断熱等級3・4以上の違いを一覧表で簡単解説|UA値とは、断熱等級3・4以上では寒さは変わるかなど
家の断熱性を考えて、「断熱等級3・断熱等級4以上の違いを知りたい」と考える方は多くいらっしゃいます。
夏涼しくて冬は暖かい快適な家にするには、断熱等級の特徴や断熱等級のレベルによる違いについて理解を深めておくことが重要です。
そこで今回は、福井・石川で断熱等級7を標準仕様で提供している工務店『ノークホームズ』が、断熱等級について以下の項目を解説します。
このコラムのポイント |
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この記事を読むことで、今後どの断熱等級を選ぶべきか判断できるので、ぜひ最後までごらんください。
目次
断熱等級とは・UA値とは|断熱等級3は2025年3月末まで
はじめに、「断熱等級」と断熱等級を決める「UA値」について解説します。
断熱等級3の家を建てられる期限についても紹介するので、これから家づくりに取り組む方は参考にしてください。
断熱等級とは・UA値とは
断熱等級とは家の断熱性を表す指標で、正式名称は「断熱等性能等級」です。
断熱等級は全部で7段階あり、数字が大きいほど室内の空気が外皮(外壁・床・天井など)を伝わって逃げにくく、断熱性能が高いことを表します。
2022年に等級5〜7が追加される前までは断熱等級4が最高ランクでしたが、現在の最高等級は断熱等級7です。
一方で、UA(ユー・エー)値とは室内と室外間の熱の出入りのしやすさを示す数値で、UA値が小さいほど断熱性が高くなります。
断熱等級を決めるのは、このUA値と、冷房期において家にどのくらいの日射熱が入るかを表す「ηAC(イータ・エー・シー)値」の2つです。
断熱等級3は2025年3月末まで
2025年4月から原則すべての建築物に対して、省エネ基準適合が義務付けられ、新築住宅も対象に含まれます。
省エネ基準適合の義務化により、新築住宅は断熱等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能が必要となります。
2025年4月以降に建築確認申請をする建築物が義務化の対象となり、省エネ基準に適合しない場合には建築確認申請をしても建築許可を受けられないため、着工が遅れる場合があります。
2025年4月以降に建築確認申請をする方は、断熱等級4以上を前提に家づくりの計画を進めましょう。
※建築確認とは、建築物が建築基準法などに適合しているか専門機関の確認を受ける手続きのことで、着工前と工事終了後の原則2回審査があります。
省エネ住宅義務化の影響については、こちらの記事で解説しているので、あわせて参考にしてください。
>「2025年からの省エネ住宅義務化」とは|断熱等の義務化内容、影響をわかりやすく解説
断熱等級の基準は地域によって違う
断熱等級の基準は地域によって異なり、8つの地域区分に分かれています。
例えば、断熱等級3における地域区分ごとの基準は、以下のとおりです。
地域区分 | 該当地域 | UA値 | ηAC値 |
1 | 夕張など | 0.54 | - |
2 | 札幌など | ||
3 | 盛岡など | 1.04 | |
4 | 会津若松など | 1.25 | |
5 | 水戸など | 1.54 | 4.0 |
6 | 東京など | 3.8 | |
7 | 熊本など | 1.81 | 4.0 |
8 | 沖縄など | - | - |
例えば北陸の福井市は地域区分5もしくは6に該当するので、断熱等級3の家を建てる場合、UA値1.54・ηAC値3.8または4.0が求められます。
家づくりを考え始めた段階で地域の基準をチェックし、条件を満たすプランを施工業者に相談しましょう。
断熱・気密・換気・遮熱性能はセットで検討が必要
省エネ住宅を建てるうえで、断熱・気密・換気・遮熱性能はセットで検討することが大切です。
例えば、どれだけ家の断熱性を向上させても、気密性が低く、すきま風が入る家では冷暖房効率が悪いので、省エネにはつながりません。
家の性能をより高めるためにも、空気の出入りを減らす「気密性」、日射を吸収しないように反射する「遮熱性」も重視しましょう。
加えて、快適な住まいにするには、空気の取り込み・室内の空気の循環・室内の古い空気を排出する「換気」も工夫したいポイントです。
高気密高断熱の家の住み心地については、こちらの記事で解説しているので、あわせてごらんください。
>高気密高断熱とは|「気持ち悪い」などの口コミがある理由、新築時の対策、快適に暮らす方法を解説
福井・石川で断熱・気密・換気・遮熱性能に優れた家を建てたいと考える方は、ノークホームズにお任せください。
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断熱等級3・断熱等級4以上の違いを一覧表で簡単解説
続いて、断熱等級選びで失敗しないために、断熱等級3と断熱等級4以上の違いを一覧表で簡単解説します。
断熱等級3・断熱等級4以上の違い一覧
断熱等級3と断熱等級4以上の違いは、以下のとおりです。
断熱等級 | 基準 | UA値 |
3 | 【新省エネルギー基準】 一定レベルの省エネ性能を有する |
0.54〜1.81 |
4 | 【次世代省エネルギー基準】 壁や天井に加えて窓や玄関ドアにも断熱が求められる |
0.46〜0.87 |
5 | 【ZEH(ゼッチ)水準】 ZEH水準のUA値とηAC値を満たしている |
0.4〜0.6 |
6 | 【HEAT20 G2レベル】 暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね30%削減できる |
0.28〜0.46 |
7 | 【HEAT20 G3レベル】 暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね40%削減できる |
0.20〜0.26 |
※ZEHとは、家で消費するエネルギー量を抑えつつ、再生可能エネルギーなどによってエネルギーの消費量の収支をゼロ以下にすることを目指した家を指します。
※HEAT20とは、環境負荷の低減などを目的に住宅設計・技術の調査研究や技術開発を実施する民間団体が定めた断熱性の指標です。
断熱等級3と断熱等級4以上では、室内と室外間の熱の出入りのしやすさを示すUA値が大きく異なり、断熱等級3は断熱等級7の2倍以上断熱等級が低いことになります。
さらに、断熱等級3は断熱等級5〜6の30年前と古い基準です。
断熱等級3・断熱等級4以上で寒さは変わるか
結論からお伝えすると、断熱等級3と断熱等級4以上で寒さは大きく異なります。
福井市が含まれる地域区分6における冬期間の最低体感温度の違いは、以下のとおりです。
断熱基準 | 冬期間の最低体感温度 |
断熱等級4(省エネ基準) | おおむね8℃を下回らない |
断熱等級6(HEAT20 G2) | おおむね13℃を下回らない |
断熱等級7(HEAT20 G3) | おおむね15℃を下回らない |
上記のように、室内のは断熱等級4のほうが断熱等級7より7℃も低くなり、断熱等級3においてはさらに温度差が発生すると考えられます。
断熱等級3・断熱等級4以上のメリット・デメリット
ここでは、断熱等級3・断熱等級4以上それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
それぞれの等級についてメリットのみで判断すると後悔する場合があるため、デメリットも踏まえて検討してくださいね。
今断熱等級3の家を建てるメリット・デメリット
今、断熱等級3の家を建てるメリットは、建築費用が抑えられる点です。
断熱等級3の家は、断熱等級4以上の家よりも使用する断熱材の量が少なく済むため、建築費用を軽減できます。
一方で、現時点で断熱等級3の家を建てるデメリットは、住宅ローン減税を利用できない点です。
2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅は、断熱等級4以上などの省エネ基準に適合しないと住宅ローン減税は原則利用できません。
断熱等級4以上の家を建てるメリット・デメリット
断熱等級4以上の家を建てるメリットは、以下のとおりです。
- 室内が外気温の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保ちやすくなる
- 冷暖房効率が上がり、光熱費を削減できる
- 部屋と部屋の温度差が少なく、ヒートショックのリスクを軽減できる
- 補助金を利用して費用負担を軽くできる可能性がある
上記の点に加えて、断熱等級5以上などの条件をクリアして長期優良住宅に認定されると、さまざまな税制上の優遇措置を受けられます。
続いて、断熱等級4以上の家を建てるデメリットは、以下のとおりです。
- 断熱性に優れた設計・建材(窓・ドアなど)が必要になり、建築費用が高額になる
- 高断熱かつ高気密の家にする場合には、遮熱・換気にも配慮する必要がある
- 高断熱な家を建てられる工務店やハウスメーカーを探す手間がかかる
工務店やハウスメーカーに技術がないと高断熱な家は建てられないため、施工会社選びには十分注意しましょう。
断熱等級の全7段階については、以下の記事で紹介しているので、あわせて参考にしてください。
>断熱等級7段階の ua値・ηAC値の基準一覧表|どの断熱等級が最適か、断熱等級の調べ方など解説
福井・石川で断熱等級4以上の家を建てたい方は、ノークホームズにご相談ください。
断熱等級7を標準仕様で提供しております。
断熱等級Q&A
ノークホームズが断熱等級に関してよく頂く質問・回答を紹介します。
どの断熱等級を選べばいいの?
断熱等級に対する価値観はご家庭によって違いがありますが、優遇制度を利用したい場合には、断熱等級5以上にする必要があります。
断熱等級5以上の住宅例は、以下のとおりです。
- ZEH
- 認定低炭素住宅
- 長期優良住宅など
また、断熱等級5以上であれば、暖房期の最低室温がおおむね13〜15℃を下回らない程度なので、真冬でも快適に暮らせます。
高気密高断熱の家の室温については、以下の記事で解説しているので、あわせてごらんください。
>高気密高断熱の住宅の朝の室温は夏26度・冬10度〜が目安|エアコン無しでも過ごせるのか、夜の温度低下も解説
断熱等級とHEAT20の違いを知りたい
断熱等級とHEAT20のグレードはどちらも断熱性を表す指標で、断熱等級は国が定めた基準です。
一方でHEAT20とは、環境負荷の低減などを目的に住宅設計・技術の調査研究や技術開発を実施する民間団体が決めた指標です。
加えて、水準にも違いがあり、HEAT20のほうが断熱等級よりも高い水準を採用しています。
リフォームで断熱等級アップは可能?
リフォームによって、断熱等級をアップすることは可能です。
家の断熱性を向上するためには、以下のようなリフォームを実施します。
- 壁・天井or屋根・床下の断熱材を交換・追加する
- 窓やドアを断熱性の高いタイプに交換する
- 外壁・屋根に断熱塗装をする など
「建て替えるほどではないが、家の断熱性を向上させたい」「家の冷暖房費用を抑えたい」と考える方は、ぜひリフォームを検討してください。
福井・石川で断熱等級アップのためのリフォームを検討している方は、ノークホームズにご相談ください。
ノークホームズは、リフォームも依頼できる工務店です。
まとめ
断熱等級とは家の断熱性を表す指標であり、お住まいの地域によって基準が異なります。
断熱等級3の新築住宅を建てられるのは2025年3月末までとなるため、家づくりの予定がある方は断熱等級4以上を選びましょう。
今回の記事で紹介した内容を、快適な家を建てるための参考にしていただけると幸いです。