車椅子で暮らせる家の間取り事例(平屋・二階建て)|バリアフリー導入の工夫を住宅の部位別に紹介
「車椅子で暮らせる家の間取り」を知りたい方へ。
生活していると車椅子が必要なときがあり、車椅子で暮らせる家を設計したい方もいらっしゃるかと思います。
車椅子での生活をよくするために、部位別にどのようなバリアフリー対策をすればいいのかを知りたいですよね。
そこで今回は、暮らしやすい設計が得意な福井の工務店「ノークホームズ」が車椅子で暮らせる家の間取り事例を紹介します。
ほかにも、部位別のバリアフリー導入ポイントや注意点なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
車椅子で暮らせる家の間取り事例|平屋・二階建て、30坪前後の事例を紹介
車椅子で暮らせる家の間取り事例について「平屋」と「二階建て」別にそれぞれ3事例ずつ紹介します。
平屋
平屋の車椅子で暮らせる間取り事例は以下の3つです。
延床面積29.64坪
こちらは、リビングが開放的で通路が広いため、車椅子での移動がしやすい間取り事例です。
また、キッチンの両サイドに通路があり移動が自由にできるため、車椅子を利用する方との生活に適しています。
延床面積30.74坪
こちらは、各居室に十分な面積を確保しているため、車椅子を利用する方がどの居室を使う場合でも生活しやすい間取り事例です。
延床面積31.82坪
こちらは、各居室に全体につながる廊下があるため、車椅子での生活がしやすい間取りです。
車椅子を利用する方がご自身でどの居室にでもアクセスできる点が魅力です。
こちらの記事で、ノークホームズの平屋の魅力について詳しく掲載していますので、ぜひご覧ください。
二階建て
車椅子で暮らせる家の二階建ての間取り事例を3つ紹介します。
延床面積31.38坪
こちらは、リビングが広く車椅子での移動がしやすい家です。
また、キッチン・ダイニングテーブルが直結しているため、車椅子を利用する方も料理・配膳がスムーズに行えます。
延床面積34.25坪
こちらは、一階・二階ともに廊下から各居室に移動することが可能な間取り事例です。
延床面積35坪
こちらは、玄関が広いため、車椅子を利用する方が出入りをしやすい間取り事例です。
リビングが開放的になっていて車椅子での移動も自由にできます。
こちら記事でノークホームズの施工事例一覧が確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。
〈施工事例一覧〉
ここでご紹介した間取り事例は、福井の工務店ノーク・ホームズがお手伝いしたものです。
ノーク・ホームズは、自由設計の住まいづくりで、土地環境やライフスタイルにぴったりなマイホームをご提案しています。
車椅子を利用する方の快適な家づくりをお手伝いできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
車椅子で暮らせる家づくり|住宅全体にバリアフリーを導入する5つの工夫
住宅全体にバリアフリーを導入するために意識すべきことは以下の5点です。
- 段差を無くすこと
- 転倒防止のための手すりを設置すること
- 車椅子を利用する方の移動のために、最低でも幅90cmを確保すること
- 耐キズ性や耐汚性の素材を導入すること
- 介護者・被介護者のプライバシーを守れる空間を確保すること
上記5点の工夫を意識すれば、車椅子を利用する方や介護者の満足度が大幅に向上します。
とくに、国土交通省の調査によると、車椅子で通過しやすい幅は90cmとされています。最低でも90cm以上の幅は確保するようにしましょう。
〈参考〉国土交通省ウエブサイト「建築物におけるバリアフリーについて」建築設計標準(令和2年度改正版)第3章 基本寸法等
人がすれ違う場合も考慮すると、120cmの幅が必要とされています。
また、車椅子を利用する方が生活しやすいポイントなどはこちらの記事で詳細に説明していますので、参考にしてみてください。
>50代からの家づくりは間取りにユニバーサルデザインを取り入れよう|事例、間取り作成のポイントなど解説
車椅子で暮らせる家づくり|住宅部位別のバリアフリー導入ポイント・注意点
住宅の部位別にバリアフリーを導入することは、快適な暮らしの実現につながるため重要です。
とくに意識すべき部位は次の11箇所です。
- 玄関
- トイレ
- 廊下
- 階段
- 収納
- キッチン
- 浴室
- 洗面所
- リビング
- 車椅子を使用する方の寝室
- 駐車場・玄関アプローチ
それぞれの部位のバリアフリー導入のポイントや注意点について解説します。
玄関
玄関のバリアフリー導入ポイントは以下の2つです。
- スロープを取り入れる
- 引き戸にする
スロープを取り入れることは、車椅子を利用する方の移動の快適さ向上につながるためおすすめです。
また、玄関を引き戸にすれば外から開けたときに車椅子を利用する方に当たることがなくなります。
引き戸にして、車椅子を利用する方と介護者双方にストレスがかからないようにしましょう。
トイレ
トイレのバリアフリー化の注意点は次の3点です。
- 引き戸や折戸を採用する
- 正方形で180cm×180cmの空間を設ける
- 寝室との距離を近くする
また、折戸も車椅子を利用する方に当たりにくくなるためおすすめです。
寝室とトイレの距離が近ければ、夜中にトイレに行きたくなっても長い移動を要さないため負担の軽減になります。
廊下
廊下のバリアフリー導入のポイントや注意点について解説します。
- 滑りにくい素材を選択する
- 夜中に足元を自動で照らす歩行ライトを導入する
そのため、廊下は滑りにくい素材にしたほうがよく、具体的にコルクタイルやプラスチック系のシートなどがおすすめです。
また、夜間に照らせる歩行ライトがあれば介護者も安心して車椅子を押せるため推奨します。
階段
階段を設置する場合は、以下の2点に注意しましょう。
- 両側に手すりを付ける
- 階段の段差を小さくする
また、段差を小さくすれば移動の負担軽減につながるため、できるだけ段差を無くせるように努めるといいでしょう。
収納
車椅子を利用する方が快適に暮らせる収納のポイントは以下の2点です。
- 収納スペースの位置を低くする
- なるべく2階を収納スペースにする
収納スペースが高い位置にあると、車椅子を利用する方が収納しにくくなってしまうため、低くすることは重要です。
また、ものを収納するときはなるべく2階に収納するといいでしょう。
キッチン
車椅子を利用する方のためのキッチンのバリアフリー導入ポイントについて解説します。
- 調理できるようにコンロやワークスペースを低くする
- 下の空間が空いている収納キッチンを選ぶ
また、高さを変えられるキッチンもあるため、導入を検討してみてもいいかもしれません。
浴室
浴室のバリアフリー導入ポイントは以下の4点です。
- 脱衣所と浴室の段差を無くす
- 床の素材を滑りにくいものにする
- 浴槽を浅めにする
- 出入り口に手すりを取り付ける
段差を無くしておけば浴室で介護するときの負担軽減につながります。
また、床は滑りにくい素材を選択しましょう。
水はけがいい素材を使用したり、床の表面に小さな凹凸をつくったりすると転倒防止につながるためおすすめです。
洗面所
洗面所のバリアフリーを導入するときのポイントは以下の2点です。
- 洗面台自体の高さを低くする
- 足元の収納スペースを無くす
また、足元の収納スペースを無くすことで、車椅子を利用したままでも洗面所に近づきやすくなるためおすすめです。
リビング
リビングは人によって生活の多くの時間を過ごす場所のため、バリアフリーの導入はとても大切です。
- ダイニングテーブルの高さを70cmほどにする
- なるべく通路スペースを確保する
また通路スペースを確保すれば、車椅子を利用する方・介護者双方がリビング内を移動しやすくなるためおすすめです。
車椅子を使用する方の寝室
車椅子を使用する方の寝室のバリアフリー対策について紹介します。
- 出入り口の段差を無くす
- ベットに手すりを設置する
- トイレとの距離を短くする
出入り口の段差が無ければ、スムーズに寝室への移動が可能です。
また、ベットに手すりが設置してあれば、車椅子からベットへの移動が楽になります。
駐車場・玄関アプローチ
駐車場・玄関アプローチの主なバリアフリー対策は以下の2つになります。
- 駐車スペース1台分の幅を350cm確保する
- カーポートを設置する
- 玄関アプローチにスロープや手すりを設置する
車椅子を利用する方が車を乗降するためには、最低350cmの幅が必要です。
バリアフリー対策を実施して、車椅子を利用する方と介護者双方の負担をなるべく軽減するようにしましょう。
車椅子で暮らせるバリアフリー住宅を新築する費用相場
住宅の建築費用は1軒ごとに違うため「◯坪◯円」とは言えませんが、おおよその相場を紹介させていただきます。
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する住宅ローンであるフラット35の利用者調査によると、2022年度の全国の注文住宅融資利用者の建設費は約3,715万円、住宅面積は約37坪(123㎡)です。
〈参考〉住宅金融支援機構ホームページ フラット35「利用者調査 2022年調査結果」18ページ
この数値から住宅の坪単価平均を算出すると、【3,715万円÷37坪=約100万円】となります。
例として30坪の住宅を建築すること想定すると、建築費用は【30坪×100万円=約3,000万円】が相場となります。
また、部位別バリアフリーの一般的な追加費用の相場は下記のとおりです。
部位 | 費用 | |
手すり設置 | トイレ・浴室 | 約3万円〜 |
廊下 | 約5万円〜(約5mの場合) | |
階段 | 約10万円〜 | |
床段差の解消 | 約2万円〜 | |
引き戸に交換 | 約5万円〜 | |
浴室換気暖房乾燥機 | 約7万円〜 |
もし、30坪の新築注文住宅に下記のバリアフリー対策を施すとします。
- トイレに手すり1つ設置
- 浴室に手すり1つ設置
- 階段に手すり1つ設置
- 床段差の解消を1つ実施
- 引き戸交換を1箇所実施
この場合、3,000万円+3万円(トイレの手すり設置費用)+3万円(浴室の手すり設置費用)+10万円+(階段の手すり設置費用)+2万円(床段差の解消)+5万円(引き戸交換)
=約3,023万円の費用がかかる見込みです。
ノーク・ホームズは、自由設計の住まいづくりで、土地環境やライフスタイルにぴったりなマイホームをご提案しています。
車椅子を利用する方の快適な家づくりをお手伝いできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
車椅子で暮らせるバリアフリー住宅の新築費用を軽減する方法|補助金・減税制度
バリアフリー住宅を新築する際には、以下の2点を活用して新築費用の負担を軽減できる可能性があります。
- 補助金
- 減税制度
それぞれについて、詳細に解説しますので、ご覧ください。
補助金
バリアフリー住宅を新築する際には、長期優良住宅※1に対する補助金である「子育てエコホーム支援事業※2」などを活用できる可能性があります。
※1:長期優良住宅とは、一定のバリアフリー性・耐震性などの基準を満たし、長期に渡って優良な状態で使用できると国に認められた住宅のことです。
※2:2024年2月時点で実施されている補助金です。今後終了し新たな補助金制度が創設される可能性があるため、補助金活用時点の最新情報を確認してください。
加えて、自治体によっては独自に車椅子で暮らせる家づくりのための補助金制度を実施している可能性もあります。
お住まいの自治体へ、「車椅子で暮らせる家を新築した際に補助金受給が可能か」を問合せすることをおすすめします。
補助金は、「特定の施工業者を通して申請が必要」とされているケースがあります。
ノークホームズは各種補助金の申請が可能な工務店ですので、福井で補助金を活用したマイホーム新築を検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
減税制度
住宅を新築する際には、減税制度を活用して新築費用の負担を軽減できる可能性もあります。
代表的な減税制度は、「住宅ローン減税」です。
【住宅ローン減税とは】
簡単にお伝えすると、新築・入居から10年間に渡って、住宅ローン支払額のうちの利息額の一部を、「すでに納付した所得税の還付」というかたちで年末に(年末調整で)受け取れれる制度です。
〈参考〉国税庁 トップページ上部の検索窓に「一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」と入力をして検索
※住宅ローン減税を活用するためには、新築・入居した1年目に確定申告が必要です。またさまざまな条件をクリアする必要があるため、詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください。
車椅子で暮らせる家の新築を依頼する施工業者の選び方
施工業者の選び方で重要なのは以下の2点です。
- 標準仕様にバリアフリーが含まれているか
- 施行後のアフターフォローが十分か
近年はバリアフリーの住宅が当然になりつつあり、標準仕様でバリアフリー性の高い住宅を建築している施工業者があります。
「バリアフリーが標準仕様に含まれている=追加費用なしでバリアフリーを実現できる」ため、マイホーム建築の費用を計算しやすい、ご家族のライフスタイルに合うバリアフリー施工の内容について相談しやすいといったメリットがあります。
また、新築後のアフターフォロー体制の確認も大切です。
新築後も長期に渡ってマイホームについて相談ができるプロが近くにいるのは心強いものですので、ぜひアフターフォロー体制も確認したうえで、施工業者をご検討ください。
まとめ
車椅子で暮らせる家の間取りなどについて紹介させていただきました。
バリアフリーは部位別にさまざまな対策があります。
今回ご紹介したバリアフリー導入のポイントや注意点を、マイホーム新築に活用して頂けると幸いです。
福井で車椅子の利用を想定した家づくりを検討中の方は、ノークホームズにご相談ください。
経験豊富なスタッフがお客様の状況やご要望をお伺いし、ピッタリの間取りプランを提案いたします。