回遊動線のある平屋のつくり方|コンパクト・動線の良い間取りの実例も紹介
平屋は、ワンフロアで生活が完結する快適さが魅力です。
しかし、間取りによっては移動距離が長くなったり、家事効率が悪くなったりすることもあります。
そのような平屋の暮らしをより快適にする間取りの工夫の一つが、「回遊動線」です。
本記事は、「回遊動線には具体的にどんなメリットがあるの?」「どのように間取りに取り入れるの?」とお考えの方に向けて、回遊動線のある平屋のメリット、間取りの実例、注意点や後悔しないためのポイントを解説します。
家事や移動がスムーズになる快適な家づくりの参考にしてください。
このコラムのポイント |
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※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
回遊動線のある平屋のつくり方
まず、回遊動線の基本的な考え方と、平屋に取り入れるメリット、代表的な間取りのパターンを紹介します。
※間取り実例を先に確認したい方は、こちらからジャンプしてご覧ください。
>回遊動線のある平屋の間取り実例(延床面積30坪前後)
回遊動線とは|平屋に取り入れるメリット
回遊動線とは、家の中のある地点からスタートし、一周して元の場所に戻れる行き止まりのない動線のことです。
平屋に回遊動線を取り入れる主なメリットは以下のとおりです。
- 家事効率の向上: キッチン、洗面脱衣室、ランドリールーム、ファミリークローゼットなどを回遊動線でつなぐことで、「料理しながら洗濯」「洗濯物を干してそのまま収納」といった複数の家事を同時進行しやすくなり、無駄な移動が減ります。
- 移動のストレス軽減: 行き止まりがないため、ご家族が同時に移動してもスムーズにすれ違えます。特に朝の忙しい時間帯などに便利です。
- ご家族間のコミュニケーション促進: 家の中を移動する際に、自然とご家族がいるLDKなどを通る機会が増え、コミュニケーションが生まれやすくなります。
- 空間の有効活用: 通路が複数の役割を兼ねることで、デッドスペースを減らし、限られた空間を有効に活用できます。特にコンパクトな平屋ではメリットが大きくなります。
- 採光・通風の確保: 中庭を設けるなど、間取りの工夫次第で、家全体に光と風を行き渡らせやすくなります。
ワンフロアで生活する平屋は、回遊動線のメリットを特に活かしやすい間取りと言えます。
回遊動線のある平屋の主な間取りパターン
回遊動線にはさまざまなパターンがありますが、平屋でよく採用される代表的なものをいくつかご紹介します。
- キッチン中心の回遊動線: キッチンを起点に、パントリー、ダイニング、リビングなどを行き来できる動線。配膳や片付けがスムーズになります。
- 水回り(洗面・脱衣室・ランドリー)中心の回遊動線: 洗面脱衣室を中心に、キッチン、ファミリークローゼット、廊下などをつなぐ動線。洗濯動線の効率化を図ります。
- ファミリークローゼット中心の回遊動線: ご家族の衣類をまとめて収納するファミリークローゼットを中心に、各個室や洗面脱衣室、玄関などをつなぐ動線。着替えや身支度が効率的になります。
- 玄関中心の回遊動線: 玄関からLDKへの動線を2つ(例:来客用とご家族用)設けるパターン。シューズクロークを経由してパントリーやキッチンに直接行ける動線も人気です。
- 中庭中心の回遊動線: 中庭を囲むように廊下や各部屋を配置するパターン。プライバシーを確保しながら、どの部屋にも光と風を取り込みやすくなります。
以上のパターンを組み合わせたり、ご家族のライフスタイルに合わせてアレンジしたりすることで、より快適な回遊動線を実現できます。
福井・石川で動線の良い平屋のマイホームをご検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。
回遊動線のある平屋の間取り実例(延床面積30坪前後)
ここからは、回遊動線を活かした間取りの実例をご紹介します。
ランドリールーム・ファミリークローゼットで家事が楽になる間取り
【動線イメージ】LDK ⇔ 家事室(ランドリールーム) ⇔ ファミリークローゼット ⇔ LDK
洗濯に関する一連の作業(洗う→干す→たたむ→しまう)を最短距離で行えるように、ランドリールームを中心とした回遊動線です。
ランドリールームには作業台も設けており、アイロンがけができる点も魅力です。
ランドリールーム・ファミリークローゼットがある間取りは、こちらの記事でも紹介しています。
>ランドリールーム・ファミリークローゼットがある家事動線の良い間取り|平屋の事例紹介
パントリーへ玄関から直行できる間取り
【動線イメージ】玄関ホール ⇔ パントリー ⇔ キッチン ⇔ リビング・ダイニング
買い物から帰宅した際の「重い荷物を楽に運びたい」というニーズに応える回遊動線です。
玄関ホールから、そのままキッチン横のパントリーへ直行でき、買ってきた食料品や日用品をすぐに収納できます。
サンルーム(兼ランドリールーム)にアクセスしやすい間取り
【動線イメージ】キッチン ⇔ サンルーム(兼ランドリールーム) ⇔ リビング・ダイニング
日当たりの良い南側にサンルームを配置し、キッチンからもリビングからもアクセスできるようにした間取りです。
また、こちらの間取りは二世帯住宅にも対応可能で、各世代の個室からサンルームにアクセスしやすい点も魅力です。
LDKからキッチンから家全体が見渡せる間取り
【動線イメージ】キッチンを中心としたLDKから全ての居室に直接アクセス可能
LDKを間取りの中心に配置し、各部屋への移動をスムーズにした回遊動線です。
また、家の中を移動する際に、自然とLDKを通る機会が増え、ご家族間のコミュニケーションを促進します。
こちらは、廊下を無くすことで、居室・水回り・収納スペースをコンパクトにまとめた間取りです。
廊下のない間取りは、こちらの記事でも紹介しています。
>廊下のない間取り|人気の20坪〜30坪台の平屋・2階建て事例、トイレなどの配置に後悔しない方法を紹介
玄関から2つの動線でLDKへ行ける間取り
【動線イメージ】玄関 → ホール → (1)LDK / (2)ファミリークローゼット → ランドリールーム → LDK
玄関からLDKへのアクセスを2方向設けることで、生活シーンに応じた使い分けができる回遊動線です。
ご家族のスムーズな身支度動線を確保しつつ、来客時のプライバシーにも配慮できます。
シューズクローゼットのある間取り
【動線イメージ】玄関 ⇔ シューズクローゼット ⇔ ホール
玄関横に設けたシューズクローゼットを通り抜けられるようにした回遊動線です。
靴だけでなく、傘やアウトドア用品などを収納し、そのまま室内へアクセスできます。
シューズクローゼットの間取り実例は、こちらの記事でも紹介しています。
>シューズクローゼット(2畳〜3畳)の間取り実例|ウォークスルー・ウォークインの失敗しない作り方
中庭のある間取り
【動線イメージ】中庭を囲むようにLDK、個室、客間を配置
プライベートな屋外空間である中庭を住まいの中心に置き、それを囲むように各スペースを配置した回遊動線です。
中庭に面した大きな窓から、どの部屋にも光と風を取り込みやすく、明るく開放的な空間になります。
外部からの視線を遮りやすい点も魅力です。
中庭がある平屋の間取りは、こちらの記事でも紹介しています。
>平屋・コの字型の間取り|中庭のある約30坪・2〜4LDKの事例、後悔しないポイントを紹介
回遊動線を活かした平屋の間取りを紹介しましたが、いかがでしたか。
ノークホームズには、今回紹介しきれなかった施工事例が多数ございます。ぜひご覧ください。

▶ノークホームズの施工事例集
回遊動線のある平屋のデメリットと注意点
回遊動線には多くのメリットがありますが、計画によっては以下のようなデメリットが生じる可能性もあります。
- 通路スペースの増加: 回遊性を高めるためには、通路となるスペースが多く必要になります。その分、居室や収納スペースが圧迫される可能性があります。
- コストの増加: 通路の増加に伴い、壁やドアなどの量も増える傾向にあり、建築コストが上がる可能性があります。
- 動線の複雑化: 回遊動線を意識しすぎるあまり、かえって移動距離が長くなったり、動線が複雑になったりすることがあります。
- プライバシーの確保: LDKを中心に回遊動線を作ると、個室へ行くのに必ずLDKを通る必要があり、プライバシーを確保しにくい場合があります。来客時に生活空間が見えやすくなることもあり、注意が必要です。
- 生活音の問題: 回遊動線によって空間がつながりやすくなるため、生活音が他の部屋に響きやすくなる可能性があります。
- 冷暖房効率の低下: 間仕切りが少ないと、冷暖房の効率が下がる場合があります。
回遊動線のデメリット・注意点を紹介しましたが、設計の工夫によって解消できるものがほとんどです。
次にご紹介する「回遊動線のある平屋づくりで後悔しないためのポイント」も参考にしながら、平屋の建築実績が豊富なハウスメーカーと一緒に快適な家づくりをしてください。
回遊動線のある平屋づくりで後悔しないためのポイント
最後に、回遊動線を平屋に取り入れるメリット・デメリット、間取り実例を踏まえて、回遊動線のある平屋づくりのポイントを紹介します。
回遊動線の目的と優先順位を明確にする
「なぜ回遊動線を取り入れたいのか」「どの動線を最も重視したいのか」をご家族で十分に話し合いましょう。
例えば、「洗濯を楽にしたい」「帰宅後の片付けをスムーズにしたい」「ご家族の気配を感じられるようにしたい」など、目的を明確にすることで、最適な間取りを検討しやすくなります。
ライフスタイルに合わせて優先順位をつけ、必要な箇所に効果的に取り入れることが大切です。
移動距離・通路幅を確認する
実際の生活をシミュレーションしながら、移動距離と通路幅を確認しましょう。
通路幅は、人が一人通る場合は最低でも60cm程度必要です。
二人ですれ違う、物を運びながら通る、車椅子を利用するなどの状況を考慮する場合は、75cm~90cm以上の幅を確保する必要があります。
特に、キッチンや洗面所など、複数人が同時に使う可能性のある場所は、余裕を持った幅を計画しましょう。
収納スペースの量と配置を確認する
回遊動線は行き止まりがない反面、通路スペースが増えて、収納スペースが圧迫される可能性があります。
十分な量の収納が確保できているかを確認しましょう。
また、回遊動線を快適に使うためには、適切な場所に収納を設けることも重要です。
例えば、ランドリー動線上には洗剤やタオル・着替えなどを収納するスペース、玄関からキッチンへの動線上にはパントリー、ファミリークローゼットにはご家族全員分の衣類を収納できる容量があるとより快適になります。
採光・通風を確保する
回遊動線を採用することで、家の中心部に光が届きにくくなったり、風の通り道が妨げられたりすることがあります。
中庭や高窓・天窓を設けるなど、家全体に自然光と風が行き渡るような工夫を取り入れましょう。
ご家族のプライバシーに配慮する
ご家族構成やライフスタイルによっては、プライバシーへの配慮も重要なポイントです。
例えば、来客が多いご家庭なら、玄関からLDKを通らずに客間へ行ける動線を別に設ける、ご家族用の動線と来客用動線を分けるといった工夫が考えられます。
また、個室の配置や、必要に応じて引き戸などを設置し、状況に応じて空間を仕切れるようにすることも有効です。
まとめ
本記事では、平屋に回遊動線を取り入れるメリットや間取りの実例、後悔しないためのポイントを解説しました。
回遊動線は、家事効率の向上や移動のストレスの軽減など、平屋の暮らしをより豊かにしてくれる可能性を持っています。
ノークホームズでは、お客様のライフスタイルやご要望に合わせた、快適で安心な平屋づくりをお手伝いしています。ぜひお気軽にご相談ください。
※建築予定地が施工エリア内(福井・石川)の方のみ対応させていただきます。