断熱等級7段階のUA値・ηAC値の基準一覧表|どの断熱等級が最適か、断熱等級の調べ方など解説
断熱等級とは、住宅性能表示制度における住宅の断熱性能を示す基準です。
2022年4月1日に断熱等級5(ZEH水準)、同年10月1日に断熱等級6と7が追加され、最高等級は7になりました。
断熱性能は快適に暮らすために重要なので、「7段階ある断熱等級の基準を詳しく知りたい」と考えている方も多くいらっしゃいます。
今回は、断熱等級7を標準仕様で提供している福井の工務店「ノークホームズ」が、断熱等級の基準に関する疑問をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
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断熱等級の基準を知ると、どの等級を目指すべきか検討しやすくなります。ぜひ最後までごらんください。
目次
断熱等級7段階のUA値・ηAC値の基準一覧表|ZEHなどの断熱等級
断熱等級(断熱等性能等級)は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められた住宅性能表示制度のうち、住宅の断熱性能などを示すものです。
国土交通省が具体的な基準(日本住宅性能表示基準・評価方法基準)を定めており、おもに以下2つの基準指標で評価します。
基準指標 | 概要 |
---|---|
UA値 (ユーエー) |
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ηAC値 (イータエーシー) |
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※UA値とηAC値のほかに、防湿層や通気層を設けることなど、内部結露対策に関する基準もあります。
いずれも住宅の断熱・省エネ性能を示す重要な指標であり、後述するZEHや長期優良住宅と関係します。
断熱等級7段階のUA値・ηAC値の基準一覧表
断熱等級の基準値は、以下の7段階です。
断熱等級 | UA値の上限 (W/(㎡・K)) |
ηAC値の上限 |
---|---|---|
7 | 0.26 | 2.8 |
6 | 0.46 | 2.8 |
5 | 0.60 | 2.8 |
4 | 0.87 | 2.8 |
3 | 1.54 | 3.8 |
2 | 1.67 | - |
1 | - | - |
〈参照〉国土交通省ウェブサイト「住宅の品質確保の促進等に関する法律」評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号)
※記載した値は福井市、鯖江市、越前市などの6地域に適用される水準であり、地域によって異なる場合があります。
UA値の数値が小さいほど、断熱等級が高いことをあらわしています。
なお、政府の省エネ基準に関する方針は以下のとおりで、義務化と引き上げが予定されています。
省エネ基準の義務化と引き上げ |
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そのため、2025年4月からは断熱等級4、遅くとも2030年以降は断熱等級5が新築住宅の最低等級となる見込みです。
2025年からの省エネ住宅義務化については、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてください。
>「2025年からの省エネ住宅義務化」とは|断熱等の義務化内容、影響をわかりやすく解説
ZEH、長期優良住宅などの断熱等級一覧表
長期優良住宅や低炭素建築物、ZEH、HEAT20におけるUA値とηAC値の基準値は、以下のとおりです。
UA値の上限 (W/(㎡・K)) |
ηAC値の上限 | 断熱等級との関係 | |
---|---|---|---|
長期優良住宅 | 0.60 | 2.8 | 5相当 |
低炭素建築物 | 0.60 | 2.8 | |
ZEH | 0.60 | 2.8 | |
HEAT20 G2 |
0.46 | - | 6相当 |
HEAT20 G3 |
0.26 | - | 7相当 |
※記載した値は福井市、鯖江市、越前市などの6地域に適用される水準であり、地域によって異なる場合があります。
※UA値とηAC値の基準のみ抜粋して紹介しており、表に記載した水準のほかにも満たすべき基準があります。
ZEHとは、「外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅」と定義されています。
ZEHは国の省エネ政策で推進されていますが、2022年3月までZEH水準の性能を評価・表示できる断熱等級はありませんでした。
そこで、2022年4月1日に断熱等級5が創設されています。
そのうえで、2022年10月1日には、長期優良住宅や低炭素建築物の認定基準が省エネ基準(断熱等級4相当)からZEH水準(断熱等級5相当)に引き上げられました。
HEAT20は住宅業界の有志が結成した民間団体で、国の省エネ基準と比較して厳しい基準で断熱性能を評価しています。
HEAT20が定めた「G2相当」は断熱等級6、「G3相当」は等級7に該当することにともない、現在は断熱等級の最高等級は7となっています。
福井で高断熱住宅をご希望の方は、ノークホームズにお任せください。
UA値0.26以下の断熱等級7を標準にしており、夏・冬を通じて一年中快適に暮らせる住宅をご提案いたします。
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断熱等級3〜7の快適性の違い
UA値やηAC値で示されても、快適性の違いは把握しにくいものです。
そこで、断熱等級3~7の快適性にどのような違いがあるのかを目安として紹介します。
ただし、住宅の快適性は断熱等級だけでは決まらないため、あくまでも目安として参考にしてください。
なお、2025年4月から断熱等級3以下の新築はできませんが、比較対象として断熱等級3も紹介しています。
断熱等級3〜7の快適性一覧表
断熱等級3~7における快適性について、目安を以下にまとめました。
断熱等級 | 快適性 |
---|---|
7 | 冬でもお風呂・洗面脱衣所・トイレなどの寒が和らぐことを期待できる |
6 | 室内全体の温度差が小さくなることを期待できる |
5 | 底冷えなどの寒さを感じる場面が減り、光熱費も抑えられる可能性がある |
4 | 室内下部や窓から冷気が伝わってくる |
3 |
室内が暖まりきらず、足元から寒さを感じる |
目安ではありますが、断熱等級4以下だと冬に寒さを感じ、断熱性能に物足りなさを感じることがあります。
どの断熱等級が最適か
省エネ基準が遅くとも2030年までに断熱等級5相当(ZEH水準)に引き上げ予定のため、断熱等級5以上の検討をおすすめします。
1年を通して快適な室内環境を目指す場合には、断熱等級6以上も検討し、施工業者に相談しましょう。
ただし、断熱等級を高めると建築費用が増加する可能性もあります。
光熱費の削減効果や快適性、健康への影響などを含めて、総合的に考慮することが大切です。
施工業者など専門家に相談しながら、納得のいく断熱等級を検討しましょう。
断熱等級7のメリット・デメリットについては、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてください。
>断熱等級7の断熱材具体例|断熱等級4~6とどのくらい違うのか、断熱等級7のメリット・デメリットなど解説
断熱等級の高い住宅のメリット・デメリット、注意点
断熱等級の高い住宅には、メリット・デメリット・注意点があります。
それぞれ紹介していくので、断熱等級にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
メリット
断熱等級の高い住宅には、以下のメリットがあります。
断熱等級の高い住宅のメリット |
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補助金・減税制度の優遇は政策・予算によって実施状況が変化しますが、断熱性能は国の省エネ政策に影響するため、高断熱の住宅を建築する際には、複数の優遇制度を活用できる可能性があります。
断熱等級7での電気代削減効果は、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてください。
>断熱等級7の電気代削減効果|断熱等級5〜7の光熱費シミュレーション(オール電化・電気+ガス)
デメリット
多くのメリットがある一方、断熱等級の高い住宅は建築費用が高くなりやすいデメリットもあります。
建築費用が高くなる理由は、使用する断熱材の種類や断熱工法などが変わるためです。
もっとも、住宅の断熱性能を高めると補助金の対象になる場合があるほか、税制の優遇や光熱費の削減といった経済的メリットを受けられます。
断熱等級の高い住宅を建てる際の注意点
断熱等級が高いだけでは、快適に過ごせるとは限りません。
断熱性能が高くても、住宅のすき間をなくして気密を確保しなければ夏は熱気が室内に入り、冬は暖めた空気が外に流れてしまいます。
気密は施工精度で決まるため、高い施工技術を持つ施工業者の選定が重要です。
また、高気密であるからこそ計画的な換気ができます。
福井で高気密・高断熱住宅を建てたい方は、ノークホームズにお任せください。
1年を通して快適な室内環境の中で暮らせる住宅プランを提案いたします。
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断熱等級の確認方法
注文住宅を建てるときは、工事開始までに依頼する施工業者にご確認ください。
施工業者によっては、公式サイトで標準としている断熱等級やUA値の水準を掲載している場合があります。
ノークホームズでは、断熱性や気密性について以下のページで紹介しています。
>断熱・気密性
断熱等級の基準Q&A
断熱等級の基準に関してノークホームズがお客様からよく頂く質問について、回答します。
施工業者によって断熱等級が違うのか
最終的にはお施主様が住宅の断熱性能を決めますが、施工業者によって標準とする断熱等級が異なります。
仮に断熱等級5が標準であれば、断熱等級7とするには追加費用が発生する可能性もあります。
また、施工業者によって施工技術や経験が異なるため、高気密・高断熱住宅の施工経験が豊富な施工業者を選ぶことも大切です。
断熱等級と省エネ等級の違いを知りたい
品確法の住宅性能表示制度には、過去に省エネルギー対策等級がありました。
しかし現在、省エネルギー対策等級はありません。
もっとも、一部では現在でも断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級をあわせて、または一次エネルギー消費量等級を省エネ等級と呼ぶことがあります。
断熱等級の希望をいつ施工業者に伝えるべきか
断熱等級によってプランと費用が変わる場合もあるため、早めに伝えることをおすすめします。
標準仕様より高い断熱等級を希望する場合は費用が高くなる可能性もありますが、健康や快適性、電気代も考慮することが大切です。
また、早めに伝えることで建築プランをスムーズに進められます。
なお、建築士は、工事着手前に、お施主様に対して省エネ基準(断熱等級4相当)への適合性評価を行った結果の説明義務があります。
福井で住宅性能にこだわった住宅づくりを目指している方は、ノークホームズにご相談ください。
UA値0.26以下で断熱等級7(HEAT20 G3相当)、住宅の気密性示すC値は0.1以下など、圧倒的な住宅性能を実現できます。
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まとめ
7段階ある断熱等級の基準値などを紹介してきました。
省エネ基準は遅くとも2030年までに断熱等級5相当(ZEH水準)への引き上げが予定されているため、断熱等級5以上の検討をおすすめします。
今回紹介した情報を参考にしながら、ぜひ一年中快適に過ごせる高断熱・高気密住宅を目指しましょう。