【社長ブログ】建築をやろうと決意した、あの日の出来事

前回からのつづきです。

そうなんです。

ある出来事が、私の考え方を大きく変えるきっかけになりました。

それは、1件の住宅査定のご依頼から始まりました。

詳細は控えますが、現地でお話を聞くと「実は雨漏れしている」とのこと。

しかもその家は、築5年ほどのまだ新しい建物だったんです。

「え? そんなに新しい家で雨漏れってあるの?」

最初は正直、そんなふうに思いました。

もちろん、建築の現場では思いもよらないトラブルが起こることもある。

それはわかっていたつもりでした。

でも、たとえそうであっても、雨漏れのような重大な問題には、普通は何かしらの対応があると思っていたんです。

ところが、その家を建てた住宅会社さんは、

「お客様の使い方が悪かったからです」と説明していたそうなんです。

最初は何かの行き違いかなと思い、お客様に「私から一度、建築会社さんにお話してみましょうか?」とご提案し、社長さんに直接ご連絡させていただきました。

私はまだ建築に詳しいわけではなかったので、技術的なことまでは分かりませんでした。

でも、「屋根からの雨漏れが“使い方の問題”で起こるはずがない」とは、さすがに感じました。

お話を重ねるうちに、少しずつやり取りがすれ違い始め、

最終的には、社長さんからこんな言葉を投げかけられてしまいました。

「雨漏れをうちのせいにする気か?ケンカを売ってるのか?」

その言葉に、とても驚いたのを覚えています。

当時、その会社はかなり売れている人気のある住宅会社でした。

だからこそ、まさかそんな対応をされるとは思ってもいませんでした。

でも今思えば、デザイン性を重視するあまり、施工面に問題があったのかもしれません。

(ちなみに、その会社は現在はもう存在していません)

この出来事があったとき、私は強く思ったんです。

「もし自分が家を建てる側になったら、もっとまっとうな仕事ができるはずだ」

「お客様にこんな思いをさせるような家づくりだけは、絶対にしない」

そのときの想いが、

私が本気で「建築をやってみたい」と思った、はじまりでした。