長期優良住宅の6つのメリットと3つのデメリット|注文住宅を建てる前に知るべきこと
長期優良住宅は、耐久性や省エネ性など高い性能基準をクリアした質の高い住宅です。
税制優遇や補助金など、さまざまなメリットがあるため、長期優良住宅を検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、制度を調べてみると「なんだか複雑だな」と感じる方も少なくありません。
そこで今回は、福井の工務店『ノークホームズ』が、長期優良住宅の6つのメリットと3つのデメリットを解説し、申請方法や工務店選びのポイントもお伝えします。
注文住宅を検討される際は、ぜひ参考にしてください。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、国の定める基準をクリアした高品質な住宅のことです。
長期間住み続けられるよう設計されており、お子様の世代にも受け継げます。
長期優良住宅には、以下の特徴があります。
長期優良住宅の特徴 |
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また、長期優良住宅は新築一戸建ての場合、以下8つの基準を満たす必要があります。
長期優良住宅の基準 |
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長期優良住宅は厳しい基準をクリアすることで、高い品質と性能を保ち、持続可能な良質住宅の普及に貢献します。
福井で長期優良住宅をご検討の方はノークホームズにお気軽にご相談ください。
豊富なアイデアで、ご家族の理想の住まいづくりをお手伝いします。
長期優良住宅の6つのメリット
長期優良住宅のメリットは、主に以下の6つです。
- 税制上の優遇を受けられる
- 住宅ローン金利が優遇される
- 地震保険料の割引を受けられる
- 各種補助金を受けられる
- 快適で安全な住まいに長く住み続けられる
- 住宅の資産価値が高まる
順番に解説します。
税制上の優遇を受けられる
長期優良住宅を建てると、以下のさまざまな税制上の優遇を受けられます。
- 住宅ローン減税
- 投資型減税
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 登録免許税
- 贈与税
順番に解説します。
住宅ローン減税
住宅ローン減税とは、最大で13年間、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除する制度です。
住宅ローンの控除限度額は長期優良住宅が5,000万円で、一般住宅の3,000万円よりも優遇されています。
たとえば、控除限度額まで住宅ローンを借りて10年間で返済した場合、長期優良住宅と一般住宅の差は182万円ほどになります。
投資型減税
住宅ローンを利用せずに長期優良住宅を建てる場合は、投資型減税を受けられます。
投資型減税とは、長期優良住宅を建てる際に性能を向上させるのにかかった費用の10%(最大650万円)を、その年の所得税から控除する制度です。
ただし、投資型減税と住宅ローン減税の併用はできないため、どちらかを選択する必要があります。
不動産取得税
長期優良住宅では、不動産を購入した際にかかる不動産取得税の控除が多くなります。
一般住宅の控除額が1,200万円なのに対して、長期優良住宅は1,300万円です。
たとえば、建物の評価額を3,000万円として計算してみます。
- 一般住宅:(3,000万円-1,200万円)×3%=54万円
- 長期優良住宅:(3,000万円-1,300万円)×3%=51万円
このケースでは長期優良住宅にすることで、4万円の減税を受けられます。
固定資産税
不動産を所有している期間、毎年課税されるのが固定資産税です。
一般的な戸建て住宅の場合、新築後3年間は固定資産税が1/2に減税されますが、長期優良住宅として認定された戸建て住宅では、この減税期間が5年間に延長されます。
登録免許税
住宅を購入した際の、所有権取得や所有権移転などの登記にかかる登録免許税の税率が引き下げられます。
税率は以下の通りです。
登記の種類 | 一般住宅の税率 | 長期優良住宅の税率 |
取得登記 | 0.15% | 0.1% |
移転登記 | 0.3% | 0.2% |
たとえば、建物の評価額を4,000万円として計算してみます。
- 一般住宅:4,000万円×0.15%=6万円
- 長期優良住宅:4,000万円×0.1%=4万円
この場合、長期優良住宅では一般住宅と比べて2万円の税負担が軽減されます。
贈与税
不動産購入の資金をご両親から援助してもらった場合、一定の非課税枠が設けられています。
この非課税枠は、長期優良住宅(省エネ等住宅)とそれ以外の一般住宅で異なります。
住宅の種類 | 非課税枠 |
長期優良住宅(省エネ等住宅) | 1000万円 |
一般住宅(上記以外の住宅) | 500万円 |
長期優良住宅の取得資金として両親から1,000万円の贈与を受けた場合、その全額が非課税となります。
一方、一般住宅の場合は500万円までが非課税となり、超過分については贈与税が課税されます。
住宅ローン金利が優遇される
長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を組む場合、金利引き下げ措置が適用されるのも、長期優良住宅のメリットです。
当初5年間は最大で1%の金利引き下げが受けられます。
ただしフラット35を利用するには別途審査があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
地震保険料の割引を受けられる
長期優良住宅ならば、地震保険料の割引を受けられます。
地震保険料の割引率は、住宅の耐震等級や免震性能によって異なり、以下の表のように設定されています。
建物の性能 | 保険料の割引率 |
耐震等級1 | 10% |
耐震等級2 | 30% |
耐震等級3 | 50% |
免震建築物 | 50% |
たとえば、年間の地震保険料が10万円の住宅で、耐震等級2の長期優良住宅の場合、30%の割引が適用されます。
これにより年間で3万円、30年間では90万円もの保険料を節約できます。
各種補助金を受けられる
長期優良住宅は、さまざまな補助金を受けられる可能性があります。
たとえば、こどもエコすまい支援事業や地域型住宅グリーン化事業などが代表的です。
こどもエコすまい支援事業は、省エネ性能の高い住宅を建てる際に、最大で100万円の補助金が受けられる制度です。
子育て世帯や若者夫婦を対象としており、長期優良住宅もその対象となっています。
一方、地域型住宅グリーン化事業は、地域の木材を一定割合以上使用した省エネ住宅を建てる際に、最大で140万円の補助金が受けられます。
補助を受ける条件は、国土交通省の採択を受けたグループに所属する工務店への依頼が必要です。
これらの補助金を上手に活用することで、長期優良住宅の建築費用を抑えられます。
ただし、補助金には申請期限や条件があるため、これらの補助金を活用したい方は、早めに補助金に慣れている工務店に相談することをおすすめします。
快適で安全な住まいに長く住み続けられる
長期優良住宅の最大のメリットは、快適で安全な住まいに長く住み続けられることです。
長期優良住宅は、高い耐震性や省エネルギー性能を備えているため、地震や台風などの自然災害に強く、光熱費も抑えられます。
長期優良住宅は、適切なメンテナンスで、長期間にわたって快適に暮らし続けられます。
快適で安全な住まいに長く住み続けられるのは、長期優良住宅ならではの大きな魅力です。
断熱等級7の家を建てるメリット・デメリットについては、こちらで解説しています。
>断熱等級7の家を建てるメリット・デメリット|ハウスメーカー選びのポイントも
住宅の資産価値が高まる
長期優良住宅として認定されると、住宅の資産価値が高まります。
長期優良住宅は、国が定めた厳しい基準をクリアした高品質な住宅であるため、中古住宅市場においても、一般住宅に比べて高位評価を受ける傾向にあります。
将来的に住み替えを検討する場合でも、長期優良住宅ならスムーズな売却が期待できるでしょう。
ノークホームズは、持ち家率全国トップクラスの福井で豊富な施工実績を持つ工務店です。
長期優良住宅にまつわる不安や資金計画などについて、ぜひお気軽にご相談ください。
長期優良住宅の3つのデメリット
長期優良住宅には、さまざまなメリットがある一方で、3つのデメリットもあります。
- 申請に費用と時間がかかる
- 建築コストが増加する
- 維持管理とメンテナンスが必要
順番に解説します。
申請に費用と時間がかかる
長期優良住宅の認定を受けるには、申請に費用と時間がかかります。
認定申請には、設計図書や各種計算書など、さまざまな書類が必要で、これらの書類作成や申請手続きには数週間〜1か月程度の時間が必要です。
また申請にかかる費用として、書類作成費用や申請手数料など、一般的に10万円から30万円程度の費用が発生します。
ただし、この費用は工務店によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
建築コストが増加する
長期優良住宅は、高い品質基準を満たすために、建築コストが増加する可能性があります。
依頼する工務店の標準仕様が長期優良住宅の基準に満たなければ、追加工事などで費用の増加につながります。
長期優良住宅は高品質な住宅である分、建築費用が高くなる点には注意しましょう。
予算計画の立て方について、こちらで解説しています。
>マイホーム予算の決め方は3パターン(年収・返済額・現在の住居費)|平均予算、予算オーバー対策も紹介
維持管理とメンテナンスが必要
長期優良住宅は、維持管理とメンテナンスが必要不可欠です。
長期優良住宅の認定基準には、維持管理計画の作成も含まれていて、メンテナンスを怠れば認定が取り消される可能性があります。
長期優良住宅を維持するためのメンテナンスにはコストがかかるため、長期的な支出も想定しておく必要があります。
しかし、メンテナンスが必要なのは、長期優良住宅に限った話ではありません。
適切な維持管理とメンテナンスで住宅の性能を維持しましょう。
長期優良住宅の認定までの流れ
長期優良住宅の認定を受けるには、いくつかの手順を踏む必要があります。
長期優良住宅の認定までの流れは、以下の6ステップです。
長期優良住宅の認定までの流れ |
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実際に着工するまでの手順が多く、事前の準備に時間がかかります。
とくに申請に慣れている工務店を選ぶことがポイントになるので、複数の工務店に相談して信頼できる施工会社を選びましょう。
長期優良住宅を検討する際のポイント
長期優良住宅には、注意すべき3つのポイントがあります。
- 長期優良住宅が得意な工務店へ依頼する
- 着工前までに申請する必要がある
- 補助金など、他の優遇制度も組み合わせて有効活用する
順番に紹介します。
長期優良住宅が得意な工務店へ依頼する
長期優良住宅を検討する際は、申請に慣れている工務店を選ぶことが大切です。
長期優良住宅の認定を受けるには、申請書の作成など、さまざまな手続きが必要となります。
もし申請に不慣れな工務店に依頼してしまうと、申請ミスや書類の不備などが発生し、認定までに時間がかかり、工期が大幅に遅れてしまう可能性があります。
このようなトラブルを避けるためにも、長期優良住宅の実績が豊富な工務店を選ぶことが重要です。
着工前までに申請する必要がある
長期優良住宅の認定申請は、着工前に行う必要があります。
もし着工後に申請しても、長期優良住宅の認定を受けることはできず、申請漏れがあった場合も認定は受けられないので注意が必要です。
認定申請には一定の時間を要するため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
長期優良住宅の建築を検討し始めた時点で、工務店への相談をおすすめします。
補助金など、他の優遇制度も組み合わせて有効活用する
長期優良住宅の補助金などの優遇制度を上手に活用することも重要なポイントです。
たとえば、こどもエコすまい支援事業や地域型住宅グリーン化事業は、長期優良住宅が補助対象になっています。
ただし、ZEH支援事業やLCCM住宅整備推進事業など、一部の補助金は、長期優良住宅との併用ができないので注意が必要です。
補助金の対象が重複している場合、二重に補助を受けることはできないためです。
このように、さまざまな優遇制度を組み合わせることで、長期優良住宅の建築費用を大幅に抑えられる可能性があります。
ノークホームズは、持ち家率全国トップクラスの福井で豊富な施工実績を持つ工務店です。
補助金の疑問や資金計画などについて、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では、長期優良住宅のメリット・デメリットや注意点について詳しく解説してきました。
この記事が、長期優良住宅を検討する際の参考になれば幸いです。