住宅性能評価書の内容とメリット・デメリット|快適な住宅のために必要な機能を取り入れる
新築の戸建住宅を購入する際に、「住宅性能評価書」という言葉を耳にします。
住宅性能評価書の取得は、客観的な評価で住宅を把握することにつながり、ご自宅に関する不安を減らせます。
しかし、「住宅性能評価書とは何かよくわからない」「取得する必要があるのか」など疑問点もありますよね。
そこで、福井・石川で多くの注文住宅を手がけている『ノークホームズ』が住宅性能評価書がどのようなものなのかを解説します。
このコラムのポイント |
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目次
住宅性能評価書の概要|2種類の評価書類と評価内容
住宅性能評価書は2種類あり、第三者が公平な立場で住宅の性能を評価した結果が記載されています。
- 設計住宅性能評価書
- 建設住宅性能評価書
設計住宅性能評価書
設計住宅性能評価書は、工事が始まる前に発行される評価書です。
設計図面をもとに、設計段階の住宅を専門機関が評価します。
新築住宅が希望通りの機能性を備えているものになるかを、着工前に設計住宅性能評価書で確認可能です。
建設住宅性能評価書
建設住宅性能評価書は、住宅の建築中・建築後に性能を評価する評価書です。
住宅が、設計書通りに施工されて予定通りの性能を備えているのかを確認するためのものです。
工事の各段階で、専門機関による現場検査が行われます。
住宅性能評価書における10項目の評価内容
住宅性能評価書に記載されるのは以下10項目で、それぞれの性能や内容が評価されます。
評価項目 | 内容 |
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構造の安定性 | 住宅の構造について、地震・暴風・大雪に対する強さなどを評価 |
火災時の安全性 | 火災に対する安全性や火災時の逃げやすさなどを評価 |
土台・柱・コンクリートの耐久性 | 長く住める住宅になっているのか、構造躯体が劣化しにくい対策が施されているのかを評価 |
維持管理が行いやすい状態 | ガス配管や吸排水管の清掃、補修のしやすさを評価 |
温熱環境・エネルギー消費量に対する配慮 | 窓やドアの開口部などの断熱対策や省エネルギー対策を評価 |
健康的な空気環境 | ホルムアルデヒドによるシックハウス症候群への対策や換気性能を評価 |
光を取り込みやすい環境 | 採光・通風確保のために、東西南北の方角別に窓の大きさを評価 |
騒音対策・快適な音環境 | 遮音対策として音を遮る程度を評価 |
健康状態などに関わらず、暮らしやすい環境 | バリアフリーなど、健康状態などに関わらず暮らしやすい住宅になっているのかを評価する。 |
防犯対策 | ドアや窓などの開口部に、外部からの侵入を防ぐ防犯性能があるのかを評価 |
上記のうち、以下の項目は検査必須の項目です。
- 構造の安定
- 土台、柱、コンクリートの耐久性(構造躯体の劣化の軽減)
- 維持管理や更新が行いやすい状態
- 温熱環境・エネルギー消費量に対する配慮
そのほかの項目の検査については、任意になっています。
住宅性能評価書の取得費用の目安
住宅性能評価書の取得費用は、10〜30万円ほどが目安です。
- 設計住宅性能評価書のみを取得:約10万円
- 建設住宅性能評価書も取得:約10〜20万円
さらに、求めている住宅の機能性が足りない場合、追加工事が必要になる可能性があります。
住宅に必要な費用は、事前にすべての見積もりを細かく確認することが大切です。
住宅性能評価書を取得するメリット・デメリット
住宅性能評価書を取得することは、住宅の性能を客観的に判断できること以外にも、複数のメリットがあります。
一方で、デメリットもあるため、事前に確認しておくと、住宅性能評価書を取得するのがご自身に合っているのか判断するヒントになります。
住宅性能評価書を取得するメリット
住宅性能評価書を取得することは、住宅購入に関するさまざまなメリットにつながり、一部の費用軽減も可能です。
具体的なメリットは、以下の6つです。
- 住宅のトラブル処理を1万円で専門機関に依頼できる
- 新築住宅は、住宅の性能を数値や等級で判断できる
- 中古住宅は、住宅の劣化や不具合を確認できる
- 地震保険料の割引がある(最大50%)
- 贈与税の非課税枠が拡大される(耐震性・省エネ性・バリアフリー性の確保で、非課税枠が1,000万円になる)
- 住宅ローンの金利引き下げ
住宅ローン検討時に役立つ情報を、こちらの記事で紹介しています。
>35歳前後は家を買う平均年齢|住宅ローンの平均借入額・頭金、家を買うのが遅いタイミングなど解説
住宅性能評価書を取得するデメリット
住宅性能評価書を取得するデメリットは、以下の2つです。
- 住宅のデザインに制限が発生する可能性がある
- すべての性能を最大化するのは困難
住宅性能評価書の取得を優先して住宅を検討すると、耐震性・断熱性などを確保するために、「大きな窓を設置できない」などの制限が発生する可能性があります。
理想的な住宅を作るために、住宅性能評価書の取得を優先すべきかを慎重に検討しましょう。
外観デザインについての詳細は、こちらの記事でもご確認ください。
>ナチュラルな家の外観事例に学ぶ!おしゃれな外観デザインのポイント
また、住宅性能評価には多様な項目があるため、ある項目の性能を高めるとほかの項目に影響を与える場合があります。
(例)構造の安定性を高めるために壁面や柱を増やすと、開放的な空間を作るのが難しくなります。
すべての性能を同時に最大化することは難しいため、理想的な住宅と必要な性能を検討し、その内容を実現してくれる住宅会社を選びましょう。
福井・石川で高性能の家づくりをご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは、長期優良住宅を標準仕様で提供している工務店です。
住宅性能評価書を取得する流れ
住宅性能評価の申し込みには、さまざまな計算書や設計書などの書類が必要です。
個人での申請は難しいため、住宅会社に相談して進めましょう。
設計住宅性能評価書の申請の流れ
設計住宅性能評価書の申請の流れは、以下の通りです。
- 住宅会社に住宅性能評価書の申請について相談する
- 住宅性能評価機関を選ぶ
- 申請書類を準備して提出する
- 設計図書の審査を受ける
- 設計住宅性能評価書が交付される
まずは住宅会社に、「住宅性能評価書を取得すべきか」「どの項目について取得を目指す」かを相談しましょう。
建設住宅性能評価書の申請の流れ
建設住宅性能評価書の申請の流れは、以下の通りです。
- 住宅工事を着工する
- 4回の現場検査を受ける
- 建設住宅性能評価書を評価機関に申請する
- 建設住宅性能評価書が発行される
建設住宅性能評価書を取得するためには、着工してから以下の4回にわたり評価機関による現場検査を受けます。
- 基礎配筋工事終了時
- 躯体工事完了時
- 下地張りの直前
- 竣工時
すべての検査後に、建設住宅性能評価書を評価機関に申請します。
評価機関による最終審査が完了すると、2週間程度で建設住宅性能評価書が発行されます。
新築住宅と中古住宅の性能評価の違い
中古住宅は、新築住宅と異なる基準で住宅性能評価を受けられます。
住宅性能評価を受けると、現況検査・評価書(既存住宅性能評価書)が交付され、現状の家の価値がわかります。
新築住宅 | 中古住宅 | |
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評価の目的 | 建設時の性能を証明する。 | 現状の性能と価値を評価する。 |
評価の基準 | 最新の建築基準や性能基準に基づく評価が行われる。 | 建築時の基準と現在の状態を考慮した評価になる。 |
評価の影響要因 | 設計と施工の品質が主な要因となる。 | 経年劣化やメンテナンス状況、リフォーム履歴が要因となる。 |
価値への反映 | 高評価は資産価値に反映しやすい。 | 適切な維持管理やリフォームが評価されると、資産価値の維持と向上につながる。 |
中古住宅の評価で重視されるのは、築年数・現在の住宅の状態・リフォーム履歴などです。
適切な維持管理と、暮らしやすくリフォームされた中古住宅の価値が正当に評価される仕組みになっています。
福井・石川で住宅性能評価書の取得を検討している方は、『ノークホームズ』へお問い合わせください。
ノークホームズは住宅性能評価書取得に対応しており、新築・リフォームどちらも対応可能な工務店です。
まとめ
住宅性能評価書の取得は、新築住宅の品質を客観的に評価できる点が最大の魅力です。
耐震性・断熱性など10項目にわたる評価により、住宅の性能を数値で把握できるため理想的な機能性を持つ住宅を作れます。
今回紹介した情報を、マイホームの住宅性能を検討する際の参考にしていただけると幸いです。