田んぼ・畑だった土地に家を建てるメリット・デメリット、費用、手続き、家を建てるまでの期間など簡単解説
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合には、はじめに「田んぼ・畑として使用するための土地」を「家を建てるための土地」に変更する手続きが必要です。
また、田んぼ・畑だった土地が家の重量に耐えられる状態に改良する費用も発生します。
今回は、福井・石川で多くのご家族の家づくりをサポートしてきた『ノークホームズ』が、田んぼ・畑だった土地に家を建てる前に知っておくべき情報を、わかりやすく解説します。
土地を有効活用してスムーズに家づくりをするために、ぜひ最後までごらんください。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
目次
田んぼ・畑だった土地に家を建てるメリット・デメリット
はじめに、「田んぼ・畑を活用するか」「宅地を購入するべきか」迷っている方へ、田んぼ・畑だった土地に家を建てるメリット・デメリットを紹介します。
田んぼ・畑だった土地の現状、ご家族が実現したいライフスタイルなどに応じて、家を建てる土地を取得する方法を検討していただけると幸いです。
メリット
田んぼ・畑だった土地に家を建てる主なメリットは、以下のとおりです。
- 土地購入費用を抑えられる
- 広い敷地を確保しやすい
- 周辺も田んぼ・畑の場合は静かで自然豊かな環境
- 家庭菜園をする場合には、土壌が育っているため作物を育てやすい など
市街地に近い場所に田んぼ・畑だった土地がある場合には、特に費用面のメリットが大きい点が魅力ですね。
デメリット
田んぼ・畑だった土地に家を建てる主なデメリットは、以下のとおりです。
- 地盤改良費用が高額になる可能性がある
- インフラ(電気・ガス・水道)整備費用が高額になる可能性がある
- 「農地を宅地に転用する手続き」が必要で、家が完成するまでの期間が長期に及ぶ可能性がある など
田んぼ・畑は「農地」、家を建てるための土地は「宅地」で、使用目的が全く違いますよね。
田んぼ・畑だった土地の地盤は、宅地に適していないケースが多数あります。
そのため、「田んぼ・畑だった土地に家を建てる」「土地を買って家を建てる」両方の費用を試算し、手続きの手間も考慮して土地利用を検討する必要があります。
福井・石川でマイホームを検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ご家族の要望を伺い、土地探しの段階からサポートいたします。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
田んぼ・畑だった土地に家を建てる費用相場
次に、ここで気になるのが、「田んぼ・畑だった土地に家を建てる際に、実際にどの程度の費用が必要か」という点かと思います。
田んぼ・畑だった土地に家を建てるための主な費用は以下のとおりですので、費用の詳しい内容を確認しましょう。
- 地盤調査費用・地盤改良費用
- インフラ整備費用
- 宅地転用の手続費用
※これから紹介する費用は相場で、実際の費用は土地の状況・建物の建築計画などによって大きく変動する可能性があります。
具体的な費用については、家づくりを依頼する施工業者へお問い合わせください。
地盤調査費用・地盤改良費用の相場|地盤沈下を防ぐ地盤改良方法
「地盤」とは建物の基礎となる土地のことで、建物を建てる前の地盤調査は義務です。
【地盤調査費用の相場】
主な調査方法は「スウェーデン式サウンディング試験」「ボーリング調査」などで、費用は25万円〜35万円ほどが相場です。
一方で地盤改良は義務ではありませんが、軟弱な地盤の上に建物を建てると、災害などによって地盤に液状化・沈没・変形などが発生し、建物に重大な影響を与える場合があります。(傾き・倒壊など)
そのため、地盤調査で「地盤改良が必要」という結果が出た場合には、地盤改良を実施するのが一般的です。
【地盤改良費用の相場】
地盤改良方法は複数あり、土地の状況などに応じて決定します。
- 表層改良工法(浅い層の改良):約20万円~50万円
- 柱状改良工法(深い層まで改良):約40万円~100万円
- 鋼管杭工法(深い層まで改良):約90万円~200万円
- 砕石工法約(土を砕石に置き換え):50万円〜150万円
こちらの記事で、地盤改良の工法・費用などを詳しく確認できます。
>地盤改良の工法別の費用相場(30坪)|見積もり書確認や施工不良などのトラブルを回避する方法も解説
インフラ整備費用|電気・ガス・水道の引き込み
田んぼや畑だった土地はインフラ(電気・ガス・水道)が整備されていないのが一般的で、土地内に関してはご自身での整備が必須となります。
【インフラ整備の費用相場】
- 電気の配線を土地内に引き込み:数万円〜10万円程度/1引き込み
- ガス管を土地内に引き込み:2万円〜3万円/m
- 水道管を土地内に引き込み:2万円前後/m
ガス管に関しては、プロパンガスを利用することで整備費用を軽減できる可能性があるため、施工業者へ相談してください、。
水道管に関しては、「土地と本管の距離が離れている」「本管が老朽化している」といった場合には工事内容が複雑になり、工期も数ヶ月となるケースがあります。
そのため、インフラ整備に関しては「農地を宅地に転用する手続き」と同時進行で検討しましょう。
宅地転用の手続費用|登記費用など
田んぼや畑だった土地に家を建てるためには「農地を宅地に転用する手続き」が必要で、以下のような手続き費用が発生します。
- 許可申請費用を専門家に依頼する費用:10万円〜30万円
- 土地の登記簿に記載されている地目(土地の用途)を農地から宅地に変更する費用:5万円〜15万円
- 土地の境界線を確定するための測量費用:30万円〜80万円
また、ご親族などが所有している田んぼ・畑だった土地の一部を譲り受けて家を建てる場合も、上記のような手続き費用が発生します。
田んぼ・畑だった土地(農地)を宅地に転用して家を建てる手続き、家を建てるまでの期間
「田んぼ・畑だった土地に家を建てる際の最大のハードルは費用」というイメージが強いですが、実は家を建てて暮らしを始めるまでの時間が長い点もハードルの一つです。
次に、田んぼ・畑だった土地を宅地に転用して家を建てる手続きの流れも確認しておきましょう。
「市街化調整区域」内の田んぼ・畑だった土地に家を建てる手続き、期間
田んぼ・畑だった土地の立地は大きく分けて「市街化調整区域」「市街化区域」に分かれていて、「市街化調整区域」とは、暮らしに必要な整備・開発を自治体がすすんで行わない区域のことです。
基本的には市街化調整区域内での住宅建築などは認められず、特別な場合のみ宅地への転用が認められる可能性があります。
※農地から宅地へ転用できない場合について、のちほど「家を建てられない田んぼ・畑の種類、確認方法」で紹介します。
【市街化調整区域内の田んぼ・畑だった土地に家を建てる手続き】 |
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非常に複雑な手続きのため、大まかに紹介します。 必要書類を準備し、農業委員会へ提出 ↓ 農業委員会が内容を検討し、意見書を作成して都道府県知事へ提出 ↓ 都道府県が提出書類・意見書の内容を審議のうえ、申請の許可・不許可を判断 |
〈参考〉坂井市>トップページ検索窓に「農地転用(農地法第4条・第5条)の申請について」と入力
市街化調整区域内の田んぼ・畑だった土地を宅地に転用する手続きが完了して許可を受けるまでには、少なくとも2ヶ月以上〜1年以上の時間が必要です。
「市街化区域」内の田んぼ・畑だった土地に家を建てる手続き、期間
「市街化区域」とは、暮らしに必要な整備・開発をしていく区域のことで、田んぼ・畑だった土地が市街化区域内にある場合には、スムーズに手続きが進む可能性があります。
【市街化区域内の田んぼ・畑だった土地に家を建てる手続き】 |
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必要書類を準備し、農業委員会へ提出 ↓ 農業委員会が内容を確認し、許可・不許可を判断 ↓ 許可を受けたら、法務局で「登記簿の地目変更手続き」をする |
上記の手続きは、1〜2週間ほどで完了するケースもあります。
田んぼ・畑だった土地を宅地に転用する手続きの流れを紹介しましたが、土地の状況によっては別の手続きも必要となる可能性があります。
そのため、田んぼ・畑だった土地の所在地の都道府県庁で、事前相談をしたうえで手続きを進めることをおすすめします。
福井・石川でマイホームを検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ご家族の要望を伺い、土地探しの段階からサポートいたします。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
家を建てられない田んぼ・畑の確認方法
市街化調整区域内の田んぼ・畑だった土地の中には、宅地への転用が認められない土地もあるため、次に紹介します。
家を建てられない田んぼ・畑とは
田んぼ・畑だった土地で家を建てられない場合とは、以下のとおりです。
- 「農用地区域」に指定されている土地は、この区域から除外する手続き完了後以外は宅地に転用できない
- 「保安林」「保護地区」に指定されている土地
- 市町村の土地区画整理事業の対象地 など
市街化調整区域内の土地にはさまざまな制限があるため、土地の状況について、都道府県の農業委員会へ事前確認をすることをおすすめします。
家を建てられない田んぼ・畑の確認方法
都道府県の農業委員会へ事前相談をするほか、以下の方法を組み合わせて土地の状況を確認することも可能です。
- 市町村の窓口orホームページで 土地の「用途地域」を確認
- 市町村の窓口orホームページで「都市計画図」を確認
- 登記簿で土地の「地目」を確認
田んぼ・畑だった土地に家を建てるQ&A
最後に、田んぼ・畑だった土地に家を建てることを検討している方から、ノークホームズがよくいただく質問・回答を紹介します。
自己所有の土地・家族所有の土地も手続きは必要?
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合、土地の所有者とご自身の関係に関わらず手続きが必要です。
農地は農地法によって管理されていて、所有者が自由に用途を変更して使うことはできないことを念頭に置いておいていただけると幸いです。
地盤改良をしても地盤沈下する可能性はある?
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合、地盤改良が必要となるのが一般的です。
地盤改良は地盤の沈下・変形などを防ぐための工事ではあるのですが、地盤改良をしても地盤沈下が起こる可能性はゼロではありません。
地盤沈下が不安な場合には、地盤改良をしてから1年ほど時間を置いて土地の状況を確認のうえ、家を建てるケースもあります。
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合には、地盤改良に加えて家の耐震性能確保も大切です。
こちらの記事で、地震に強い家のつくり方を確認できます。
>耐震等級2・3の建物は十分な耐震性なのか|震度7の倒壊事例(熊本地震)、地震に強い家のつくり方を解説
「田んぼに家を建ててはいけない」と言われる理由を知りたい
田んぼだった土地は水を入れて使っていたため、土地全体に水を含んでいて地盤が弱いとされています。
特に近年まで田んぼとして使用されていた土地の場合は、土地に含まれる湿気が住宅に入り込み、カビ・シロアリが発生しやすい可能性があることも、「田んぼに家を建ててはいけない」と言われる理由です。
こちらの記事で、新築時にシロアリ被害を防止する対策を確認できます。
>シロアリ被害を受けやすい基礎断熱のシロアリ対策|土間断熱・床断熱との違い、新築時の注意点など解説
田んぼ・畑だった土地が短期間で宅地造成・販売されているのはなぜ?
田んぼ・畑だった土地が短期間で宅地造成・販売されるのは、開発業者が大規模な計画をたてたうえで、既に手続きを進行しているためです。
大規模な計画の場合は、自治体と連携して宅地造成をしている場合もあります。
まとめ
田んぼ・畑だった土地に家を建てる費用、手続きの流れなどを紹介してきました。
田んぼ・畑だった土地に家を建てる場合は、どの程度の土地整備費用が発生するかを確認する必要があります。
通常の土地を購入するよりも費用を抑えられる可能性がありますが、手続きが複雑になる点も念頭に置いて、土地利用を検討しましょう。
今回紹介した情報を参考に、丁寧にサポートしてくれる施工業者を選んだうえで、家づくりのプランを組み立てていただけると幸いです。