標について
・国土交通省ウェブサイト:住宅・建築物の耐震化について
・国土交通省ウェズサイト:住宅・建築物の耐震化の現状と目標

耐震基準を満たしていない建物は耐震診断・耐震補強リフォームをおすすめします

耐震診断のイメージ

ここでは、耐震診断や耐震補強リフォームについて解説していきます。

耐震診断とは

耐震診断は、地震が起きた際に建物が倒壊・損壊する可能性があるかどうかを調べるものです。

自治体によっては、耐震診断を無料で受けられる場合や、耐震診断費用の補助金制度を実施している場合があります。

また耐震補強リフォームを依頼する施工業者によっては、専門家が耐震性能等の確認を実施したうえで、耐震補強リフォームのプランを組み立てるケースもあります。依頼できるケースもあります。

 

福井での耐震補強リフォームやその他のリフォームにご興味をお持ちの方は、ぜひノークホームズにお問い合わせください。

ノークホームズでは、専門知識を持つ建築士が、耐震性・断熱性・老朽化の度合いなどを丁寧に診断したうえで、リフォームプランを提案いたします。

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※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。

※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料請求をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。

〈施工エリア〉
福井市・あわら市・坂井市・鯖江市・越前市・大野市・勝山市・永平寺町・越前町

 

耐震補強リフォームの内容

耐震補強リフォームの内容には、下記のようなものが挙げられます。

  • ・敷地の地盤がしっかりしているかを確認
  • ・基礎が不十分な場合は、鉄筋コンクリート造の布基礎に変更
  • ・柱やはり、筋かいなどの仕口部分には補強金物を使用
  • ・壁が不足している場合は、新たに壁を増設するか構造用合板を貼って強化
  • ・壁の配置が偏っている場合は、つり合いがよくなるように壁を増設

〈参考〉内閣府防災情報のページ→検索窓に「わが家の耐震」と入力して検索→検索結果から「わが家の耐震 : 防災情報のページ - 内閣府」を選択→「わが家の耐震」→「わが家の耐震-木造編」を選択→「 すまいの補強対策」「地震に強いすまい作りのチェックポイント」を選択

 

▶関連記事:【耐震リフォーム】手順や内容・費用の目安や補助金までわかりやすく解説

耐震基準を満たしていない中古物件の購入判断に役立つ3つの注意点

住宅と聴診器とチェックリスト

ここでは、耐震基準を満たしていない中古物件の購入判断に役立つ3つの注意点を解説していきます。

早い段階で重要事項説明の「建物の耐震に関する事項」を確認

早い段階で重要事項説明の「建物の耐震に関する事項」を確認しましょう。

旧耐震基準の場合は、不動産の契約締結前に、重要事項説明に「耐震診断の有無」を確認できる項目があり、「無」の場合は理由まで記載されています。

既存不適格建築物or違法建築物を確認

既存不適格建築物とは、建築当初は適法でしたが、のちの法改正により適法性が失われた建物を指します。

一方、違法建築物とは、建築基準法やその他法令に違反した状態の建物を指しており、両者は異なる建物です。

既存不適格建築物は、違法ではありませんが安全性に注意が必要です。

対して、違法建築物は完全に違法であり、安全性や景観にも問題があるため購入は避けましょう。

旧耐震の物件購入後のデメリットを把握

旧耐震基準の物件を購入する場合は、そのデメリットを把握しておきましょう。

例えば、建物の法定耐用年数は47年であり、経年劣化によりコンクリートの劣化や、設備の老朽化が進んでいる可能性が高い点が挙げられます。

また、旧耐震基準のマンションは、新たな入居者の募集に制限がかかる可能性があるため、注意が必要です。

さらに、旧耐震の物件は住宅全体が劣化しているため、耐震性だけでなく断熱性なども見直す必要があります。

▶関連記事:寒い家を暖かくする方法|断熱材のない外より寒い一軒家のお手軽な防寒方法・暖房に頼らない本格的な方法

耐震基準を満たしていない建物Q&A

住宅とQ&A

ここでは、耐震基準を満たしていない建物に関する疑問にお答えします。

Q.旧耐震基準の建物は必ず危険な建物なの?

旧耐震基準の建物は必ずしも危険というわけではありません。

適切な管理や対策が施されていれば、安全に住むことは可能です。

しかし、大規模な地震などが起きた際には倒壊のリスクが高いため、所有者に建て替えを促す政策が取られています。

Q.耐震診断・耐震補強リフォームは必ず必要?

耐震診断・耐震補強リフォームは必ずしも必要というわけではありません。

しかし、地震が起きた際には倒壊のリスクが高いため、2000年以前に建てられた建物の場合は、まず耐震診断を受けて、必要に応じて耐震補強リフォームをおすすめします。

 

福井での耐震リフォームやその他のリフォームにご興味をお持ちの方は、ぜひノークホームズにお問い合わせください。

耐震性の向上や高気密高断熱などの住宅性能だけでなく、デザイン性も兼ね備えたプランをご提案いたします。

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※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。

※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料請求をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。

〈施工エリア〉
福井市・あわら市・坂井市・鯖江市・越前市・大野市・勝山市・永平寺町・越前町

 

Q.耐震補強リフォーム費用を知りたい

一般的に、耐震診断の費用は約10万円から40万円程度とされています。

しかし多くの自治体で補助金制度を実施していて、費用負担を軽減できる可能性があるため、まずはお住まいの自治体が耐震診断に対する補助金制度を実施しているかを、確認しましょう。

耐震補強リフォームとあわせて間取り変更なども実施する場合の費用を紹介した記事もありますので、ぜひ合わせて御覧ください。

▶関連記事:壁ぶち抜き(壁を壊して部屋をつなげる)リフォーム」の費用事例|間仕切り壁を壊すのみ、引き戸設置など

Q.耐震・制震・免震の違いを知りたい

耐震・制震・免震の違いは下記のとおりです。

構造 内容
耐震構造 ・地震の揺れに対して建物を強化するための構造

・一般的な建物に採用されており、一戸建て住宅やマンション、オフィスビル、学校などで見られる

免震構造 ・建物と地盤を分離して地震の揺れを減らす構造

・大きな地震が発生しても建物が揺れにくく、倒壊しにくいのが特徴

制震構造 ・建物内で地震の振動を吸収する構造

・高層ビルやタワーマンションなどで採用され、上階での揺れを緩和する

 

まとめ

耐震住宅イメージ

「耐震基準を満たしていない建物」とは、「2000年基準」と呼ばれる耐震基準を満たしていない建物を指します。

また、2000年以前に建てられた建物の場合は耐震診断を受けて、必要に応じて耐震補強リフォームを行うことがおすすめです。

著者情報

NORQ HOMES ノークホームズ編集部

NORQ HOMES ノークホームズ編集部

福井の高性能注文住宅を建てる工務店ノーク・ホームズが、
リノベーションに役立つ情報を発信しています。

登録・免許
【設 計】 福井県知事 第ろ-1394号
【建 設】 福井県知事 (般-1)10791号
【不動産】 福井県知事 (1)第1704号

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