【社長ブログ】建物を“査定”することで見えてきた、本当の価値とは

こんにちは、ノークホームズの岩佐です。

私は前職で不動産仲介の仕事をしていました。

中古住宅の査定や販売がメイン業務だったのですが、この仕事を通して、たくさんの住宅を見る機会に恵まれました。

地元の住宅会社が建てた家から、大手ハウスメーカーの分譲住宅まで――それはもう、毎日のように“住宅の裏側”を覗かせてもらっていたような感覚です。

特に印象に残っているのが、大手住宅メーカーの〇〇工法の住宅です。

福井でも一時期かなり売れていたようで、築20年〜30年の建物を多く見かけました。

性能や設計の特徴も共通しており、メーカーの考え方が現れている部分でもありました。

ただ高温多湿の福井には合わない全国仕様の工法でした。

また、地元の住宅会社が建てた家も数多く見てきました。

中には名前を聞いたことがある大手地元ビルダーもあれば、ほとんど知られていない無名の工務店が建てた家もあります。

興味深かったのは、使っている設備や間取り、工法にはそこまで大きな違いがないのに、建てた当時の価格がまるで違うという点です。

「この仕様でこの価格?」「この価格でこの断熱性能…?」と驚くことも少なくありませんでした。

こうなると正直、査定をする立場として「家の価値とはなんなのか?」と悩むことも多くなりました。

性能? デザイン? 知名度? 担当者の営業力?

いろんなものが混ざり合って、“価格”として反映されている。

だけど、それが本当に住む人にとっての「価値」なのかと言われれば、答えに迷ってしまう。

ただ、そんな混乱の中でも、私の中で一つ大きな学びがありました。

それは、「モノの価格と価値はイコールではない」という感覚です。

これは住宅に限らず、どんなものにも通ずる感覚だと思っています。

家は、見た目や設備だけで語れるものではありません。

「どう暮らすか」「どんな思いで建てたか」「どんな未来を描いているか」――

そういった目に見えない部分こそが、本当の価値につながる。

そんな考え方が、この時期にじわじわと自分の中に根付きはじめたように思います。

そして――

このあと、私が“住宅を自分で建てよう”と決意する、ひとつの出来事が起こります。