河川より低い土地の水害対策|洪水・内水氾濫の被害を避ける家づくりの工夫、歴史的な暮らしの特徴も解説
日本の住宅地の大多数は、河川よりも低い土地です。
また河川より高くても、風雨・風雪の影響をまったく受けない土地はないため、どこで暮らす場合でも水害対策を検討するのがベストです。
今回は過去に何度も水害を受けてきた福井・石川の工務店『ノークホームズ』が、新築・リフォームの際にぜひ取り入れていただきたい水害対策を、わかりやすく解説します。
ご家族の命と暮らしを守る水害対策を実施するために、ぜひ最後までごらんください。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
目次
河川より低く、水害を受けてきた土地の種類
はじめに、河川より低い位置にある土地の種類を簡単に確認しておきましょう。
河川より低い土地の例は以下のとおりで、それぞれ成り立ちや地形に特徴があります。
河川より低い土地(例) | 概要 |
---|---|
扇状地 | 急流河川が平地に出た場所に、土砂が堆積してできた扇状の土地 |
三角州 | 河口近くに、砂などが堆積してできた三角形の土地 |
氾濫平野 | ・洪水による土砂が堆積してできた平野 ・氾濫平野には地形や土地の状況によってさらに分類がある (例:洪水時に氾濫した水が滞留する水はけが悪い「後背低地・湿地」など) |
谷底平野 | もともとは谷で、河川が運搬した砂・泥で埋められた土地 |
海岸平野 | 海底の一部が隆起したり、海水面が低下したりして現れた土地 |
こちらの記事で、水はけの悪い土地に家を建てる場合の工夫を確認できます。
>水はけの悪い土地に家を建てる際の対策方法を紹介|デメリット、回避策なども解説
上記のような土地は農耕地や都市として造成されてきたため、現在は土地本来の特徴がわからなくなっていますよね。
水害の影響をイメージさせないような造成地であっても、大多数は上記のような特徴を持った土地であることを念頭に置いておきましょう。
河川より低い土地の水害対策|洪水・内水氾濫の被害を避ける家づくりの工夫
次に、河川より低い土地で家を新築・リフォームする際の水害対策も紹介します。
日本では風雨・風雪の影響を100%受けない家づくりをするのは難しいのですが、影響を受けてもご家族の命と暮らしを守り、修復を最小限にする水害対策が可能です。
家の新築時に取り入れるべき水害対策
家の新築時には、ハザードマップで水害を受けにくい土地を確認して、土地選びをすることをおすすめします。
ハザードマップの確認方法を、こちらの記事で確認できます。
>福井県各市町村の水害に強い地域の調べ方|ハザードマップ活用方法、過去の水害も解説
また、新築・リフォームの際には、以下のようなポイントを検討してください。
- 基礎・床・間口・屋外設備を、想定浸水深よりも高い位置に設置
- 盛土で敷地をかさ上げ
- 防水性の塀で敷地を囲む
- 防水性の高い外壁材を選び、防水加工をする
- コンセントを高い位置に設置する
- ご家族の避難経路を考慮して間取りを作成 など
こちらの記事で、水害に強い家のつくり方を、詳しく確認できます。
>水害に強い家は設計時の水害対策・土地選び・メンテナンスでつくる|ハウスメーカー選び、水害補償も解説
日常生活に取り入れるべき水害対策
水害に強い家になるよう対策した上で、日常的にご家族で水害対策を実施しましょう。
- 雨樋・側溝など水が流れる場所に詰まり・破損などの問題があれば、解消しておく
- 1階からの浸水を防ぐために、止水板を準備しておく
- ご家族で、定期的に避難ルート・最終避難場所・連絡方法を話し合っておく など
福井・石川で「新築・リフォームするご自宅の水害対策を強化したい」とご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは、新築・リフォームどちらも対応可能な工務店です。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
河川より低い土地の水害危険度をハザードマップで確認する際のポイント
新築・リフォームするご自宅の水害危険度はハザードマップで確認できますが、「実際にハザードマップを見ても意味がわからない」とお悩みの方がいらっしゃると思います。
河川より低い土地の水害危険度は、以下をポイントにして確認しましょう。
- 洪水・内水氾濫による浸水深
- 津波・高潮による浸水深
- 土砂災害
- 地形分類
ハザードマップは国・自治体がそれぞれ作成・公表していて、自治体のハザードマップは様式がそれぞれ違うため、今回は国の『重ねるハザードマップ』を見る際のポイントを紹介します。
洪水・内水氾濫による浸水深
河川の近くにお住まいの場合は、重ねるハザードマップを開いて「住所」「洪水・内水氾濫」(上記画像の赤枠参照)を指定すると、「浸水想定区域」「浸水深」を確認できます。
(地図は拡大・縮小が可能で、確認したい場所にカーソルを合わせると、浸水想定区域の具体的な内容が表示されます)
浸水深を確認することで、新築・リフォーム時に以下のような水害対策が可能ですね。
【水害対策の例】
- 浸水深0.5m未満の場合:基礎や床の位置・屋外設備の設置位置を高くする
- 浸水深0.5m〜3mの場合:土地のかさ上げ・ガレージハウスなど、浸水を避ける対策・避難可能な対策を検討する など
また、浸水深に応じて、ご家族の通勤・通学中の避難ルートを想定することもできます。
津波・高潮による浸水深
海の近くにお住まいの場合も、気になる水害は「浸水の程度」ですよね。
洪水・内水氾濫と同じ要領で、「浸水想定区域」「浸水深」を確認してみてください。
土砂災害
山あい・崖のある場所・盛土で造成した土地などは、土砂災害の危険性を確認する必要があります。
以下のような土砂災害の危険性が地図上に表示されるため、土地購入などの判断に活用してください。
- 急傾斜地の崩壊
- 土石流
- 地すべり
また土砂災害は、住所を絞って危険性を確認したい方が多いのではないでしょうか。
重ねるハザードマップ・自治体のハザードマップは情報が連動していないケースもあるため、自治体のハザードマップも合わせて確認することをおすすめします。
これから土地を購入する場合には、現地に足を運んで最新の周辺状況を確認することも大切です。
地形分類|水害のリスクを想定できる
前述したとおり、現在は多くの土地が造成によって本来の特徴がわからない状態になっています。
そのため、ハザードマップで土地本来の地形も確認すると、将来の水害予測・水害対策はもちろん、住環境の整備にも役立ちます。
確認したい土地にカーソルを合わせて、以下のような情報を確認しましょう。
- 造成前の土地の状態
- 地盤の種類(砂・泥など)や状態
- 想定できる自然災害 など
【注意】河川・海・山が遠くても水害対策は必要
河川より低い土地のハザードマップを確認する際のポイントを紹介しましたが、ここで「河川・海・山から遠ければ水害の心配をせずに暮らせる?」と疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
河川・海・山が遠い場合でも、以下の場合には「マンホールから水があふれて周辺建物が浸水する」といった内水氾濫が発生する可能性があることを、念頭に置いておく必要があります。
- 雨量が、地下に水を流す排水システムの容量を超えた場合
- 排水システムが故障している場合 など
また過去には、洪水が時間をかけて遠くまで到達したケースもあります。
【2015年9月関東・東北豪雨による鬼怒川の氾濫】
「24時間雨量551mm」の大雨により、鬼怒川が決壊しました。
その後12時間にわたって浸水域が広がり、浸水域は10km下流まで到達しています。
救助者4,300人、電力・水道・鉄道等の停止など、大きな水害となりました。
河川・海・山から遠い場所で暮らしていても水害の危険性はあるため、日常的な対策が必要ですね。
また災害発生時に正確な情報収集・避難の判断ができるように、ご家族で防災意識の維持に取り組んでいただけると幸いです。
福井・石川で新築・リフォームするご自宅の水害対策強化を検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは、新築・リフォームどちらも対応可能な工務店です。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
まとめ
河川よりも低い土地の水害対策を紹介してきました。
日本は多くの土地が河川よりも低い位置にあり、河川・海・山から離れた場所を選んで暮らす場合でも、水害を100%避けることは難しいのが現状です。
そのため、水害の危険性を理解した上で、いつでも対応できるように対策をしておくことが、ご家族の命と暮らしを守ることにつながります。
今回紹介した情報を参考に、ご自宅の状況に応じた水害対策を検討していただけると幸いです。