二世帯住宅の建て替え費用はどのくらい?タイプ別費用相場とコストを抑えるポイント
「二世帯住宅の建て替えを検討している」方へ。
二世帯住宅の建て替え費用は、住宅のタイプによって異なります。
将来的な家族構成の変化に柔軟に対応でき、ご家族全員が快適に暮らせる二世帯住宅を、無駄のない予算配分で実現したいですよね。
今回は、福井・石川の工務店「ノークホームズ」が、二世帯住宅の新築やリフォームに関する豊富な経験と知識をもとに、以下の項目をわかりやすく解説します。
コラムのポイント |
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目次
二世帯住宅のタイプ別メリット・デメリットと建築費用相場
二世帯住宅の建築費用は、共有スペースをどの程度設けるかや、独立性をどれだけ重視するかによって大きく変わります。
代表的な3つのタイプごとのメリット・デメリットと建築費用の目安をご紹介します。
- 完全同居型
- 一部共有型
- 完全分離型
完全同居型
完全同居型は、リビングやキッチン、浴室などの居室以外の空間をすべて共有します。
メリット | デメリット |
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・世帯間のコミュニケーションが取りやすい ・建築面積が広くなくても建てられる ・建築費用が抑えられる など |
・プライベートを確保することが難しい ・光熱費や生活費など、住宅全体の費用分担について検討するのが難しい ・各世帯のライフスタイルや生活時間帯が異なると、ストレスを感じるケースがある など |
このタイプの最大のメリットは建築費用を抑えやすいことです。
【建築費用例】
- 坪単価:101万円※
- 延床面積30〜50坪の場合:3,030万円〜5,050万円程度
※坪単価は、住宅金融支援機構ウェブサイト「フラット35利用者調査 」2023年度集計表注文住宅の全国平均値をもとに、ノークホームズが計算
通常の戸建てと同程度の費用で建築可能なため、コストを抑えつつ、家族全員が快適に暮らせる間取りを検討できます。
完全同居の間取り実例の詳細は、こちらの記事で確認できます。
>【二世帯住宅】母一人+子世帯の間取り実例(35坪前後)|完全同居など間取りタイプ別のメリット・デメリット
一部共有型
一部共有型は、リビングや玄関などを共有しつつ、それぞれの世帯に独立したキッチンやトイレを設けるタイプです。
メリット | デメリット |
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・予算に応じて間取りや分離方法を柔軟に検討できる ・完全分離タイプより予算を抑えられる ・完全共有型よりも一定のプライバシーを確保しやすい など |
・共有部分の使い方については、各世帯で事前に話し合いが必要 ・分離する設備が多いほど、費用が高くなる など |
一部共有型の二世帯住宅は、「予算を抑えながらも適度なプライバシーの確保をしたい」という方におすすめのタイプです。
【建築費用例】
- 坪単価:121万円※
- 延床面積面積30〜50坪の場合:3,630万円〜6,050万円程度
※坪単価は、住宅金融支援機構ウェブサイト「フラット35利用者調査 」2023年度集計表注文住宅の全国平均値をもとに、ノークホームズが計算
一部共有型は、完全同居型と比較して約2〜3割ほど費用が高くなります。
理由としては、キッチンや浴室などの水回りをそれぞれ別々に設置する必要があるため、建築費用が高くなる点にあります。
完全分離型
完全分離型の二世帯住宅は、玄関や水まわりなど、設備が各世帯ごとに設けられています。
メリット | デメリット |
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・プライバシーを確保しやすく、各世帯の生活リズムを変える必要がない ・各世帯の収支を分離しやすい ・将来的に1世帯を賃貸転用できる など |
・他のタイプよりも建築費用が高額になりやすい ・広い土地が必要な場合がある(延床面積40坪の場合、敷地面積60坪程度が目安) ・世帯間のコミュニケーションが取りづらい場合がある など |
完全分離型の場合、2世帯分の設備費用が必要で、一定以上の建築面積が求められるため、費用が高くなる傾向があります。
その一方で、住空間を明確に分けることができるため、プライバシーの確保を重視したいご家族におすすめです。
【建築費用例】
- 坪単価:141.4万円※
- 延床面積30〜50坪の場合:4,242万円〜7,070万円
※坪単価は、住宅金融支援機構ウェブサイト「フラット35利用者調査 」2023年度集計表注文住宅の全国平均値をもとに、ノークホームズが計算
完全分離型は、プライバシーを最大限に確保できるメリットがある一方で、共用設備がない分、広い敷地や十分な予算が必要です。
福井・石川で二世帯住宅への建て替えを検討中の方は「ノークホームズ」へご相談ください。
ご家族全員が快適に暮らせる、理想の二世帯住宅を実現します。
二世帯住宅の建て替えに伴う追加費用
二世帯住宅の建て替えを検討する際には、建築費用だけでなく、その他の追加費用も考慮する必要があります。
解体工事費用
二世帯住宅への建て替えでは、既存住宅を取り壊すための解体工事費用が発生します。
解体工事費用は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 建物の解体費用
- 廃棄物の処理費用
- その他の費用
建物を取り壊す際に発生する解体費用は、「構造」「坪数」「立地条件」などにより価格が決まります。
【解体費用目安】
- 木造住宅の場合:1坪あたり約3万~5万円
- 鉄骨住宅の場合:1坪あたり約5万~8万円
延床面積30坪の木造住宅の場合、約90〜150万円程度が目安になります。
廃棄物の処理費用とは、建物を取り壊した後に出る、木くずやタイル片、コンクリート塊などの廃棄物の処理にかかる費用のことです。
一般的に、木くずの処理費用は安く、タイル片やコンクリート塊などの処理費用は高くなる傾向です。
その他にも、土地を平らにする「整地費用」や、庭木・ブロック塀・土間などを撤去する「付帯工事費用」などが発生します。
仮住まいの費用
二世帯住宅への建て替え期間中は、仮住まいへの引っ越し費用と生活費用が必要になります。
仮住まいの費用は、物件の種類や立地、建て替え期間によって変動します。
(例)福井市の3LDKマンションの場合
- 賃貸マンションの家賃:月額7万円×2世帯分=14万円※
- 仮住まい期間:6か月×2世帯分=168万円
- 1回の引っ越し費用(1回):5万~10万円程度(家族4人の場合)×2世帯分×2回=20万円〜40万円
※<参照>SUUMO:賃貸 福井市の家賃相場 マンション 3LDKの金額にて計算
その他の費用
二世帯住宅の建て替え時には、以下のような費用が発生します。
諸費用 | 内訳 |
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登記費用 | ・建物滅失登記 ・建物表題登記 ・所有権保存登記 ・抵当権設定登記 |
住宅ローンの手数料 | ・つなぎ融資 ・事務手数料 ・保証料 |
各種税金 | ・印紙税 ・登録免許税 ・不動産取得税 ・固定資産税 ・都市計画税 |
保険料 | ・火災保険 ・地震保険 |
その他にも、新築に合わせた家具・家電の購入費用や、隣人へのあいさつ回りの費用なども発生します。
これらの追加費用は、建築費用の10〜20%程度になることが多いため、予算計画時に考慮することが重要です。
家を建てるための詳しい費用の内訳は、こちらで確認できます。
>家を建てる際の費用相場・予算の目安はいくら|土地あり・なしのローンのシミュレーションも解説
二世帯住宅の建て替えとリフォームの比較
二世帯住宅を実現する方法として、「建て替え」のほかに「リフォーム」という選択肢も考えられます。
どちらを選ぶかは、現在の住宅の状態や予算、ご家族のニーズによって決まります。
項目 | 建て替え | リフォーム |
---|---|---|
費用 | 新築のため費用は高くなる | 比較的低コストで済む |
自由度 | 間取りや設備を自由に設計できる | 既存住宅の構造に制約される場合がある |
工期 | 解体工事や新築工事があるため工期が長い | 短期間で完了するケースが多い |
耐久性・性能 | 最新の基準で耐震性や断熱性能を確保できる | 耐震補強や断熱強化が必要な場合が多い |
長期的なコスト | 初期費用は高いが、長期的に見ればメンテナンス費用を抑えられる場合がある | 設備の寿命やリフォーム頻度により追加費用が発生することもある |
費用面では一般的にリフォームの方が安価ですが、築30年以上の住宅でメンテナンスがほとんどされていない場合は、長期的には建て替えの方が経済的な場合もあります。
満足度の観点からは建て替えの方が理想の住環境を実現しやすいですが、予算や現在の住宅の状態を考慮して選択することが重要です。
二世帯住宅の建て替えとリフォームの選択に迷っている方は、「ノークホームズ」へご相談ください。
福井・石川で二世帯住宅の建て替えとリフォームの豊富な経験を持ったプロが、ご家族の希望に合ったプランを提案いたします。
二世帯住宅の建て替え費用を抑えるポイント
二世帯住宅の建て替え費用を抑えるためのポイントは以下のとおりです。
- 間取りを工夫して費用を抑える
- 住宅ローンの組み方を検討する
- 子育てグリーン住宅支援事業を活用する
間取りを工夫して費用を抑える
二世帯住宅の設計において、間取りの工夫は建築費用を大きく左右します。
以下のポイントを考慮することで、二世帯住宅の建て替え費用を抑えることができます。
- 間取りをシンプルにする:四角形や長方形を基調とした設計にすることで、建築コストを削減できます。
- 水回りを近くに配置する:キッチンや浴室、トイレなどの水回りを近接させることで、配管工事の費用を削減できます。
- 延床面積を最適化する:延床面積が広くなるほど費用が増えるため、用途に応じた適切なサイズを選ぶことが重要です。
ノークホームズが建築した二世帯住宅の間取り成功事例はこちらで確認できます。
>福井の二世帯住宅(注文住宅)成功事例|間取り、二世帯住宅のメリット・デメリットなど解説
住宅ローンの組み方を検討する
建て替え費用を住宅ローンで賄う場合、建築費だけでなく、追加費用や補助金、減税制度などを考慮した総合的な資金計画を立てることが重要です。
以下のポイントを参考に、無理のないローン計画を検討しましょう。
- 総費用を把握する:建築費用、追加費用、ローン金利、補助金、減税効果を含めたトータルコストを計算。
- 親世帯・子世帯の負担を明確にする:住宅ローンの名義(単独、ペアローンなど)や返済割合を話し合い、それぞれの収支に合った負担方法を設定。
- ローンの種類を選ぶ:固定金利、変動金利、ミックスローンの中から、家族のライフプランに合う選択肢を選ぶ。
住宅ローンを賢く活用することで、費用負担を抑えながら二世帯住宅の建て替えを実現できます。
住宅ローンの組み方については、こちらでも確認できます。
>二世帯住宅のローンの組み方3種類を解説「月々の返済がきつい」を感じない資金計画の立て方や注意点も
子育てグリーン住宅支援事業を活用する
二世帯住宅の建て替えやリフォームをする際に活用できる補助金として、「子育てグリーン住宅支援事業」が令和6年度補正予算案で閣議決定されました。
主な内容は以下のとおりです。
【新築の場合】
対象世帯 | 対象住宅 | 補助額 |
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すべての世帯 | GX志向型住宅※ | 160万円/戸 |
子育て世帯 | 長期優良住宅(建替前住宅等の除却を行う場合) | 100万円/戸 |
上記以外の長期優良住宅 | 80万円/戸 | |
ZEH水準住宅(建替前住宅等の除却を行う場合) | 60万円/戸 | |
上記以外のZEH水準住宅 | 40万円/戸 |
※GX志向型住宅の条件:以下の1,2および3にすべて適合するもの
- 断熱性能等級「6以上」
- 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」
- 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」
共同住宅の場合は、別途階数ごとに設定されます。
【リフォームの場合】
メニュー | 補助要件 | 補助額 |
---|---|---|
Sタイプ <補助要件全て実施> |
・開口部の断熱改修 ・躯体の断熱改修 ・エコ住宅設備の設置 |
上限:60万円/戸 |
Aタイプ <補助要件のうちいずれか2種を実施> |
・開口部の断熱改修 ・躯体の断熱改修 ・エコ住宅設備の設置 |
上限:40万円/戸 |
ただし、補助要件の改修工事は、ZEH水準に相当する省エネ性能以上の改修工事に限ります。
<参照>国土交通省ウェブサイト:「子育てグリーン住宅支援事業について」
詳細については、「子育てグリーン住宅支援事業」のホームページでご確認ください。
福井・石川で二世帯住宅への建て替えを検討中の方は「ノークホームズ」へご相談ください。
各種補助金の申請が可能な工務店で、新築・リフォームのどちらにも対応しています。
まとめ
二世帯住宅の建て替え費用は、住宅のタイプや設計次第で大きく変わります。
完全同居型はコストを抑えやすく、一部共有型や完全分離型はプライバシーを重視した設計が可能です。
また、建築費用以外にも解体費用や仮住まい費用、諸経費などが発生するため、総合的な資金計画が欠かせません。
「子育てグリーン住宅支援事業」などの補助金を活用することで、費用負担を軽減する方法も検討しましょう。
この記事がご家族の理想の二世帯住宅づくりの参考になれば幸いです。