住宅ローンの変動金利・固定金利は今後どうなる?いつ・何パーセントまで上がるか、金利上昇後の対策も解説
住宅ローンを組む際に注意したいのが、金利の動向です。
2024年3月にマイナス金利解除、7月に0.25%の利上げが決定し、住宅ローンの固定金利・変動金利が今後どうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、家づくりを資金計画の段階からサポートしている福井・石川の工務店「ノークホームズ」が、以下の項目をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
---|
|
これから住宅ローンを利用予定の方も、すでに借り入れ中の方もぜひ参考になさってください。
目次
現在の住宅ローン金利の状況
2024年10月現在、緩やかではあるものの、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。
日本銀行が2024年7月に政策金利の追加引き上げを決定した影響を受け、一部の金融機関では変動金利が0.15%程度引き上げられました。
【変動金利】
多くの金融機関で0.4~0.5%台となっており、前月に比べ上昇となった金融機関が少なくありません。
【固定金利】
10年固定金利は1.1~1.7%台ほどで推移しており、金利を引き下げた金融機関・引き上げた金融機関が混在する状況です。
ちなみに、全期間固定金利のフラット35は金利1.82%で、前月から推移はありません。
今後の金利動向については、引き続き日本銀行の金融政策や長期金利の推移に注目する必要があり、さらなる金利上昇の可能性も考えられます。
住宅ローン返済額の平均を、こちらの記事で確認できます。
>注文住宅の予算はいくらぐらい?頭金・住宅ローン返済額の平均をチェック!
今後の金利動向予測|変動金利と固定金利はいつ上がる?
今後の金利動向予測について、変動金利と固定金利それぞれの見通しを簡単に解説します。
変動金利は今後どうなるのか
変動金利は、今後も緩やかな上昇傾向にあると予測されています。
2024年7月、日本銀行による追加利上げが実施され、多くの銀行が変動金利の基準となる短期プライムレートを引き上げました。
日本銀行総裁は、2024年内に再び利上げを行う可能性も示唆しています。
そのため、今後も利上げ傾向は変わらず、2025年の後半までに変動金利が1%まで上がる可能性も、ゼロではありません。
しかし、大手銀行に比べて金利の低いネット銀行との価格競争から、据え置きとする銀行も見られます。
また、いつでも利上げに踏み切れるわけではなく、日本経済が低迷していれば利上げもしづらいため、経済全体の動向にも注意が必要です。
固定金利は今後どうなるのか
固定金利も、変動金利と同様に緩やかな上昇傾向となると考えられています。
日本銀行が長期国債の買入額を減額することを決定したことから、固定金利に影響する長期金利に関しても、緩やかに上昇傾向と予測されるためです。
しかし、長期金利が影響を受けるのは、日本銀行の金融政策だけではありません。
国内外の経済動向、日々の市場取引の影響も大きいため、いつ、どれほど上昇するのかを予測するのが難しい側面もあります。
固定金利での借入や固定金利への変更を検討中の人は、長期金利の動向を慎重に確認していきましょう。
福井・石川で、住宅ローン利用を検討中の方は、ノークホームズへご相談ください。
ノークホームズは、資金計画の段階からご相談いただける工務店です。
住宅ローンの金利上昇に効果的な対策
家計が住宅ローン金利上昇の打撃を受けることを防止する5つの対策を、紹介します。
- 繰上返済
- 変動金利から固定金利へ切り替え
- 金利の低い住宅ローンへ借り換え
- 家計の全体の見直し
- 金利上昇を前提に借入金額を決める
繰上返済
金利上昇による影響をできる限り抑えるために、繰上返済によって住宅ローンの残債を減らす方法があります。
繰り上げ返済後の住宅ローンは、「毎月の返済額が減る」「返済期間が短くなる」どちらかで、どちらであっても元本が減ることによって、元本返済のスピードを上げることが可能です。
変動金利から固定金利への切り替え
変動金利で住宅ローンを利用している場合、固定金利に切り替えることで、将来の金利上昇による影響を避けられます。
しかし、固定金利は変動金利より利率が高いため、固定金利への切り替え時点で毎月の返済額が上昇するのが一般的です。
「変動金利から固定金利への切り替え」「繰り上げ返済」を合わせて、毎月の住宅ローン返済額を抑えることも可能なので、手元資金の確保・住宅ローン返済額のバランスをよく検討しましょう。
金利の低い住宅ローンへの借り換え
現在利用している住宅ローンよりも金利の住宅ローンに借り換えれば、毎月の返済額を抑えることが可能です。
また、借り換え時に変動金利から固定金利へ切り替えをしたい場合には、「当初固定金利」を選ぶことで、返済額をしばらく抑えることもできます。
しかし、借り換えには事務手数料をはじめとした諸費用が発生するため、借り換えが本当にお得なのかを判断しましょう。
家計の全体の見直し
家計の収支全体を見直し、不要な支出を減らすことで、住宅ローン返済額が高くなった分をまかなう方法もあります。
「使っていないサブスクリプションサービスはないか」「保険料を抑えられないか」など、毎月発生する固定費から見直してみましょう。
金利上昇を前提に借入金額を決める
金利上昇の影響を前もってシミュレーションして住宅ローンの借入額を決めることで、返済額に悩むリスクを減らせます。
インターネット上に住宅ローンのシミュレーションサービスが多数公開されているため、金利上昇が毎月の返済額にどの程度変動するのかを、確かめておきましょう。
【シミュレーション例】
- 借入金額: 5,000万円
- 借入期間: 35年
- 金利種類: 変動金利
- ボーナス返済:なし
- 金利動向: 借入から5年間0.5%、その後金利が1%〜に上昇
「金利が1%に上昇する場合の総返済額」「5%に上昇する場合の毎月の返済額」など、複数のパターンでシミュレーションしてみることをおすすめします。
家を建てた後に発生する費用を、こちらの記事で確認できます。
>家を建てた後にかかるお金|一戸建てに毎月or定期的にかかるお金(ローン以外の税金等)を一覧表で紹介
住宅ローンは変動金利・固定金利のどちらがおすすめか
これから住宅ローンを利用予定の方は、変動金利・固定金利のどちらがおすすめなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
また、変動金利・固定金利間の切り替えにお悩みの方もいるかと思います。
ここからは、変動金利・固定金利のそれぞれの特徴、メリットやデメリットを解説するので、ぜひ参考になさってください。
変動金利型の住宅ローンとは
変動金利型住宅ローンの特徴は、以下のとおりです。
- 市場経済の状況によって金利が変動する
- 基準金利に連動して、半年ごとに金利が見直されることとなっています。
- 多くの金融機関では「5年ルール」or「1.25倍ルール」を採用している
「5年ルール」とは5年ごとの返済額見直し方式、「1.25倍ルール」とは金利アップの上限を125%に設定する方式で、どちらも急激な金利上場を防ぐルールです。
変動金利のメリット
変動金利を選ぶ何よりものメリットは、固定金利タイプに比べて金利が低い点です。
固定金利よりも低めに設定されているため、金利が横ばいor下落する場合に、総返済額が抑えられます。
変動金利のデメリット
変動金利は、返済額が金利に左右されることによって、総返済額や返済期間が定まらない点がデメリットです。
毎月の返済額のうち、利息の割合が増えると、元本が減りません。
また、金利が以上に高騰する場合は、利息が返済額を上回りるリスクも考えられます。(元本が減らず、住宅ローン返済がいつまでも終了しません)
固定金利型の住宅ローンとは
固定金利型の住宅ローンの特徴は、以下のとおりです。
- 借入期間中の金利に変動がない
- 「全期間固定型」は、借入から完済まで金利が変動しない(例:フラット35)
- 「固定期間選択型」は、3年・5年・10年など一定期間の金利が固定され、期間終了と同時に金利タイプを選び直す
固定金利のメリット
固定金利を選ぶ最大のメリットは、返済計画が立てやすい点です。
毎月の返済額が変わらないため、ライフプランに沿った長期的な資金計画を立てたい場合にはぴったりです。
全期間固定型であれば、契約した時点で金利が決まるため、変動金利のように返済の見通しが立てづらくなりません。
固定金利選択型であっても、期間終了時には自由に金利タイプを選べるため、金利動向をふまえて選択できるのがメリットです。
固定金利のデメリット
固定金利の最大のデメリットは、変動金利と比較して金利が高めに設定されている点です。
金利が下落した場合も、借入時に決められた金利のままのため、変動金利よりも返済額が高くなる場合もあります。
また、固定期間選択型の場合、期間終了時に金利が急激に上昇してしまうリスクもゼロではありません。
その場合、借入時の想定よりも返済額が増える可能性があります。
住宅ローンの借入の流れを、こちらの記事で確認できます。
>注文住宅の住宅ローンの流れ|仮審査・本審査・つなぎ融資のタイミング、本審査に落ちた場合の対処法など解説
住宅ローンの変動金利・固定金利に関するよくある質問
最後に、ノークホームズが住宅ローンの金利について、よくいただく質問・回答を紹介します。
変動金利の利率が変わるタイミングを知りたい
変動金利は、4月1日・10月1日に見直しが行われます。
「4月1日の見直しによって決まった新しい利率は同年6月の返済日翌営業日から」「10月1日の見直しによって決まった新しい利率は同年12月の返済日翌営業日から」適用となるのが一般的です。
変動金利を選ぶ人の割合はどのくらい?
住宅金融支援機構が2024年4月に行った「住宅ローン利用者の実態調査結果」によれば、変動金利を選んだ割合は76.9%とされています。
ちなみに、固定期間選択型は15.1%、全期間固定型は8.0%です。
〈参考〉住宅ローン利用者の実態調査結果(2024年4月調査)|住宅金融支援機構
まとめ
住宅ローンの金利は、緩やかではありますが上昇傾向にあります。
変動金利・固定金利のどちらを選ぶかによって返済額が変わるため、借入時には慎重に検討しましょう。
また、「どの金融機関の住宅ローンを選ぶか」「変動金利・固定金利どちらを選ぶか」などを適切に判断するためには、情報収集が欠かせません。
金融機関の窓口はもちろん、家づくりをサポートする施工業者にも資金計画の相談が可能ですので、ぜひプロのアドバイスを受けながら住宅ローンを検討してください。
福井・石川でマイホームを検討中の方は、ノークホームズにご相談ください。
ノークホームズは、資金計画の段階からご相談いただける工務店です。