住宅ローン「無理のない返済比率」とは?計算方法と審査が通りやすい年収別の目安や注意点

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住宅ローン「無理のない返済比率」とは|理想の割合や注意点

住宅ローンの支払金額は家計の中でも大きな割合を占めるため「無理のない返済比率」にすることが大切です。

そこで今回は、福井・石川で住宅ローン等の資金計画からお手伝いする工務店ノークホームズが、住宅ローンの理想の割合や注意点について解説します。住宅ローンの選び方についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント
  • 住宅ローンの「理想の返済比率」「無理のない返済比率」を、手取り年収からの割合を用いて解説します。

  • 返済比率を抑える方法や注意点についても、詳しく解説しています。

ノークホームズの施工事例集

ノークホームズの施工事例集

※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。

住宅ローンは「無理のない返済比率」にしたい

住宅ローンがあるけど引っ越す際の注意点

住宅ローンは長期にわたり多額の返済をするため、無理な借入をすると家計が圧迫されて生活費や教育費が足りなくなることもあります。

余裕がある返済計画なら生活にゆとりが持てる一方、万一の場合、住宅を手放すリスクも想定しておかなければなりません。

そのため、将来的な収入減や金利上昇、教育費の増加なども想定した慎重な返済計画を立てることが重要です。

返済比率とは

「返済比率」とは、年収に対して住宅ローンの年間返済額がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。

金融機関はこの比率をもとに、借入可能な金額の上限を判断します。

一般的な目安も存在しますが、個々のライフスタイルや将来設計に応じて柔軟に計画することが安心につながります。

返済比率の計算方法

返済比率は、「年間のローン返済額 ÷ 年収 × 100」で計算されます。

ここで注意すべきなのは、住宅ローンだけでなく車のローンや教育ローン、クレジットの分割払いなども含まれる場合があるという点です。

そのためローンを組む前に、全体的な借入状況を把握しておくようにしましょう。

 

具体的な住宅ローンの借入の流れについては、こちらの記事で確認できます。
>>注文住宅の住宅ローンの流れ|仮審査・本審査・つなぎ融資のタイミング、本審査に落ちた場合の対処法

理想の住宅ローン返済比率|審査基準の目安

理想の住宅ローン返済比率

ここでは、理想の住宅ローン返済比率について解説します。

無理のない返済比率は手取り年収の「30~35%以下」が目安

住宅ローンの返済比率は、一般的に手取り年収の30〜35%以下が目安とされています。

これは金融機関による審査基準で貸し出し可能と判断される上限に近く、「この範囲なら返済可能」とされる基準です。

具体的には手取り年収が600万の場合、年間返済額は約186~217万円(毎月約15.5~18.1万円)となります。

 

ただしこの数値はあくまで最大限の目安であり、実際には生活費や子育て、老後資金などを見越して、余裕をもった返済計画を立てることが重要です。

ボーナス頼みの返済や収入変動がある家庭は、とくに注意しましょう。

理想の返済比率は手取り年収の「20%以下」が安心

返済比率を手取り年収の20%以下に抑えると家計にゆとりが生まれやすく、将来のライフイベントにも柔軟に対応できます。

具体的には手取り年収が600万の場合、年間返済額は約124万円(毎月約10.3万円)です。

ゆとりがあれば教育費や医療費の増加、収入減少といった予期せぬ支出にも対応できるため、長期的に安心です。

住宅ローン契約者の返済比率はどれくらい?

住宅金融支援機構による「フラット35利用者調査(2023年度)」によれば、住宅ローン契約者の平均総返済負担率は23.4%となっています。

この指標は住宅ローンを含む全ての借入れの年間返済額を世帯年収で割った割合を示し、借入者の返済負担の大きさを表します。

融資区分別に見ると中古戸建を除く全ての区分で負担率が上昇しており、とくに新築マンションや土地付注文住宅での上昇が顕著です。

 

背景としては、住宅価格や金利の上昇、借入額の増加などが影響していると考えられます。

昨年度から0.3ポイント上昇していることからも、今後の住宅取得計画においては収入とのバランスを慎重に検討する必要性が増しています。

※出典:住宅支援機構 フラット35利用者調査 (2023年)

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年収別の住宅ローン返済比率の目安額

年収別の住宅ローン返済比率の目安額

ここでは、年収別の住宅ローン返済比率の目安額を解説します。

年収400~800万円について、それぞれ「返済比率20%、30%、35%」で算出しています。

年収 手取り年収 月々返済額(20%) 月々返済額(30%) 月々返済額(35%)
400万円 約320万円 約5.3万円 約8万円 約9.3万円
500万円 約400万円 約6.6万円 約10万円 約11.6万円
600万円 約480万円 約8万円 約12万円 約14万円
700万円 約560万円 約9.3万円 約14万円 約16.3万円
800万円 約640万円 約10.6万円 約16万円 約18.6万円

 

年収別の住宅ローン借入金額の目安は、こちらのコラムを参考にしてください。

>>マイホームのローンはみんな月々平均いくら払っているのか|借入総額・頭金・返済負担率も
>>住宅ローンを4000万で組む「返済がきつい」を避ける3つのポイント|共働きの場合も解説
>>住宅ローン5000万がきついと感じる世帯年収の目安|共働き夫婦が準備すべき頭金ど
>>6000万の住宅ローンを組める世帯年収|無理のない返済額、きついと感じる目安

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住宅ローン返済比率を抑える方法

住宅ローン返済比率を抑える方法

ここでは、住宅ローンの返済比率を抑える方法について解説します。いくつかの方法を組み合わせれば、さらに負担を軽減できる可能性が高くなります。

頭金の金額を多くする

住宅購入時の「頭金」が多いと借入額を減らせるので、結果として返済比率を抑えられます。

つまり頭金が多いほど毎月の返済額が少なくなり、総返済額も軽減できるのがメリットです。

一般的には、物件価格の2割程度を頭金の目安にすると安心です。

返済期間を長めにする

住宅ローンの返済期間を長く設定すると毎月の返済額が減るため、返済比率を抑えられる効果があります。

たとえば35年ローンにすれば、同じ借入額でも月々の負担は少なくなります。

とくに若い年代で借りる場合には、長期返済のメリットを活かしやすいのが特徴です。

ただし長期化することで利息総額は増えるため、余裕ができた時に繰り上げ返済をするなど、賢く返済計画を立てることが大切です。

住宅ローン以外の借り入れを減らす

住宅ローンの審査では、他のローンも含めて計算されます。

金融機関によっては審査に大きく影響するため、住宅ローンを検討する前に、できるだけ他の借入を完済または整理しておくと安心です。

具体的には車のローンやカードローン、教育ローンといったものが挙げられます。

新たな借り入れも控え、健全な家計を整えることがローン審査を有利に進めるコツです。

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住宅ローンの注意点

住宅ローンの注意点

ここでは、住宅ローンの注意点を解説します。主なリスクを把握しておくことで、無理のない返済計画にお役立てください。

ボーナス払いを当てにしない

住宅ローンの返済プランにボーナス払いを組み込むと、一時的に月々の返済額は抑えられます。

しかし景気の変動や会社の業績悪化により、ボーナスが減額・停止されるリスクがあります。

そのため長期間にわたるローンでは、将来の収入が不確実な中でボーナスに依存するのは危険です。

安定した返済計画を立てるためには、ボーナスはあくまで「繰り上げ返済」などの補助的な活用にとどめるようにしましょう。

ライフイベントを想定する

住宅ローンを組む際は、結婚・出産・進学・転職・介護・老後など、今後起こりうるライフイベントを想定して返済計画を立てることが重要です。

それぞれ大きな支出が伴うため、ローン返済だけに資金を回すと家計が破綻しかねません。

一定の貯蓄や余裕資金を確保し、「いつどんなお金が必要になるか」を事前にシミュレーションしておくことが、無理のない住宅ローン生活への第一歩です。

変動金利の上昇を見越しておく

変動金利型の住宅ローンは、低金利の恩恵を受けやすい一方で将来的な金利上昇リスクがあります。

金利が上がると返済額が増加するため、今の支払いが楽でも油断は禁物です。

金利が上昇した場合にどのくらい負担が増えるかを試算し、支出を見直したり繰り上げ返済の準備をしておくことが必要です。

必要に応じて固定金利への借り換えを検討するなど、柔軟な対応策を考えておくと安心です。

個人事業主は「所得」を基準にする

個人事業主が住宅ローンを組む場合、金融機関は売上ではなく「所得(課税所得)」を基準に審査を行います。

そのため経費を多く計上して所得を低く抑えていると、借入可能額が大幅に減ってしまう可能性があります。

また収入の安定性も審査で重視されるため、最低でも2〜3年分の確定申告書の提示が求められることが一般的です。

こういった事情から、事前に資金計画と節税のバランスを整えておくことが重要です。

 

以下の記事では、住宅ローンが5000万円の場合の世帯年収や頭金の目安を解説しています。

>>住宅ローン5000万がきついと感じる世帯年収の目安|共働き夫婦の場合の注意点

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住宅ローン返済比率に関するよくある質問

金利

ここでは、住宅ローン返済比率に関するよくある質問についてまとめて紹介します。

住宅ローンの金利の種類は?

住宅ローンの返済比率は、金融商品の選び方によって左右される部分も大きくなります。

ここでは住宅ローンの「金利の種類」の選び方について解説します。

変動

変動金利とは、半年ごとに金利の見直しが行われるタイプです。

一般的に固定よりも金利が低く設定されており、借入当初の返済負担は軽くなります。

ただし市場金利の上昇により、将来的に返済額が増えるリスクもあり注意が必要です。

低金利のタイミングでは返済比率が抑えられますが、金利上昇局面では返済比率が高くなる可能性があります。

そのため短期で返済する予定の人や、金利上昇リスクを受け入れられる人向けです。

 

固定(全期間)

全期間固定金利は、ローン契約時から完済まで金利と返済額が変わらないタイプです。

市場金利の変動に影響されず、長期的な家計管理がしやすいのが最大のメリットです。

固定金利であっても収入の変動があれば返済比率が変わりますが、全期間金利が固定されていれば返済計画が立てやすく、将来の金利上昇リスクに備えたい人や、安定志向の場合に向いています。

ただし変動や期間選択型に比べて金利は高めに設定されるため、長期的なメリット・デメリットを比較検討する必要があります。

 

固定(期間選択型)

固定金利の期間選択型は、3年・5年・10年など一定期間だけ金利が固定され、その後は変動または再固定となるタイプです。

固定期間中は返済額が変わらない安心感がありつつ、変動よりやや高めの金利設定となります。

そのため将来的に金利が上がる可能性に備えて固定期間中に繰り上げ返済をするなど、計画的な利用がポイントです。

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住宅ローンの契約者(債務者)は誰にすればいい?

住宅ローンの選び方②債務者の種類

ここでは住宅ローンの契約者となる「債務者の種類」と「ローンの選び方」について解説します。

債務者とは、「金融機関等に対して住宅ローンの返済義務を持つ人」のことです。

最近は夫婦で住宅ローンを組むケースも増えていますので、複数のパターンを比較検討してみてください。

単独ローン

単独ローンは、1人の名義で借り入れするタイプの住宅ローンです。

収入や信用情報に基づき借入可能額が決まるため、収入が高い方や共働きであっても一方の収入でローンを組める場合に適しています。

メリットは手続きがシンプルで、団信(団体信用生命保険)も本人にのみ適用されるため、名義人の死亡時にはローンが完済される点です。

一方で借入額には限界があり、物件価格によっては希望の家が買えない場合もあります。

ペアローン

ペアローンは夫婦など2人でそれぞれ住宅ローンを契約し、それぞれが返済義務を負う仕組みです。

2人分の収入をもとに借入額を増やせるのが大きなメリットで、それぞれに団信が付けられる点も安心材料です。

ただし契約や手続きが2人分必要で、登記費用や手数料も倍になります。

またどちらかの収入が減少すると返済負担が大きくなるリスクもあり、長期的なライフプランに応じた検討が必要です。

収入合算(連帯債務型)

連帯債務型の収入合算は、主債務者1人に対して、もう1人が「連帯債務者」として借入に関わる方法です。

両者の収入を合算して、借入額を増やせるのがメリットです。

しかし返済義務は双方にあり、主債務者が支払えなくなったら連帯債務者が全額返済する必要があります。

さらに主債務者にのみ団信が適用されるケースが多いため、保障の範囲に注意が必要です。

収入合算(連帯保証型)

連帯保証型の収入合算は、主債務者がローン契約者となり、もう一人が「連帯保証人」として収入を加味される仕組みです。

返済義務は基本的に主債務者にありますが、支払いが滞った場合は連帯保証人に責任が移ります。

借入可能額を増やす目的では使いやすい一方、保証人には責任だけが伴い、団信の対象にもならない点はデメリットです。

夫婦のどちらが保障を受けるべきか、家計への影響も含めて慎重に判断しましょう。

夫婦で住宅ローンを組む場合のメリット・デメリットを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

>>夫婦の収入を合算して住宅ローンを組むメリット・デメリット|ペアローンとの違いも解説

※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。

まとめ

住宅ローンの支払いは生活に大きな影響を与えるので、「無理のない返済比率」にすることが大切です。

金融商品の契約前にはライフスタイルや収入状況をくわしくチェックして、ご家庭に合った計画を立ててみてください。

福井・石川で余裕を持った資金計画の家づくりを実現するならノークホームズにご相談ください。

理想のライフスタイルの実現のために最適な住まいのプランをご提案します。

▶ノークホームズのお客様の声

ノークホームズの施工事例集

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著者情報

NORQ HOMES ノークホームズ編集部

NORQ HOMES ノークホームズ編集部

福井の高性能注文住宅を建てる工務店ノークホームズが、
家づくりに役立つ情報を発信しています。

登録・免許
【設 計】 福井県知事 第ろ-1394号
【建 設】 福井県知事 (般-1)10791号
【不動産】 福井県知事 (1)第1704号

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