【社長ブログ】創業の原点は、寒い部屋と母の背中から始まった。

こんにちは、ノークホームズの岩佐です。

気づけば、創業からもうすぐ10年。

この節目のタイミングで、一度立ち止まり、私自身が「なぜこの会社を立ち上げたのか」――その原点を振り返ってみたいと思います。

私が住宅業界に足を踏み入れたのは、24歳のとき。不動産会社に入社したのがきっかけでした。

最初からこの業界に強い志があったわけではありません。

「不動産ってなんだか金額が大きくて面白そうだな」

そんな、若さゆえの好奇心からのスタートでした。

ただ、振り返ると、私が“家”に興味を持ち始めたのはもっと前。

理由はとてもシンプルで、「自分の家が寒すぎた」からです。


■ 借家と県営住宅での暮らしが教えてくれたこと

私は生まれたときから借家暮らしで、小学生になるころに両親が離婚。

それをきっかけに、母と一緒に県営住宅へ引っ越しました。

当時は父親と離れることでほっとしていたし、自分の部屋が持てることが嬉しくて仕方なかった。

でも、実際の生活は想像以上に過酷でした。

昭和46年築の鉄筋コンクリート造。冬になると北側の自分の部屋は凍えるように寒く、窓は毎朝びっしりと結露。

滝のように流れる水滴が、窓から床まで垂れ、玄関の扉までビショビショ。

当然カビも発生し、拭いても拭いても追いつかない。そんな環境で、私は10代のころ、風邪ばかりひいていました。

「寒い家は、人を不幸にする」

この体験は、今でも私の家づくりの根底にある考え方です。


■ 住宅業界の「?」を知った日々

不動産会社時代、私は建築は担当していませんでしたが、他社が建てた建売住宅を販売することが仕事でした。

また、築浅の中古住宅を査定して再販する業務にも携わっていました。

その中で、大手ハウスメーカーや地元の工務店が建てた家を、数多く見てきました。

「この家、なぜこんなに早く売られるのだろう?」

「同じ築5年なのに、こっちは寒くて、あっちは快適…なぜ?」

そんな疑問を抱きながら、家の構造・仕様・設計の違いに少しずつ興味を持つようになりました。

不動産の仲介という立場だからこそ見えてきた、“本当に価値のある家”とは何か。

それが、ノークホームズの家づくりにつながっています。


■ 「寒くない家を、ちゃんと建てたい。」

この業界で働くうちに、私の中には自然と一つの想いが育ちました。

「誰かの“住まい”を、本気で考える仕事がしたい」

「あの時の自分みたいに、寒い家で苦しむ子どもをつくらない家をつくりたい」

ただ売れる家じゃなくて、ただ見た目がいい家じゃなくて。

性能も、設計も、暮らしの豊かさも、本気で追求する。

そういう家づくりを自分の手でやりたいと思い、ノークホームズを立ち上げました。

今では、おかげさまでたくさんのご家族とご縁をいただけるようになりました。

でも、どんな家を建てても、いつも思い出すのは、あの県営住宅の寒い部屋です。


■ お客様と「共感」でつくる、唯一無二の住まいを

私たちノークホームズの家づくりは、「共感」から始まります。

設計士の自己満足でも、営業トークでもない。

「このご家族にとって、本当に必要な住まいはどんなものだろう?」と、何度も何度もヒアリングを重ねます。

  • 子どもの成長に合わせて暮らしが変わる

  • ご両親の将来を考えた間取りが必要

  • 共働きだからこそ、家事動線が大事

こうしたお客様の“生き方”に深く寄り添って設計する家。

それが、私たちノークホームズの誇りです。


ノークホームズの家は、決して派手さを追うものではありません。

でも、**「10年・20年その先もずっと“建てて良かった”と思える家」**を、地に足をつけて真面目につくっています。

これからも、福井で“世界基準の住宅”を追求しながら、皆さまの暮らしに共感し、価値ある住まいを一棟一棟届けてまいります。