住宅ローン控除を上限まで使えるペアローンシミュレーション|デメリット(手数料2倍など)も簡単解説
ペアローンの利用を検討中で、「ペアローンの負担割合を、住宅ローン控除をなるべく上限まで使える割合にしたい。でも何から考えればいいかわからない」とお悩みではないでしょうか。
住宅ローン控除は住宅ローンの支払い負担を軽減してくれる制度なので、よく考えてペアローンの利用方法を決めたいですよね。
そこで今回は、家づくりについて資金計画の段階からご相談可能な福井・石川の工務店『ノークホームズ』が、以下の項目をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
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ご夫婦それぞれの収入額に応じた無理のない資金計画で家づくりのプラン進めるために、ぜひ最後までごらんください!
※ペアローンは、ご夫婦だけでなく親子でも利用可能です。今回はご夫婦を想定していますが、親子でも同様の内容ですので参考にしてください。
目次
住宅ローン控除とは|2024年の制度内容
住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」で、毎年末の住宅ローン残高のうちの一定額が、毎年1月〜12月に支払った所得税から控除できる(差し引ける)制度です。
国の政策に応じて毎年制度内容が改正されるため、はじめに2024年の住宅ローン控除の制度内容を確認しましょう。
住宅ローン控除の種類・控除上限額一覧
住宅ローン控除には適用要件があり、2024年時点で住宅ローン控除が適用される住宅の種類は以下のとおりです。
【住宅ローンの年末残高×0.7%】を、毎年1月〜12月に支払った所得税から控除できます。
住宅の種類 | 年末残高上限 |
住宅ローン控除額上限 (控除期間) |
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認定長期優良住宅 (長期優良住宅) |
4500万円 | 31.5万円 (13年間) |
低炭素建築物 (認定低炭素住宅) |
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低炭素建築物をみなされる特定建築物 (認定低炭素住宅) |
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特定エネルギー消費性能向上住宅 (ZEH水準省エネ住宅) |
3500万円 | 24.5万円 (13年間) |
エネルギー消費性能向上住宅 (省エネ基準適合住宅) |
3000万円 | 21万円 (13年間) |
上記に該当しない住宅 (2023年中に建築確認申請を受けた住宅 or2024年6月30までに建築された住宅のみ) |
2000万円 | 14万円 (10年間) |
2024年以降は、建築基準法上の省エネ基準に該当する住宅のみが住宅ローン控除を利用できます。
省エネ基準について、こちらの記事で詳しい内容を確認できます。
>ZEH基準、省エネ住宅の認定基準とは|メリット・デメリット、住宅ローン控除などわかりやすく解説
上記のほかにも適用要件があるため、主な適用要件も確認しましょう。
- 家を建ててから6ヶ月以内に住み始め、年末まで住み続けている
- 合計所得金額が2000万円以下
- 延床面積50㎡以上
- 住宅ローンの借入期間が10年以上 など
ちなみに、「1月〜12月までに支払った所得税額」が「住宅ローン控除額上限」を上回っていて控除しきれない額がある場合には、翌年の住民税から控除しきれなかった額が控除されます。(上限9.75万円)
【例】省エネ基準適合住宅を建てた。1月〜12月までに支払った所得税額は35万円だった。
- 所得税から控除される額:21万円(住宅ローン控除額上限が21万円のため)
- 翌年の住民税から控除される額:9.75万円(35万円ー21万円=14万円だが、住民税から控除できる額の上限は9.75万円のため)
住宅ローン控除の手続き方法・必要書類|1年目は確定申告、2年目〜は年末調整
住宅ローン控除の手続きの流れ・主な必要書類は、以下のとおりです。
手続きの流れ | 主な必要書類 | |
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1年目 |
【確定申告】 |
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 ・工事請負契約書 ・登記事項証明書 ・住宅の種類を証明する書類 |
2年目〜 | 【年末調整】 10月中旬ごろに、年末残高証明書(全控除期間分)が届く ↓ 勤務先に年末残高証明書を提出し、年末調整をしてもらう ↓ 12月or1月の給与の所得税から住宅ローン控除額が差し引かれ、控除しきれない額は還付される |
・年末残高等証明書 |
住宅ローン控除の制度内容を確認したので、次にペアローンを利用する場合の計算方法、負担割合シミュレーションを紹介します。
福井・石川で家づくりを検討中で資金計画に疑問・不安をお持ちの方は、ノークホームズへお問い合わせください。
資金計画・土地探しの段階からご家族をサポートいたします。
住宅ローン控除を上限まで使えるペアローンの負担割合シミュレーション
ペアローンを利用する場合、家を建てる費用を負担した割合に応じて住宅ローン控除を計算します。
※所有権登記の持分割合ではない点に、ご注意ください。
以下の流れでペアローンの負担割合を検討してください。
【ペアローンの負担割合を検討する流れ】
※ご夫婦が年間収入の中から住宅ローンを支払うと仮定する場合の流れ・シミュレーションです。
①住宅ローン借り入れ初年度〜10年間or13年間の年末残高を確認
↓
②【各年の年末残高×0.7%】の額を確認
↓
➂ご夫婦それぞれの、所得税額を確認
↓
④ペアローンの負担割合をシミュレーション
(3年目までのシミュレーションを提示します。4年目以降も計算方法は同じです。)
「住宅ローン控除額」「ご夫婦それぞれの所得税額」の合致率が高い負担割合を選ぶことで、ご夫婦にとっての上限額まで住宅ローン控除を使えることになります。
【例】省エネ基準適合住宅(年末残高上限3000万円・住宅ローン控除上限21万円)、1年目の住宅ローン年末残高4000万円、返済額200万円/年。
「ペアローンの負担割合=夫90%:妻10%」の場合
年末残高 | 負担額 | 住宅ローン控除額 (負担割合×0.7%) |
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【1年目】 4000万円 |
夫 | 3600万円 →上限3000万円 |
21万円 |
妻 | 400万円 | 2.8万円 | |
【2年目】 3800万円 |
夫 | 3420万円 →上限3000万円 |
21万円 |
妻 | 380万円 | 2.6万円 | |
【3年目】 3600万円 |
夫 | 3240万円 →上限3000万円 |
21万円 |
妻 | 360万円 | 2.5万円 |
「ペアローンの負担割合=夫80%:妻20%」の場合
年末残高 | 負担額 | 住宅ローン控除額 (負担割合×0.7%) |
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【1年目】 4000万円 |
夫 | 3200 万円 →上限3000万円 |
21万円 |
妻 | 800万円 | 5.6 万円 | |
【2年目】 3800万円 |
夫 | 3040 万円 →上限3000万円 |
21万円 |
妻 | 760万円 | 5.3万円 | |
【3年目】 3600万円 |
夫 | 2880万円 | 20.1万円 |
妻 | 720万円 | 5万円 |
「ペアローンの負担割合=夫70%:妻30%」の場合
年末残高 | 負担額 | 住宅ローン控除額 (負担割合×0.7%) |
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【1年目】 4000万円 |
夫 | 2800万円 | 19.6万円 |
妻 | 1200万円 | 8.4万円 | |
【2年目】 3800万円 |
夫 | 2660万円 | 18.6万円 |
妻 | 1140万円 | 7.9万円 | |
【3年目】 3600万円 |
夫 | 2520万円 | 17.6万円 |
妻 | 1080万円 | 7.5万円 |
「ペアローンの負担割合=夫60%:妻40%」の場合
年末残高 | 負担額 | 住宅ローン控除額 (負担割合×0.7%) |
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【1年目】 4000万円 |
夫 | 2400万円 | 16.8万円 |
妻 | 1600万円 | 11.2万円 | |
【2年目】 3800万円 |
夫 | 2280万円 | 15.9万円 |
妻 | 1520万円 | 10.6万円 | |
【3年目】 3600万円 |
夫 | 2160万円 | 15.1万円 |
妻 | 1440万円 | 10万円 |
「ペアローンの負担割合=夫50%:妻50%」の場合
年末残高 | 負担額 | 住宅ローン控除額 (負担割合×0.7%) |
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【1年目】 4000万円 |
夫 | 2000万円 | 14万円 |
妻 | |||
【2年目】 3800万円 |
夫 | 1900万円 | 13.3万円 |
妻 | |||
【3年目】 3600万円 |
夫 | 1800万円 | 12.6万円 |
妻 |
「シミュレーションで計算した住宅ローン控除額」と「ご夫婦それぞれの所得税額」が近いほど住宅ローン控除の効果が大きくなりますが、ペアローンにはメリット・デメリットがあるため、デメリットを把握したうえでペアローンを利用するかどうかを決めることを、おすすめします。
次に、住宅ローンをペアローンにするメリット・デメリットを紹介します。
住宅ローンをペアローンにするメリット・デメリット
ペアローンは、住宅ローン控除以外の要素のメリット・デメリットも確認したうえで検討することが大切です。
メリット
住宅ローンをペアローンにするメリットは、以下のとおりです。
ペアローンのメリット |
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※団信保険とは、契約者が死亡・高度障害認定を受けるといった場合に、契約者に変わって団信保険の保険会社が住宅ローン残高を支払う保険です。
ご夫婦それぞれが長期に渡って安定して収入を得られる状況の場合、ペアローンのメリットをフル活用して余裕のある予算で家づくりが可能です。
デメリット(手数料2倍など)
住宅ローンをペアローンにするデメリットは、以下のとおりです。
ペアローンのデメリット |
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家づくりは、無理のない資金計画のうえでプランを組み立てることが大切です。
こちらの記事で、見積額が予算オーバーとなった場合の対策を確認できます。
>新築の注文住宅で費用を削れるところ一覧|予算オーバー額500万円・1000万円の対策例も紹介
上記のデメリットを踏まえて、ライフプランの中で収入が変動する可能性も想定して、ペアローンの借入総額を検討してください。
また、ご夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる方法として、「連帯債務」というスタイルの住宅ローン利用方法もあります。
連帯債務の場合はご夫婦のうち一方が住宅ローン契約者となるため金融機関に支払う手数料などは1契約分ですが、団信保険に加入できるのは契約者のみとなります。
福井・石川で家づくり際の住宅ローン利用方法・資金計画にお悩みの方は、ノークホームズへお問い合わせください。
資金計画の段階から、ご家族をサポートいたします。
住宅ローン控除、ペアローンQ&A
最後に、ノークホームズが住宅ローン控除やペアローンについてお悩みの方から、よくいただく質問・回答を紹介します。
住宅ローン借入期間中に不幸があったらペアローンはどうなるのか
住宅ローン期間中に契約者に不幸があった場合、団信保険で住宅ローンが支払われます。
ただしもう一方の住宅ローンは返済し続ける必要があるため、負担割合を決める時点でご夫婦それぞれが無理なく返済できる計画を検討することが大切です。
住宅ローン借り入れ期間中に離婚したらペアローンはどうなるのか
離婚の場合には、「家に住み続けるかどうか」「ご夫婦それぞれがローン返済を継続できるか」の2点をポイントにして、対処法を決める必要があります。
ご夫婦ごとに事情が違うため、弁護士などの専門家に相談してご夫婦それぞれにとって負担の少ない方法を検討してください。
ペアローンは繰り上げ返済するほうがいいのか
繰り上げ返済に関しては、ペアローンに関わらずご夫婦のライフプラン・価値観に応じて検討する必要があります。
現金資金を圧迫しないように注意しながら、例えば「育休・退職などで収入が減少する予定がある場合に、住宅ローン控除終了と同時に繰り上げ返済」など、ご夫婦の生活が切り替わるタイミングで繰り上げ返済が必要かどうかを話し合うことをおすすめします。
家は、建てた後も費用が発生します。そのため、現金資金を確保しながら繰り上げ返済を検討することが大切です。
こちらの記事で、家を建てた後にかかるお金を確認できます。
>家を建てた後にかかるお金|一戸建てに毎月or定期的にかかるお金(ローン以外の税金等)を一覧表で紹介
福井・石川で家づくりを計画中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ご家族の長期的なライフステージの変化を検討し、長く快適に暮らせるプランを提案いたします。
まとめ
ペアローンの利用を検討中の方へ、住宅ローン控除をなるべく上限まで使える割合を検討する流れ、住宅ローン控除額のシミュレーションなどを紹介してきました。
住宅ローン控除・ペアローンともに、利用後のイメージを固めることで、メリットを最大限にいかし、デメリットに対する対策が可能です。
今回紹介した情報を参考に、ご夫婦にとって少ない負担で理想の家を実現する住宅ローンの利用・住宅ローン控除の利用をしていただけると幸いです。