地盤改良の工法別の費用相場(30坪)|見積もり書確認や施工不良などのトラブルを回避する方法も解説
購入したい土地の地盤が弱い可能性がある場合、「地盤改良費用はいくら?」と不安になりますよね。
地盤改良の実施は法律上の義務ではありませんが、大地震発生時の建物の安全性は、「地盤」「建物自体の耐震性」両面から強化して確保する必要があります。
そこで今回は、標準仕様で耐震等級3を提供している福井の工務店『ノークホームズ』が、適正な費用で土地の地盤改良をする方法をわかりやすく解説します。
特にマイホームを検討中の方は、ご家族が安心して暮らせるマイホームを完成させるために、ぜひ最後までごらんください。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
目次
地盤改良とは|工法、地盤改良の流れ
「地盤改良=高額」というイメージがあると思いますが、実は地盤改良には複数の選択肢があります。
そこではじめに、「地盤改良の工法の種類」「地盤改良の流れ」を簡単に確認しましょう。
地盤改良の工法は「主な4種類+特殊工法」
地盤改良の工法は、以下のとおりです。
【地盤改良の主な工法】
- 表層改良工法:比較的浅い層を地盤改良するのに適している。土にセメント系固化材を混ぜて圧縮し、地盤を強化する。
- 柱状改良工法:深い層まで地盤改良するのに適している。地中に円柱の柱をつくって建物を支える。
- 鋼管杭工法:深い層まで地盤改良し、高層建築・重量のある建物を支えるのに適している。鋼管を地中深くまで打ち込み、建物を支える。
- 砕石工法:さまざまな地盤に対応可能で、建て替えの際に撤去の必要がない。地盤の一部or全部を砕石に置き換えて固め、建物を支える。
上記のほかに「特殊工法」もあり、特殊工法については施工業者によって対応可能な範囲が限られているケースがあります。
【特殊工法】
- 薬液注入工法:地盤に薬液を注入して固める。
- 深層混合処理工法:深い層にある軟弱地盤にセメント系固化材を混ぜて広範囲を強化する。 など
地盤改良の工法は、地盤の状態・建物の設計内容などに応じて検討する必要があります。
地盤改良の流れ
地盤改良は、以下の流れで実施します。
【地盤調査を実施】
地盤の強度や土質を調べ、地盤改良の必要性・適している工法を判断します。
↓
【地盤改良の工法を決めて施工計画をする】
↓
【施工業者からの見積もり提示、契約】
↓
【地盤改良工事】
地盤改良工事の工期は、1〜3日程度が一般的です。
↓
【工事完了後、地盤を検査】
↓
【施主が施工内容・工事後の地盤の状態を確認のうえ、問題がなければ地盤改良終了】
地盤改良は義務ではないが、地盤調査は義務
2000年に発生した阪神・淡路大震災をきっかけにして建築基準法が改正され、地盤調査が義務化されました。
一方で地盤改良については、義務化されていません。
ただし、地盤調査によって「地盤改良が必要」とされた土地で地盤改良を実施しない場合には、以下のような問題が発生します。
- 住宅瑕疵担保責任保険※に加入できないケースがある
- 将来、地盤の沈下・変形などが発生して建物に影響する可能性がある など
〈参考〉住宅瑕疵担保責任保険協会トップページ>検索窓に「かし保険全般に関するご質問 地盤編」と入力して検索>地盤編Q11、Q12
※住宅瑕疵担保責任保険とは、住宅の施工業者・売り主が必ず加入する保険です(義務)。建物を支える重要な部分に瑕疵(施工不良など)がある場合に、補修費用等の補償をします。
そのため、地盤調査によって「地盤改良が必要」と判定を受けた場合には、ぜひ地盤改良の実施を検討してください。
とはいえ、地盤改良費用によって「予算オーバーになるのでは?」と不安をお持ちになるのは当然のことと思います。
次に地盤改良費用の相場を紹介するので、参考にしていただけると幸いです。
地盤改良の費用相場(30坪)
地盤改良の具体的な費用は土地の状況ごと・建物の建築計画ごとに違いますが、今回は大まかな相場を紹介します。
地盤改良の費用相場
はじめに、地盤改良の工法別に費用相場を紹介します。
※例として、延床面積30坪の平屋(木造)を想定した費用相場です。
地盤改良の工法 | 費用相場 |
---|---|
表層改良工法 | 約20万円~50万円 |
柱状改良工法 | 約40万円~100万円 |
鋼管杭工法 | 約90万円~200万円 |
砕石工法 | 約50万円〜150万円 |
同じ工法であっても、施工業者によって工事費用が異なる場合があります。
そのため、可能であれば2〜3社に見積もり作成を依頼し、工事内容・費用を比較して施工業者を選ぶことをおすすめします。
地盤改良費用を払えない場合の対処法
地盤改良費用は高額ですが、すべての土地で実施するとは限りません。
そのため、「地盤改良費用を予算に含めていなかった。地盤改良費用を払えない...」とお困りの方もいらっしゃると思います。
以下のような方法で地盤改良費用を予算に含められる可能性があるため、検討していただけると幸いです。
- 2〜3社に見積もり作成を依頼する
- 地盤改良費用も融資対象の住宅ローンを利用する
- 建築プランを見直す
地盤改良が不要な土地を選び直す方法もありますが、好条件の土地物件を手放したくないですよね。
上記の中で「建築プランを見直す」については、大きな費用削減効果が生まれる可能性があるため、施工業者へ相談してみましょう。
(例)廊下をなくして延床面積を1坪減らす→建築費用60〜100万円減の可能性がある
こちらの記事で、予算オーバーの対処法を確認できます。
>新築の注文住宅で費用を削れるところ一覧|予算オーバー額500万円・1000万円の対策例も紹介
福井・石川でマイホームを検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
土地探し・資金計画の段階から、ご家族をサポートいたします。
地盤改良のトラブルを回避する方法
次に、地盤改良に関連するトラブルの回避方法も確認しておきましょう。
特に不透明な内容の見積もり書を受け取ってそのまま契約をするとトラブル発生の可能性があるため、注意が必要です。
「高額請求など見積書のトラブル」を回避する見積もり書の見方
見積もり書は以下のような項目が記載されていて、工事内容が明確にわかる内容が一般的です。
- 工事内容(地盤改良の面積など)
- 材料(種類、数量など)
- 工法
- 各項目ごとの費用
- 工期
「◯工事一式 △円」のような大まかな内容の見積もり書は、工事に含まれている内容を明確に確認できず、「後から不透明な追加費用が発生する」といったトラブルの原因になる可能性があります。
見積もり書の内容に疑問・不備がある場合は施工業者へ伝え、丁寧に対応してくれる施工業者を選びましょう。
「地盤改良工事のトラブル」を回避する方法
地盤改良工事のトラブル例は以下のとおりで、トラブルを回避するために信頼できる施工業者を選ぶ必要があります。
(例)
- 施工不良で地盤が十分に強化されていない
- 見積もり書と違う内容の工事を実施
- 近隣への配慮が不足していて(施工時間など)、クレームが発生する
施工業者選びの際には、以下をポイントにして2〜3社を比較してください。
- 工事内容を丁寧に説明してくれる
- 工事の流れを明示してくれる
- 近隣へ配慮した工事日時を設定し、工事前の挨拶も実施してくれる
- 工事報告書を提出してくれる
- 疑問や不安を残したまま契約を迫らない
地盤改良Q&A
最後に、地盤改良についてノークホームズがよくいただく質問・回答をまとめて紹介します。
土地購入前に地盤改良の要・不要を見極める方法はある?
地盤改良の要・不要は見た目などで簡単には判断できませんが、以下のような歴史がある土地は地盤改良が必要となる可能性が高いと考えておきましょう。
- 田んぼ・沼地・河川などだった土地
- 盛土で造成されている土地
- 過去に陥没したことのある土地 など
土地の歴史は国・自治体が公表しているハザードマップで確認できるため、土地購入前に確認することをおすすめします。
こちらの記事で、お住まいになる地域のハザードマップを確認する方法をごらんください。
>福井県のハザードマップを確認する方法、見方|南海トラフ地震の津波浸水想定を確認する方法も紹介
地盤改良をした土地は安全?
地盤改良は土地の沈下・変形などを防ぐ効果がありますが、「絶対に安全を確保できる」と言い切るのは難しいのが現実です。
ただし「施工不良によって地盤が十分に改良されない」という事態は施工業者選びで避けられるため、前述した「地盤改良工事のトラブルを回避する方法」を参考にして、施工業者選びをしていただけると幸いです。
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合の地盤改良費用を知りたい
田んぼ・畑だった土地の地盤改良費用の相場は、土地の状況によって変動します。
前述した「工法ごとの地盤改良費用の相場」は以下のとおりで、「水はけが悪い」といった問題がある場合には、追加費用が発生する可能性も念頭に置いておきましょう。
- 表層改良工法:20万〜50万円
- 柱状改良工法:40万〜100万円
- 鋼管杭工法:90万〜200万円
- 砕石工法:約50万円〜150万円
こちらの記事で、田んぼ・畑だった土地に家を建てる費用・手続きなどを確認できます。
>田んぼ・畑だった土地に家を建てるメリット・デメリット、費用、手続き、家を建てるまでの期間など簡単解説
福井・石川でマイホームを検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
土地探しの段階から、ご家族をサポートいたします。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
まとめ
地盤改良費用について不安をお持ちの方へ、費用相場・地盤改良の概要などを解説してきました。
地盤改良工事の実施は義務ではありませんが、建物の安全性は、「地盤」「建物自体の耐震性」両面から強化して確保する必要があります。
特にマイホームを検討中の方は、ご家族が安心して暮らせるマイホームを完成させるために、今回紹介した情報を参考にしていただけると幸いです。