シロアリ被害を受けやすい基礎断熱のシロアリ対策|土間断熱・床断熱との違い、新築時の注意点など解説
基礎断熱とは、基礎の立ち上がり部分に断熱材を張る工法のことで、住宅の断熱性・気密性を高めるために有効である一方で、シロアリ被害を受けやすいと言われています。
しかし、十分なシロアリ対策を講じることでシロアリ被害のリスクを軽減し、ご家族が安心して暮らせる高断熱・高気密の家づくりが実現できます。
そこで今回は、高断熱・高気密の家づくりが得意な福井の工務店「ノークホームズ」が、基礎断熱のシロアリ対策のポイントや土間断熱・床断熱との違い、新築時の注意点なども解説します。
このコラムのポイント |
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目次
シロアリ被害を受けやすい基礎断熱のシロアリ対策
基礎断熱に施すシロアリ対策は、本来施工業者が意識して行うべきものです。
しかし、マイホームを建ててから「確認すればよかった」「万全の対策を依頼すればよかった」と後悔しないためにも、ご自身もシロアリ対策を知り、どのような対策をするのかを施工会社に確認するのがおすすめです。
そこで、ここでは基礎断熱のシロアリ対策について紹介します。
シロアリ被害を受けづらい建材を使用|ホウ酸が含まれる断熱材・シロアリ返しなど
一口に断熱材と言っても、下記の表の通り様々な種類があり、シロアリに強い断熱材とそうではないものがあります。
断熱材の種類 | 素材の種類 | シロアリ耐性 |
---|---|---|
無繊維系断熱材 |
・グラスウール ・ロックウール |
強い |
木質繊維系断熱材 | セルロースファイバー | 強い |
天然素材系断熱材 |
・羊毛 ・炭化コルク |
強い |
発砲プラスチック系断熱材 |
・フェノールフォーム ・ポリスチレンフォーム ・硬質ウレタンフォーム |
弱い |
上記の表の通り、発砲プラスチック系の断熱材はシロアリの被害を受けやすい傾向がありますので注意しましょう。
また、セルロースファイバーには、シロアリ駆除にも使用されるホウ酸が含まれているのでシロアリ対策として有効です。
このように、基礎断熱を取り入れる際にはシロアリ耐性が強い断熱材を選ぶことでシロアリ被害のリスクを軽減できます。
また、断熱材の選定だけでなく、下記のような施工上の工夫も効果的です。
- 土台と断熱材の間にシロアリ返しを設ける
- 断熱材の外側に細かい金属メッシュを設置する
防蟻処理|5年に1度が理想
防蟻処理とは、建築物の土台や柱などにシロアリによる被害を予防するための処理を行うことで、一般的には、下記のような方法があります。
- 土壌処理・木部処理:薬剤を土壌や木部に散布する
- ベイト工法:駆除剤を混入した餌をまいて巣に持ち帰らせて死滅させる
しかし、防蟻処理に使用する薬剤は永久的に効果があるものではなく、5年に1度は同様の処理をするのが理想なので注意しましょう。
床下の湿気対策|防湿フィルムや床下換気システムなど
シロアリは湿気を好むので、基礎断熱に係るシロアリ対策として下記のような方法で床下の湿気を少なくすることで対策できます。
- 土壌の上に防湿フィルムを敷いて湿気をシャットアウトする
- 基礎と土台の間にパッキンをかませることで風通りを良くする
- 床下換気システムを導入する
福井で注文住宅をご検討の方は、高断熱・高気密の家づくりが得意なノークホームズにお気軽にお問い合わせください。
これまでの施工経験から、基礎断熱のシロアリ対策について多彩なアイデアをご提案いたします。
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基礎断熱とは|土間断熱・床断熱との違い、基礎外断熱・基礎内断熱の違いなど
基礎断熱とは、建築物における最下部の構造である基礎の立ち上がり部分を断熱材で覆う工法のことを指しますが、基礎外断熱と基礎内断熱があり、それぞれ断熱効率やシロアリ被害のリスクが違います。
また、住宅の断熱工法には基礎断熱以外にも床断熱などがありますので、ここではそれぞれの違いについて紹介します。
基礎断熱とは暖かい家づくりに必須の性能|シロアリ被害を受けやすい理由
上述したように、基礎断熱は基礎を断熱材で覆うことで床下の温度を一定に保つため、室内が冬は暖かく夏は涼しい過ごしやすい環境となります。
しかし、下記のような理由で基礎断熱はシロアリ被害を受けやすいと言われています。
- 温度変化が苦手なシロアリにとっても床下が好ましい環境となる
- 基礎外断熱は土壌に断熱材が触れるのでシロアリの侵入経路となりやすい
このように、基礎断熱はシロアリ被害を受けやすいのですが、高断熱・高気密の家づくりには欠かせない工法です。
また、上述したようなシロアリ対策を講じることで被害のリスクを軽減できるので、高断熱・高気密の家づくり検討している場合は、基礎断熱を検討しましょう。
また、2025年4月からは原則すべての新築住宅に対して省エネ基準適合が義務付けられますが、断熱性などの外皮性能は省エネ住宅の基準としても重要なポイントです。
下記の記事では、省エネ住宅の基準などを紹介していますので、ぜひごらんください。
>省エネ住宅の基準とは|2025年義務化・贈与税減税の基準、適合住宅かどうかの調べ方など解説
基礎断熱・土間断熱・床断熱の違い
住宅の断熱工法は、基礎断熱と床断熱に分けられます。
下記の表は、それぞれの特徴をまとめたものですが、断熱材を施す場所が違うのが大きな特徴です。
断熱工法 | 場所 | 断熱性・気密性 | シロアリ耐性 |
---|---|---|---|
基礎断熱 | 基礎 | ◎ | △ |
床断熱 | 床 | 〇 | 〇 |
床断熱でも断熱性を高めることは可能ですが、基礎を断熱できず、床下が冷えるので、基礎断熱と比べると断熱性・気密性は低いです。
ただし、床下の換気が行えるので湿気を減らすことができ、基礎断熱と比べるとシロアリ被害のリスクを軽減できます。
次に、土間断熱とは土間まわりの断熱のことを指します。
住宅の省エネ性能に関する基準では必ずしも断熱化する必要はないとされていますが、実際のところ、高断熱・高気密の家づくりには、土間部分の断熱も重要です。
ただし、構造上床下がない土間は、床断熱の住宅でも一部基礎断熱にせざるを得ないこともあるので注意しましょう。
日本の住宅は、床断熱を取り入れることが多いですが、夏は涼しく、冬は暖かい高断熱・高気密の家づくりを目指すのであれば、床断熱よりも基礎断熱を取り入れた方が効果的です。
また、省エネ住宅の断熱等級を決める基準としてUA値がありますが、基礎断熱を取り入れることで数値を向上できます。
下記の記事では、住宅の断熱等級について詳しく紹介していますのでぜひごらんください。
>断熱等級7の家を建てるメリット・デメリット|ハウスメーカー選びのポイントも
基礎外断熱・基礎内断熱・基礎両側断熱の違い
「基礎外断熱」「基礎内断熱」「基礎両側断熱」の違いは以下の通りです。
- 基礎外断熱:基礎の立ち上がりの外側に断熱材を設置
- 基礎内断熱:立ち上がりの床下空間側に断熱材を設置
- 基礎両側断熱:基礎の外側と内側の両方に断熱材を設置
基礎両側断熱と基礎外断熱は、気密性・断熱性が高いという特徴がありますが、シロアリ被害のリスクが高いことに注意しましょう。
一方で基礎内断熱は、シロアリの侵入経路が少なくなるのでシロアリ被害のリスクは少ないのですが、断熱効果が低下します。
ベタ基礎・布基礎の違い
ベタ基礎・布基礎は断熱工法ではありませんが、シロアリ対策に関連するため違いを紹介します。
ベタ基礎とは、基礎の立ち上がりだけでなく底板一面が鉄筋コンクリートでできている基礎のことを指します。
一方で、布基礎とは、地面に逆T字型にコンクリートを打ち込み基礎にする方法で、一般的に両者には下記のような違いがあります。
基礎の種類 | 耐震性 | コスト | シロアリ耐性 |
---|---|---|---|
ベタ基礎 | ◎ | 〇 | 〇 |
布基礎 | 〇 | ◎ | △ |
湿気が建物に伝わりにくくシロアリの侵入経路が少ないベタ基礎に比べ、布基礎は湿気が建物に伝わりやすくシロアリの侵入経路が多いため、十分なシロアリ対策を講じる必要があることに注意しましょう。
基礎断熱の住宅を新築する際の注意点|シロアリ被害を防ぐ暮らし方
基礎断熱の住宅を新築する際には、断熱材等にシロアリ対策を講じることでリスクを抑えることができますが、100%ではないことに注意しましょう。
ここでは、マイホームを建ててからもシロアリ被害を防ぐためのポイントについて紹介します。
シロアリ侵入を定期的に点検・素早く対処
シロアリの羽アリを見つけて、シロアリ被害に気付くことが多いのですが、羽アリを見つけた時には被害が拡大していることがほとんどです。
したがって、シロアリを早期に発見することができれば、住宅が被害にあう前に対処できますので、定期的に下記のポイントを点検するようにしましょう。
- 家の周囲に蟻道(外壁に土で作った道のようなもの)がないか
- 屋根裏や屋根・床下にシロアリがいないか
- 配管からの水漏れ・雨漏りがないか
- 木材が柔らかくなっていないか
もちろん、点検は専門業者に依頼するのが得策ですが、新築時に十分な点検口を設けるなど点検しやすい環境をつくることもポイントです。
シロアリのエサになるものを屋外に置かない
シロアリは木材を好みますが、正確には木材の中にあるセルロースと呼ばれる成分がシロアリのエサになります。
したがって、下記のようなセルロースを含むものを置かないようにしましょう。
- 段ボール
- 新聞紙
- 本
- 畳
- 衣類
- 切り株・残材
特に、屋外に置いた段ボールなどが雨により水分を含むことでシロアリを寄せやすくなることに注意が必要です。
水漏れや雨漏りは早期に対処
シロアリは湿気を好みますので、水漏れや雨漏りがある場所はシロアリが住みやすい環境になります。
水漏れや雨漏りは放置せずに早期に修繕することが重要です。
福井で注文住宅をご検討の方は、高断熱・高気密の家づくりが得意なノークホームズにお気軽にお問い合わせください。
これまでの施工経験から、基礎断熱のシロアリ対策について多彩なアイデアをご提案いたします。
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まとめ
夏は涼しく、冬は暖かく暮らせる高断熱・高気密の家づくりには、基礎断熱を取り入れるのが効果的です。
確かに、基礎断熱はシロアリ被害を受けやすいと言われていますが、下記のようなシロアリ対策を講じることで被害のリスクを減らせます。
- シロアリ耐性がある断熱材を選定するなどの施工時の工夫
- 定期的な点検や防蟻処理など日常的な対策
今回紹介したようなシロアリ対策について施工業者と相談しながら進めていくことで、シロアリ被害を受けにくく、高断熱・高気密で快適に暮らせる家づくりを実現しましょう。