二世帯住宅を「予算4000万円・完全分離の間取り」で建てられるか解説|土地代込みの総予費、間取り実例など
二世帯住宅は普通の住宅より価格が高いことをイメージできるため、「予算4000万円くらいで建てられるか」「予算4000万円でどのような二世帯住宅を建てられるか」などお考えの方が多いのではないでしょうか。
また各世帯がストレスなく過ごすために、完全分離を希望しているご家族も多くいらっしゃると思います。
そこで今回は、多世帯同居率の高い福井・石川で多くのご家族の家づくりをサポートしてきた工務店『ノークホームズ』が、以下の項目をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
---|
|
この記事を最後まで読むと、「予算に応じてどのような二世帯住宅プランを実現可能か」を、ご自身で計算・想定できるようになります。
「予算の調整」「各世帯の間取りの調整」などを検討する際にも役立つ情報ですので、ぜひ最後までごらんください!
目次
二世帯住宅を「予算4000万円・完全分離の間取り」で建てられるか解説
住宅を建てる費用は、大まかに以下3つに分かれています。
- 住宅の建築費用
- 諸費用(不動産業者・金融機関へ支払う手数料、火災保険料など):一般的に総予算額の8〜15%を想定
- 土地の取得費用:一般的に総予算額の30%程度を想定
「建築予算4000万円の場合」「土地代込みの総予算4000万円の場合」では実現可能な二世帯住宅のプランが変わるため、はじめに予算4000万円でどのような二世帯住宅を建築可能なのかを確認しましょう。
諸費用の詳細な内訳を、こちらの記事で確認できます。
>注文住宅をフルローンで建てるなら現金はいくら必要か|支払いスケジュール、ローンのタイミングなど解説
建築予算4000万円の場合|「坪単価×延床面積=4000万円以下」のプラン検討が必要
「すでに土地を所有している」などで「建築予算4000万円」で二世帯住宅のプランを検討する場合でも、諸費用の支出を考える必要があります。
そのため、建築費用に配分できる額は4000万円以下となるのが一般的です。
※諸費用を現金で支払う方法もありますが、今回は予算4000万円を「建築費用」「諸費用」に配分することを想定して、実現可能な二世帯住宅のプランを紹介します。
予算4000万円を「建築費用」「諸費用」に配分する場合、資金配分の想定は以下のとおりです。
- 建築費用:3400万円〜3680万円
- 諸費用:320万円〜600万円
建築費用3400〜3680万円の場合の延床面積の想定は以下のとおりで、完全分離の二世帯住宅の場合は、延床面積32坪〜34坪を2つの世帯に分散することになります。
【建築費用3400万円〜3680万円÷坪単価(全国平均)106万円※=延床面積32坪〜34坪】
※「坪単価(全国平均)106万円」は、住宅金融支援機構ホームページ『フラット35利用者調査』2023年度調査結果19ページのデータをもとに、ノークホームズが計算(すべて1万円未満切り捨てで計算)
「延床面積31坪〜34坪の完全分離の二世帯住宅」は少し手狭なイメージがありますが、以下のようなアイデアで実現可能です。
- 各世帯の人数に応じて世帯ごとの延床面積を調整
- 「玄関のみ共有する完全分離の二世帯住宅」というスタイルの間取りにする
- 廊下のない間取りにする
- コンパクトなサイズの水回り設備を選ぶ など
※ただし上記の計算は単純計算の場合の想定で、土地の状況・ご家族の要望などによって実際の費用は変化する点にご注意ください。
土地代込みの総予算が4000万円の場合|完全分離の二世帯住宅は難しい可能性がある
これから土地を取得する場合には、「予算4000万円」を「建築費用」「諸費用」「土地の取得費用」に分散する必要があります。
※「建築予算4000万円の場合」と同様に、今回は諸費用を予算に含めることを想定して、実現可能な二世帯住宅のプランを紹介します。
予算4000万円を「建築費用」「諸費用」「土地の取得費用」に配分する場合、資金配分の想定は以下のとおりです。
- 建築費用:2200万円〜2480万円
- 諸費用:320万円〜600万円
- 土地の取得費用:1200万円
建築費用2200〜2480万円の場合の延床面積の想定は以下のとおりで、完全分離の二世帯住宅の場合は、21坪〜24坪を2つの世帯に分散することになります。
【建築費用2200万円〜2480万円÷坪単価(全国平均)102万円※=延床面積21坪〜24坪】
※「坪単価(全国平均)102万円」は、住宅金融支援機構ホームページ『フラット35利用者調査』2023年度調査結果20ページのデータをもとに、ノークホームズが計算(すべて1万円未満切り捨てで計算)
「21坪〜24坪の完全分離の二世帯住宅」は実現不可能ではありませんが、「1つの世帯をワンルームアパート程度のサイズにする」などの調整をしても、各世帯がコンパクトになります。
各世帯が長く快適に暮らせる二世帯住宅を完成させるために、以下のような対策でプランを再検討していただけると幸いです。
- 土地の取得費用を調整
- 予算増額を検討
- 諸費用など、現金支出が可能な費用があるかを検討 など
※ただし上記の計算は単純計算の場合の想定で、土地の状況・ご家族の要望などによって実際の費用は変化する点にご注意ください。
福井・石川で完全分離の二世帯住宅を検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
土地探し・資金計画の段階から、ご家族の二世帯住宅づくりをサポートいたします。
〈土地探しからのお客様へ〉
〈資料請求はコチラ〉
〈WEB相談はコチラ〉
〈来店相談はコチラ〉
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。
〈施工エリア〉
※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料送付をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。
【25坪×二世帯】土地代込みの総額費用相場シミュレーション
はじめに「予算4000万円で完全分離の二世帯住宅を建てる」と想定して実現可能なプランを紹介しましたが、「各世帯が快適に暮らせる延床面積を優先するとしたら、土地代込みの総予算額はいくら必要なのか」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
必要な延床面積はご家族のライフスタイルなどによって変動しますが、国が提唱している「世帯人数と居住面積」が参考になります。
世帯人数 | 面積 |
---|---|
1人 | 約12坪〜16坪 |
2人 | 約16坪〜22坪 |
3人 | 約19坪〜30坪 |
4人 | 約25坪〜37坪 |
〈参考〉国土交通省 住宅『住生活基本計画(全国計画)(平成28年3月18日)』25ページ
上記の面積を参考にして各世帯4人前後を想定し、【25坪×二世帯】の場合の土地代込みの総額費用相場を試算すると、以下のとおりでした。
費用相場 | 計算 | |
---|---|---|
土地代込みの総額費用 | 8225万円〜9272万円 | |
内訳 | 建築費用相場 | 25坪×坪単価102万円※×二世帯=5100万円 |
諸費用 | 658万円〜1391万円 | |
土地の取得費用 | 2467万円〜2781万円 |
※「坪単価102万円」は、住宅金融支援機構ホームページ『フラット35利用者調査』2023年度調査結果20ページのデータをもとに、ノークホームズが計算(すべて1万円未満切り捨てで計算)
上記の試算では「土地代込みの総額費用」が非常に高額ですが、あくまでも単純計算をそた数値で、「坪単価は全国平均のため都市部の高額な住宅建築費が含まれる」「土地面積を考慮していない」といった事情があります。
そのため、実際の土地代込みの総額費用は上記資産額よりも抑えられる可能性があることを、念頭に置いてごらんください。
とはいえ、完全分離の二世帯住宅は、1世帯用の住宅よりも高額な予算を想定する必要があることは事実です。
予算に応じて完全分離以外の選択をすることもできるため、次に二世帯住宅の間取りの種類・各間取りのメリット・デメリットを紹介します。
マイホームの予算調整が必要な場合の対策を、こちらの記事で確認できます。
>新築の注文住宅で費用を削れるところ一覧|予算オーバー額500万円・1000万円の対策例も紹介
「二世帯住宅・予算4000万円・完全分離」はベストな選択肢なのか|完全分離以外の費用も紹介
二世帯住宅の間取りの種類は以下のとおりで、それぞれ費用面・生活面のメリット・デメリットがあります。
- 完全分離
- 一部分離
- 完全共有
完全分離の二世帯住宅は上記の中で最も高額な間取りのため、「4000万円で完全分離の二世帯住宅は難しい」と感じる場合に、他の間取りも検討していただけると幸いです。
完全分離の二世帯住宅メリット・デメリット
「完全分離の二世帯住宅」とは各世帯の生活スペースを完全に分離した間取りの二世帯住宅のことです。
各世帯専用の水回り設備・各居室がある二世帯住宅となりますが、ご家族のご希望に応じて、玄関は「分離」「共有」どちらも可能です。
完全分離の二世帯住宅のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
完全分離の二世帯住宅 メリット |
---|
|
完全分離の二世帯住宅 デメリット |
|
完全分離の二世帯住宅は、「各世帯のライフスタイルがまったく違うので気兼ねなく暮らしたい」「プライバシーを重視したい」などをご希望のご家族に向いています。
一部分離の二世帯住宅メリット・デメリット、費用
「一部分離の二世帯住宅」とは、ご家族の要望に合わせて一部を分離・一部を共有する二世帯住宅のことです。
分離方法のバリエーションが豊富で、予算4000万円の場合は「予算に余裕があるから水回り設備を増やす」「予算に余裕がないから各世帯の個室面積を調整する」など、ご予算に応じて柔軟にプランを調整しやすい点が魅力です。
一部分離の二世帯住宅のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
完全分離の二世帯住宅 メリット |
---|
|
完全分離の二世帯住宅 デメリット |
|
一部分離の二世帯住宅は、「予算を抑えながらストレスを感じづらい間取りを実現したい」「限られた土地面積を有効活用して各世帯が快適に暮らせる間取りを実現したい」などをご希望のご家族に向いています。
完全共有の二世帯住宅メリット・デメリット、費用
「完全共有の二世帯住宅」とは、各世帯の個室以外の空間を全て共有する二世帯住宅のことです。
そのため、予算4000万円の場合は「住宅全体の延床面積・各世帯の個室面積を広くする」「客間をつくる」など、余裕のあるプランを検討できる可能性があります。
完全共有の二世帯住宅のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
完全分離の二世帯住宅 メリット |
---|
|
完全分離の二世帯住宅 デメリット |
|
完全共有の二世帯住宅は、「協力して介護や育児をしたい」「予算を抑えてゆとりのある間取りプランを実現したい」などをご希望のご家族に向いています。
完全分離・一部分離・完全共有の二世帯住宅について、メリット・デメリットを紹介してきました。
それぞれに優れている面・注意が必要な面があるため、次に間取り実例を見て二世帯住宅完成後の暮らしを具体的にイメージしましょう。
福井・石川で二世帯住宅を検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ご予算、ライフスタイルなどの希望を丁寧に伺い、二世帯のご家族が長く快適に暮らせるプランを提案いたします。
〈土地探しからのお客様へ〈資料請求はコチラ〉
〈WEB相談はコチラ〉
〈来店相談はコチラ〉
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。
〈施工エリア〉
※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料送付をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。
二世帯住宅の間取り実例
完全分離・一部分離・完全共有の二世帯住宅の間取り実例を紹介します。
どの間取りも、無駄なスペースを排除しながら各世帯の快適なライフスタイルを実現できる間取りですので、ぜひ参考にしてください。
完全分離の二世帯住宅|延床面積42.26坪
こちらは玄関以外を完全分離した二世帯住宅で、間取りは【1階世帯:3LDK】【2階世帯:2LDK】です。
「水回り位置をそろえる」「寝室の位置をずらす」などの工夫をしているため、上下階で世帯を分離する場合の「音のトラブル」が発生しづらく、生活時間帯の違う二世帯が快適に暮らせます。
一部分離の二世帯住宅|延床面積28.93坪
こちらはトイレ・洗面所を分離した一部分離の二世帯住宅で、3LDKの間取りを、LDKを挟んで左右に分離して各世帯の生活スペースを確保しています。
各世帯の世帯人数に応じた間取りの作り方を、こちらの記事で確認できます。
>【二世帯住宅】母一人+子世帯の間取り実例(35坪前後)|完全同居など間取りタイプ別のメリット・デメリット
完全共有の二世帯住宅|延床面積31.78坪
こちらは完全共有の二世帯住宅で、L字型の住宅形状をいかしてLDKを中心とした個室配置をしています。
縦長の平屋ですが、「各個室からアクセスの良い位置にトイレを設置」「水回りの間取りに回遊動線を採用」など、各世帯がスムーズに暮らせる間取りが実現しました。
平屋にトイレを2つ設置した間取り実例を、こちらの記事で確認できます。
>30坪の平屋間取り|3LDK〜4LDKでトイレ2つ、ランドリールームありなど事例紹介
ノークホームズには、今回紹介しきれなかった施工事例がまだたくさんあります。ぜひごらんください!
完全分離の二世帯住宅を予算内で建てるポイント
「完全分離の二世帯住宅を予算4000万円で建てられるか」「完全分離以外の選択肢」などを確認してきましたが、ここで「完全分離は絶対条件だが予算は調整しながら増額可能」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
完全分離の二世帯住宅を予算内で建てるポイントは、以下のとおりです。
- 総予算額(建築費用・諸費用・土地取得費用)を明確に決め、ハウスメーカーに伝える:予算内でのプラン提案を依頼できる
- ご家族の要望をまとめる方・ハウスメーカーの連絡係を1人に絞る:ご家族それぞれの要望が分散することによる追加費用発生などを防ぐ
- 分離箇所・共有箇所を慎重に検討:建築前に経費分担・家の使い方を検討し、将来の金銭トラブル・ライフスタイルの違いによるトラブルを防ぐ
- シンプルな間取り・住宅形状を検討:複雑・工期の長い工事を避けて費用を抑える
- 二世帯住宅の施工実績が豊富なハウスメーカーに依頼:予算に応じたプラン作成のアイデアが豊富
二世帯住宅の建築を依頼するハウスメーカーの選び方を、こちらの記事で確認できます。
>【二世帯住宅】ハウスメーカーの選び方&完全分離のおすすめ間取り|後悔しない二世帯住宅のつくり方を解説
二世帯住宅を建てる場合には、「予算に応じたプラン組み立て」「ご家族それぞれの要望の取りまとめ」など、多岐に渡る場面でハウスメーカ―のサポートが必要です。
ぜひ実績が豊富なハウスメーカーを選び、無理のない予算でご家族が長く快適に暮らせる二世帯住宅を完成させていただけると幸いです。
福井・石川で二世帯住宅をご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは地域密着型の工務店で、北陸の厳しい気候の中で各世帯が快適に暮らせる二世帯住宅を提案いたします。
〈土地探しからのお客様へ〉
〈資料請求はコチラ〉
〈WEB相談はコチラ〉
〈来店相談はコチラ〉
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心下さい。
〈施工エリア〉
※建築予定地が施工エリア外の場合には、資料送付をお断りさせていただきます。あらかじめご了承ください。
完全分離の二世帯住宅Q&A
最後に、完全分離の二世帯住宅をご希望の方からノークホームズがよくいただく質問・回答を紹介します。
予算の決め方を知りたい
予算は、二世帯住宅完成後の生活に影響しない、無理のない額を設定する必要があります。
以下3パターンで予算を検討し、長期的な視点で収入を想定したうえで最終的な予算額を設定してください。
- 年収×年収倍率(4〜7.5倍程度が一般的)
- 毎月の返済可能額×返済期間
- 現在の住居費をベースにして検討した無理のない額×返済期間
マイホームの予算の決め方を、こちらの記事で詳細に確認できます。
>マイホーム予算の決め方は3パターン(年収・返済額・現在の住居費)|平均予算、予算オーバー対策も紹介
また、想定している予算額を住宅ローンで借り入れ可能とは限らないため、実際に借入可能な額を、金融機関の仮審査を受けて確認する必要があります。
成功・失敗の口コミを知りたい
完全分離の二世帯住宅には、以下のような成功・失敗の口コミがあります。
完全分離の二世帯住宅 成功の口コミ |
---|
|
完全分離の二世帯住宅 失敗の口コミ |
|
完全分離・一部分離・完全共有のうちどの間取りを選ぶ場合でも、ライフサイクルの中でメリット・デメリットを感じる場面があります。
そのため、各世帯が現在のライフスタイルや価値観を大きく変えずに暮らせる二世帯住宅のプランを検討することを、おすすめします。
住宅ローンの利用方法を知りたい
二世帯住宅を建てる場合の住宅ローンの利用方法は、以下のとおりです。
- ペアローン:親子や夫婦などペアを組む両方が主な債務者となり、お互いに連帯保証をする
- 収入を合算し、連帯債務型の住宅ローンを利用:収入を合算する片方が主な債務者となり、片方が連帯保証をする
- 親子リレーローン:親が住宅ローンを申し込み、返済できなくなったら子がローンを引き継ぐ
ペアローンの割合を決める際に役立つ考え方を、こちらの記事で確認できます。
>住宅ローン控除を上限まで使えるペアローンシミュレーション|デメリット(手数料2倍など)も簡単解説
住宅ローンの利用方法は、住宅ローン減税・相続なども見据えて選択する必要があります。
金融機関・税理士などの専門家に相談して、最終判断をしてください。
まとめ
「完全分離の二世帯住宅を予算4000万円くらいで建てられるか」とお悩みの方へ、「予算4000万円で実現可能な二世帯住宅プラン」「各世帯の延床面積を優先する場合の土地代込みの総予算額シミュレーション」などを解説してきました。
完全分離は人気の高い間取りですが、ご予算・ご家族のライフスタイルなどによっては一部分離・完全共有という選択肢のほうが快適に暮らせるケースがあります。
今回紹介した情報を参考にして、無理のない予算でご家族の理想を実現する二世帯住宅を完成させていただけると幸いです。