標準仕様で耐震等級3のハウスメーカーが増加中|ハウスメーカーの選び方、地震に強い家のつくり方
将来の大地震予測が複数ある状況の影響で、全国的に「標準仕様で耐震等級3」を提供するハウスメーカーが増加しています。
「どのハウスメーカーなら耐震等級3を実現できるのか」「どのハウスメーカを選べばいいのか」とお悩みの方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、標準仕様で耐震等級3を提供している福井・石川の工務店『ノークホームズ』が、以下の項目をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
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地震に強い家づくりをしてご家族の安全を守るために、ぜひ最後までごらんください!
目次
標準仕様で耐震等級3のハウスメーカが増加中
標準仕様で耐震等級3を提供するハウスメーカーが増加していて、ハウスメーカーの種類は大手ハウスメーカーから地元工務店までさまざまです。
標準仕様で耐震等級3を提供するハウスメーカーが増加している理由は、以下のとおりです。
- 近年、建物が倒壊・損壊するような大地震が頻発している
- 将来の大地震発生予測が複数ある
- 国が良質な住宅をストックするための政策を実施する中で、耐震性能の高い住宅に対して補助金制度などを実施している など
上記の理由から、これからも標準仕様で耐震等級3を提供するハウスメーカーが増加すると想定できます。
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ7つのポイント
標準仕様で耐震等級3を提供しているハウスメーカーが多数あるので、何をポイントにしてハウスメーカー選びをするか迷いますよね。
耐震等級3を提供している各ハウスメーカーの特徴を比較し、1社に絞る際のポイントは以下の7つです。
各ハウスメーカーの、標準仕様でのサービス内容を確認してください。
- 耐震・制震・免震のうちどの工法を提供しているか
- 基礎の工法
- 土地探しからサポートを依頼できるか
- 木造住宅の場合、どのような構造を採用しているか
- 耐震性能以外の住宅性能|断熱性能・耐久性能など
- 構造計算を実施しているか
- 保証内容・アフターメンテナンス体制
耐震・制震・免震のうちどの工法を提供しているか
建物の主な耐震工法は以下3つで、それぞれ地震の力に対応する方法が違います。
耐震工法 | 地震に対応する方法 |
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耐震 | 建物の強度を高めて地震に対応 |
制震 | 地震の力を受け止める制震建材を使用して、建物に伝わる地震の力を弱める |
免震 | 建物と地盤の間に免震装置を設置し、建物に地震の力を伝えないようにする |
多くのハウスメーカーが採用しているのは「耐震」ですが、「耐震×制震」「耐震×免震」などハウスメーカーによって方針が違います。
また、ご家族が採用したい耐震工法もそれぞれかと思いますので、ご家族の要望に合う耐震工法を標準仕様としているハウスメーカーを選ぶことで、追加費用の発生を防げます。
基礎の工法
基礎の工法は主に以下2種類で、地盤の状況によって地震に強い工法が変わります。
基礎の工法 | 特徴 |
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ベタ基礎 | ・地中にコンクリートを敷き詰めて全体に鉄筋を入れる ・地盤全体が均等な強度の場合に建物の耐震性を高めやすい ・重量が重い建物を支えやすい |
布基礎 | ・地中にコンクリートの柱を埋めて、柱部分にのみ鉄筋を入れる ・地盤の弱い部分が薄い土地で耐震性を確保できる ・重量が軽い建物を支えられる |
上記の他にも、地盤の状況によって選択するべき基礎の工法が違い、基礎の工法・建物の強度などをかけ合わせて耐震性を確保する必要があります。
そのため、次に紹介する「土地探しの段階」からサポートしてくれるハウスメーカーを選び、土地選びのアドバイスを受けることをおすすめします。
土地探しからサポートを依頼できるか
土地探しからサポートを依頼できるハウスメーカーを選ぶことで、土地を内見する段階から地震に強い家を建てるためのアドバイスを受けられます。
「土地を購入してから地盤が弱いことに気づいた。高額な地盤改良費用が発生し、予算オーバーとなった」といった失敗をしないために、早い段階でマイホームの新築を依頼するハウスメーカーを選び、内見立ち会いなどのサポートを依頼しましょう。
土地選びの方法を、こちらの記事で確認できます。
>土地選びの優先順位を解説|土地選びのポイントチェックリスト、買わないほうがいい土地の条件も紹介
木造住宅の場合、どのような構造を採用しているか
木造住宅の構造には複数の種類があり、地震に対する強さがそれぞれ違います。
構造例 | 地震に対する強さ |
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在来軸組構造 | 柱・梁の位置などを整えて地震に対する強さを確保 |
ツーバイフォー構造 | 構造躯体※のつくりが均等なので、地震に対する強さを確保しやすい |
モノコック構造 | 住宅全体を面材で覆うため、地震のちからを分散しやすく建物に負荷がかかりづらい |
※※構造躯体とは、基礎・柱など住宅の構造部のことです。
こちらの記事で、地震に強い木造住宅を建てるハウスメーカーの選び方を確認できます。
>ハウスメーカー選びで地震に強い木造住宅を建てるメーカーを選ぶ方法|大地震で倒れなかった住宅の特徴
木造住宅を建築する場合は、建材確保などの観点から、ハウスメーカーごとに採用している上記のような構造を変更できないのが一般的です。
そのため、ご家族が希望している構造の地震に対する強さを改めて確認し、希望の構造を採用しているハウスメーカーを選ぶ必要があります。
耐震性能以外の住宅性能|断熱性能・耐久性能など
新築時に耐震性能の高い住宅を建築しても、劣化とともに耐震性能が低下していきます。
【耐震性能に関わる劣化】
- 断熱性が低いため結露が発生し、住宅全体にカビが発生→カビは柱などの内部まで侵入して物質を破壊するため耐震性能も低下
- 新築時に耐久性能の低い建材を使用→早期に劣化して小さい地震でも外壁のヒビなどが入りやすく、大地震での損壊にもつながる など
そのため、新築時の状態をなるべく長く維持できる性能を大きな追加費用なしで実現できることも、耐震等級3のハウスメーカーを選ぶうえで大切なポイントです。
こちらの記事で、断熱性能の高い家の住み心地を確認できます。
>高気密高断熱の住宅の朝の室温は夏26度・冬10度〜が目安|エアコン無しでも過ごせるのか、夜の温度低下も解説
構造計算を実施しているか
一般的な2階建て木造住宅を建築する場合に、構造計算を実施する義務はありません。
ただし構造計算は地震・台風などに対する建物の強さ・変形の可能性などを計算できるため、耐震等級3の家づくりをする場合には構造計算を実施していると信頼度が高まります。
そのため、ハウスメーカーが標準仕様で構造計算を実施していることは、「地震に強い建物を建築することに対するこだわりがある」と判断する1つのポイントになります。
保証内容・アフターメンテナンス体制
住宅新築時にはハウスメーカーが加入している「住宅瑕疵担保責任保険」で、施工不良が原因の柱・基礎などの住宅構造部に関わる不具合が保証されます。
ただし住宅瑕疵担保責任保険だけでは地震が原因の損壊などに対する保証が不十分なので、独自に住宅瑕疵担保責任保険以外の保証・アフターメンテナンス体制を整えているハウスメーカーを選ぶことをおすすします。
標準仕様で耐震等級3を提供しているハウスメーカーを選ぶ際のポイントを紹介しました。
ハウスメーカーごとに耐震性能に対する考え方・施工方法が違うため、マイホームを建てる地域の地盤などを熟知したうえで、こだわりを持って耐震等級3を提供しているハウスメーカーを選んでいただけると幸いです。
福井・石川で標準仕様で耐震等級3を提供しているハウスメーカーをお探しの方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは「全棟に構造計算を実施」「最長60年保証」など、長期に渡ってマイホームをサポートする体制を整えている工務店です。
耐震等級とは
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶポイントを紹介してきましたが、ここで「耐震等級3が最高等級ということは知っているけど、1・2との違いはわからない」など、疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで次に、耐震等級の概要を簡単に解説します。
耐震等級1・2・3の違い|耐震等級3相当との違い
耐震等級1・2・3の違いは、以下のとおりです。
耐震等級 | 地震に対する強さ |
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1 | ・構造駆体が、数百年に一度発生する地震力(震度6〜7)に対して倒壊せずに耐えられる ・構造躯体が、数十年に一度発生する地震(震度5強)に対して損壊しない程度 |
2 | 耐震等級1の1.25倍の強さをもつ住宅 |
3 | 耐震等級1の1.5倍の強さをもつ住宅 |
〈参考〉国土交通省ウェブサイト『住宅の品質確保の促進等に関する法律』> 新築住宅の性能表示制度ガイド(令和5年4月1日施行版)6ページ
建築基準法上で必ず確保するべき耐震等級は1なので、耐震等級2・3に関しては、ハウスメーカーが標準仕様で提供しない場合はオプションで追加費用を支払って実現するのが一般的です。
耐震等級4以上はあるのか
現在、耐震等級の最高等級は3で、耐震等級4以上の等級はありません。
そのため、耐震等級3以上の耐震性能を求める場合には、ハウスメーカーに実現可能かどうかを相談することになります。
耐震等級を決める要素
耐震等級を決める主な要素は、以下のとおりです。
- 建物の重さ
- 耐力壁の数、配置
- 柱の数
- 床の強度
- 基礎の強度
上記のような項目を専門機関(住宅性能評価機関)が審査し、基準をクリアしている場合に耐震等級3の評価証明書を取得できます。
耐震等級3を決める要素を踏まえて、次に地震に強い家のつくり方も確認しましょう。
地震に強い家のつくり方|過去の大地震で倒壊しなかった家の特徴も紹介
地震に強い家づくりをするためには、「ハスメーカーの耐震性能確保の取り組み」「ご家族の地震に強い家づくりをする意識」をかけ合わせてプランを作成することが大切です。
以下の点を意識すると地震に強い家のプランを組み立てやすくなるため、参考にしていただけると幸いです。
- 地盤の強い土地を選ぶ:地震による土地の変形は建物の状態に大きく影響するため
- 住宅形状をシンプルにする:シンプルな四角形の建物は地震の力を建物全体に分散しやすいため
- 間取り作成時に壁をバランスよく配置する:構造躯体だけではなく、壁も建物を支える大きな役割を果たすため
- 大きすぎる開口部・大空間をつくらない:支えの少ない空間は、柱などに地震の力が集中しやすくなるため
- 軽量な建材を選ぶ:地震の揺れで建物のバランスが崩れている間、建物自体が軽量であれば構造躯体が建物を支えやすいため
建物全体のバランスを整えることが、地震に強い家づくりにつながります。
土地の状況、間取りの要望などが1軒ごとに違うため、ぜひ耐震性能の高い家づくりの実績が豊富な施工業者を選び、協力して地震に強い家を完成させてください。
福井・石川で地震に強い家づくりをご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは、耐震等級3の住宅施工実績が豊富な工務店です。
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶメリット、注意点
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ方法などを確認してきましたが、すべての住宅にとって耐震等級3が最適な選択肢ではない場合もあります。
標準仕様で耐震等級3のハウスメーカーを選ぶことにはメリット・注意点の両面があるため、確認しましょう。
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶメリット
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ主なメリットは、以下のとおりです。
- 地震で壊れにくいため高額な修理費用が発生しづらい
- 補助金・税の優遇制度・住宅ローンの金利優遇・地震保険割引など、新築費用の負担を軽減できる制度がある
- 耐震等級3とともに高い断熱等級等などを実現しているのが一般的で、総合的に高い住宅性能を持つ安全・快適な家づくりが可能
日本では複数の大地震が予測されているため、住宅供給者として「耐震等級3は当然実現するべき」と考えているハウスメーカーが全国にあります。
大手ハウスメーカーから地元工務店まで、ハウスメーカーの種類にこだわらずにご家族が信頼して家づくりを依頼できるハウスメーカーを選択していただけると幸いです。
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ注意点
耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ主な注意点は、以下のとおりです。
- ローコストではない価格提示が一般的
- ハウスメーカーの方針によっては、希望通りの間取り・デザインが実現しない場合がある
- 標準仕様が耐震等級3であっても、土地の状況・希望の間取り・デザインなどによって耐震等級3を実現できない場合がある
耐震等級3は強固な構造駆体づくり、耐久性の高い建材選びなどで実現するため、ローコストではない価格提示となるのが一般的です。
ただし「ローコストの品質にオプションで高い耐震性能などを依頼」「標準仕様で高い耐震性能」を比較するときに、最終的な費用が同程度になるケースが多数あります。
そのため気になるハウスメーカーを複数ピックアップし、見積もり書の内容を精査して、ご家族にとって最適なハウスメーカーを選ぶことが大切です。
福井・石川でご家族が長く安全・快適に暮らせる家づくりをご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは標準仕様で耐震等級3・断熱等級7・長期優良住宅を提供している工務店です。
まとめ
標準仕様で耐震等級3のハウスメーカーを選ぶ際のポイント、耐震等級3の概要などを紹介してきました。
標準仕様で耐震等級3を提供しているハウスメーカーごとに方針が違い、土地の状況などによって選択するべき工法などの最適な選択も変化します。
そのため、耐震等級3を実現するにあたって、ご家族の安全な暮らしを実現することにこだわりを持ち、柔軟な提案力・高い技術力で家づくりに取り組んでいるハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。