二世帯住宅のローンの組み方3種類を解説「月々の返済がきつい」を感じない資金計画の立て方や注意点も
二世帯住宅を建てる際の住宅ローンの組み方は、家族全体の負担や将来の生活設計に大きく影響を与えます。
親世帯と子世帯が一緒に暮らすため、通常の住宅ローンとは異なる点に注意する必要があります。
今回は、福井・石川の工務店「ノークホームズ」が、二世帯住宅に関する豊富な経験と知識を活かし、二世帯住宅のローンの3つの組み方を比較、それぞれの特徴や注意点を分かりやすく説明します。
コラムのポイント |
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目次
二世帯住宅のローンの組み方は主に3種類、メリット・デメリットを解説
二世帯住宅を建てる際のローンの組み方は、主に以下の3種類に分けられます。
- 収入を合算して住宅ローンを組む
- 親子で別々に住宅ローンを組む「ペアローン」
- 途中で住宅ローンを子世帯が引き継ぐ「リレーローン」
住宅ローンの組み方によって、返済方法や負担の分担が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
これらについて、それぞれ詳しく解説します。
収入合算で住宅ローンを組む
収入合算とは、親世帯と子世帯の収入を合わせて住宅ローンを組む方法です。
合算した収入をもとに審査を行うため、単独世帯よりも高額な借り入れが可能になる点が大きなメリットです。
メリット | デメリット |
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・借入可能額が増える ・住宅ローン控除額が増加し、節税効果が高くなる |
・連帯保証人が必要となる ・住宅ローン控除の対象となるのは契約者のみ ・収入合算の相手が死亡しても、残債は免除されない |
また、収入合算を利用するには、以下の条件を満たす必要がある場合があります。
- 申込人の配偶者、父母、義父母、子、または子の配偶者のいずれかであること
- 申込人と同居する(している)方
- 申込時の年齢が70歳未満であること など
金融機関等によって詳しい条件や収入合算可能な金額が異なるため、利用を検討している方は事前に確認しておきましょう。
親子で別々に住宅ローンを組む「ペアローン」
「親子ペアローン」では、親世帯と子世帯がそれぞれ個別にローン契約を結び、2つのローンを合わせて住宅全体の資金をまかないます。
たとえば、親世帯が住宅の1/2、子世帯が1/2の資金を負担する形で契約し、それぞれが独立した返済義務を負います。
親子ペアローンのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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・両世帯それぞれが住宅ローン控除を受けられる |
・親世帯の契約者が亡くなっても、子世帯のローンは残り続ける ・事務手数料や諸経費は2倍かかる ・物件の持ち分と負担額の割合が一致していない場合、贈与税が発生する可能性がある |
ペアローンについては、こちらの記事でも確認できます。
>住宅ローン控除を上限まで使えるペアローンシミュレーション|デメリット(手数料2倍など)も簡単解説
途中で住宅ローンを子世帯が引き継ぐ「リレーローン」
「親子リレーローン」とは、住宅ローンの返済を親世帯が開始し、その後、子世帯が返済を引き継ぐ形式のローンです。
親世帯が現役で収入がある間に返済を開始し、退職後に子世帯が返済を引き継ぐことで、返済計画をスムーズに進められる点が特徴です。
メリット | デメリット |
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・親世帯が高齢でも住宅ローンが組みやすい ・返済割合に応じて、それぞれが住宅ローン控除を受けられる ・住宅金融支援機構の「フラット35」を利用することも可能 |
・団体信用生命保険(団信)は、子世帯しか加入できないケースが多い。 |
福井・石川で二世帯住宅を検討中の方は「ノークホームズ」へご相談ください。
住宅ローンの利用方法や資金計画の段階から、ご家族を丁寧にサポートいたします。
「月々の返済がきつい」と感じない資金計画の立て方
二世帯住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合、「月々の返済がきつい」とならないよう、以下のポイントを意識しましょう。
適切な資金計画を立てることで、長期的に安定した生活を維持することが可能です。
- 親世帯と子世帯がどれだけ頭金を用意できるかを検討する
- 月々の返済額を基に予算を立てる
- ランニングコストを考慮する
- ライフスタイルの変化を想定し計画を立てておく
親世帯と子世帯がどれだけ頭金を用意できるかを検討する
二世帯住宅の住宅ローンを組む際には、まず両世帯で用意できる頭金の額を検討することが重要です。
頭金は多いほど借入額を抑えられるため、月々の返済負担を軽減できます。
両世帯の貯蓄状況を確認し、用意できる頭金について話し合いうことが必要です。
なお、親世帯が子世帯に資金援助をする場合には、贈与税の非課税枠を確認しておくことが重要です。
住宅ローンの頭金など、親世帯の援助による贈与税や非課税制度については、こちらで確認できます。
>住宅ローンの贈与税と非課税制度|親からの資金援助、夫婦間の贈与などケース別に回避策も解説
月々の返済額を基に予算を立てる
月々の返済額は、両世帯の収入と支出のバランスを考慮し、慎重に設定する必要があります。
一般的な目安として、世帯の年収の25%以内に抑えることが望ましいとされています。
(シミュレーション例)
年収800万円の場合
- 年間返済可能額:200万円(年収の25%)
- 月々の返済額:約16.6万円
ただし、これはあくまで目安であり、各家庭の事情や将来の収入見込みなどを考慮して決定しましょう。
ランニングコストを考慮する
二世帯住宅の資金計画を立てる際には、住宅ローンの返済だけでなく、維持費も重要な検討事項です。
- 光熱費:二世帯で生活するため、一般的な一戸建てよりも高くなる傾向があります。
- 通信費:インターネットや携帯電話の契約を世帯ごとに分けるか、まとめるかで費用が異なります。
- 固定資産税:建物の規模が大きくなるため、一般的な一戸建てより高額になる場合があります。
- 修繕費:将来の大規模修繕に備えて、毎月一定額を積み立てることを検討しましょう。
これらの諸経費を両世帯でどのように分担するかについて、事前に話し合いで決定しておくことが大切です。
明確なルールを設けることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
ライフスタイルの変化も想定しし計画を立てておく
長期的な視点で家族の状況変化を予測し、それに伴う収支の変動を考慮することが大切です。
子どもの教育費や老後の生活費など、将来的な出費の増加を見込んでおきましょう。
また、親世帯の定年退職による収入の減少も考慮に入れる必要があります。
さらに、万が一の事態(失業や病気など)に備えた資金的な余裕を確保することも必要です。
福井・石川で二世帯住宅を検討中の方は「ノークホームズ」へご相談ください。
ご家族の希望に沿った二世帯住宅プランを提案いたします。
二世帯住宅のローンを組む際に注意すべき登記方法
二世帯住宅のローンを組む際には、登記方法に注意を払う必要があります。
主に3つの登記方法があり、それぞれの特徴と注意点は以下のとおりです。
登記方法 | 特徴・注意点 |
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単独登記 | ・1人の名義で登記する方法 ・親または子、いずれか一方の世帯が単独所有者として登記します。 ・出資割合と登記名義が一致しない場合、贈与とみなされ、税金問題が発生する可能性があります。 |
共有登記 | ・親子で1つの家を共有する形で登記する方法 ・出資比率と持分割合を一致させることが重要です。 ・割合が一致しない場合、差額が贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。 |
区分登記 | ・完全分離型の二世帯住宅で選択可能な方法 ・親子それぞれが別々の住宅として登記します。 ・各世帯の居住空間が完全に分離されている構造である必要があります。 |
<参照>国税庁:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
どの登記方法を選択するかは、親世帯と子世帯の資金負担やライフプラン、将来の相続を見据え、慎重に検討することが重要です。
なお、登記方法によっては税金や法律の面で注意が必要な場合がありますので、専門家への相談も併せて行うと安心です。
二世帯住宅ローンに関する税制優遇措置一覧
二世帯住宅ローンに関連する主な税制優遇措置は以下のとおりです。
- 不動産取得税の軽減:1世帯あたり1,200万円の控除が適用され、二世帯分で最大2,400万円の控除を受けることが可能です。
- 固定資産税の軽減:新築後3年間(長期優良住宅の場合は5年間)、1世帯あたり120m²相当分(最大240m²まで)の税額が1/2に軽減されます。
- 住宅ローン減税:住宅ローン残高に応じて所得税または住民税が控除され、最大10年間で合計400万円の控除を受けることが可能です。
- 小規模宅地等の特例(相続税):被相続人と同居していた場合、相続する自宅の土地面積330m²までの評価額が80%軽減されます。
これらの優遇措置を利用するためには、二世帯住宅の構造や登記方法、居住状況などの条件を満たす必要があります。
具体的な適用条件や申請手続きについては、各地域の県税事務所や自治体の税務課、または住宅ローンを提供する金融機関へお問い合わせください。
二世帯住宅で活用できる減税制度や補助金はこちらで確認できます。
>【2024-2025年】二世帯住宅の新築・リフォーム補助金・減税制度|申請条件、申請時の注意点など解説
福井・石川で無理のない資金計画で二世帯住宅を建てるなら「ノークホームズ」へご相談ください。
ノークホームズは、ご家族の希望に沿ったプランを提案いたします。
まとめ
この記事では、二世帯住宅の資金計画でよく利用される「収入合算」「ペアローン」「リレーローン」など、それぞれ異なるローンの特徴や、主な減税制度を活用した資金計画の立て方について解説しました。
二世帯住宅のローンは、ご家族の将来を大きく左右する重要な選択です。
ご家族で十分に話し合い、お互いの将来像を共有しつつ、無理のない返済計画を立てることで、快適な二世帯住宅生活が実現できます。
ご家族が末長く安心して暮らせる二世帯住宅づくりに、今回の内容がお役に立てば幸いです。