耐震等級4とは|誤解の背景と地震に強い住宅設計のポイント
耐震等級について調べていると、時折「耐震等級4」という言葉を目にすることがあります。
しかし、「耐震等級4」は公式な基準ではありません。
福井・石川で確かな技術で安全な住まいづくりを実現してきた工務店『ノークホームズ』が、耐震等級に関する誤解や実際の効果について、わかりやすく解説いたします。
コラムのポイント |
---|
|
▶ノークホームズの施工事例集
目次
耐震等級4とは|公式基準ではないのになぜ使用されているのか
実は、公式な基準として「耐震等級4」は存在しません。
ここでは、耐震等級の基礎知識と「耐震等級4」という言葉が使用される理由について詳しく解説します。
耐震等級1〜3の違い|基準を比較表で解説
「耐震等級」は、2000年に施工された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって設定された性能評価の1つです。
住宅の耐震性能は、3段階に分類され、数字が大きいほど耐震性が高くなります。
以下は各等級の違いです。
耐震等級 | 耐震性能の基準 | 特徴・用途 |
---|---|---|
等級0 | 新耐震基準(1981年)を満たしていない建物。 | 旧耐震基準の住宅(現行基準未対応)。 |
等級1 | 震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しない |
|
等級2 | 等級1の1.25倍の耐震性能 |
|
等級3 | 等級1の1.5倍の耐震性能 |
|
等級4 (非公式) |
法的には存在しないが、等級3を超える耐震性能を指すことがある。 |
|
耐震等級4とは
公式に定められた耐震等級の上限は3であり、等級4などの等級は存在しません。
ただ一部では、耐震等級3を上回る性能を持つ建物を指して「耐震等級4」と呼ぶケースもあります。
しかし、耐震等級4は非公式な表現であり、法的な基準や正式な分類に基づくものではない点に注意が必要です。
耐震等級3を上回る性能が注目される一方で、「耐震等級3は不要」といった議論もあります。
耐震等級3の意義や重要性について詳しく知りたい方は、こちらのコラムで確認できます。
>>>耐震等級3はいらないのか|不要と言われる理由と後悔しないためのポイント
>>>【実例検証】耐震等級は意味ない?等級1で十分なのか|メリット・デメリットや対策も解説
福井・石川で耐震性能を重視する住まいづくりをご検討中の方は、ノークホームズにご相談ください。
地震に強い家づくりを、丁寧にサポートいたします。
「耐震等級4」という表現が広まる理由|地震リスクと法改正の背景
近年頻発する大規模地震や法改正の影響により、住宅の耐震性能が再び注目されています。
耐震等級4という言葉が広がる背景には、地震リスクに対する不安と、法改正による構造安全性の見直しが関係しています。
過去の大震災が示す住宅性能
2016年の熊本地震では、震度7の揺れが2度発生し、旧耐震基準や耐震等級1の建物は倒壊が相次ぎました。
一方、耐震等級3の住宅は倒壊率がゼロであり、無被害の割合が87.5%と高い結果が出ています。
耐震等級 | 倒壊率 |
---|---|
耐震等級1 | 28.2% |
耐震等級2 | 8.7% |
耐震等級3 | 倒壊ゼロ |
参考:国土交通省 住宅局|「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント
これらのデータは、より高い耐震性能がご家族の命と財産を守るために不可欠であることを示しています。
2025年法改正「4号特例見直し」の影響
2025年4月から、建築基準法の「4号特例見直し」が実施されます。
これまで、2階建て木造住宅は構造計算が簡略化されることが多く、施工の耐震性にばらつきがありました。
しかし、「4号特例」の見直しにより、2階建て木造住宅などの構造関連審査が厳格化されます。
これにより、今後は構造計算が重要視され、住宅の構造安全性を確保し、耐震性能のばらつきをなくすことが期待されています。
建物の重さが増す現代住宅|耐震性能とのバランスが重要
近年の住宅は、省エネ化や太陽光発電の導入により固定荷重・積載荷重が増大する傾向にあります。
例えば、以下の要因により建物が重くなっています。
- 太陽光パネルの設置
- 高性能断熱材の採用
- トリブルガラスなど窓ガラス・サッシの高性能化
建物が重くなると地震時の揺れが増幅され、倒壊リスクが高まるため、より高い耐震性能や高精度な構造計算が欠かせません。
耐震等級4が求められる心理的背景
住宅を購入する方の多くは「大切な家族を守りたい」という強い思いをお持ちです。
大地震が複数回発生する可能性や、余震への備えを考えると、最高基準の耐震等級3ですら不安に感じる方も少なくありません。
このような心理的背景から、さらに高い耐震性能を求めるニーズが広がっているのです。
耐震等級4を目指して強い住まいを実現するポイント
住宅の安全と安心を実現するためには、耐震性の向上や制震技術の導入が欠かせません。
ここでは、強い住まいを実現するためのポイントを解説します。
耐震+制震構造で揺れを最小限に抑える
耐震性の強化に加え、地震エネルギーを吸収する「制震構造」を取り入れることで、繰り返す大地震にも強い家が実現します。
例えば、ノークホームズが採用している高性能な制震装置「Kダンパー」は、震度7クラスの揺れでも「筋交いのみ」と比べて最大76%揺れ幅を低減できることが実証されています。
また、「筋交いのみ」の場合は震度7の揺れ1回で倒壊レベルに達しますが、「Kダンパー」は10回の揺れにも耐え、繰り返しの揺れを抑える性能が確認されました。
モノコック構造とベタ基礎で支える強固な構造
ノークホームズは、壁・柱・梁が一体化した「モノコック構造」と、面全体で支える「ベタ基礎」を組み合わせ、地震に強い家を実現しています。
- モノコック構造:荷重を全体に分散し、部分的なひずみを防止
- ベタ基礎:家の荷重を底板全体で支え、緩いと言われる福井の地盤にも対応
これにより、地震エネルギーを受け流し、安定した強度を確保します。
>>>ノークホームズの「モノコック構造とベタ基礎」のこだわりを見る
構造計算で実現する「見える安全性」
地震に強い家づくりには、緻密な構造計算が必須です。
ノークホームズでは、木造2階建てに対して法的に構造計算書の提出が義務付けられる前から、全棟で構造計算を実施していました。
これにより、数値で裏付けられた「見える安全性」を実現しています。
福井・石川で地震に強い家づくりをお考えなら、ぜひノークホームズへお任せください。
安心・安全な暮らしのためのプランをご提案します。
耐震等級4に関するよくあるご質問
ここではよくあるご質問にお答えし、耐震等級の理解を深めていただけるようわかりやすく解説します。
耐震等級4とは何ですか?
耐震等級4は、耐震等級3を超える高い耐震性能を指す非公式な用語です。
現在の日本の建築基準法では耐震等級3が最高等級とされており、「耐震等級4」という分類は公式には存在しません。
一部では、耐震等級3以上の性能を持つ建物を説明するために使われていますが、法的基準に基づいたものではなく、注意が必要です。
耐震等級の調べ方は? どこに書いてある?
耐震等級は、住宅性能評価書によって確認できます。
住宅性能評価書の作成には追加費用がかかるため、すべての住宅に必ず備わっているわけではありません。
書類に関してのご希望がある場合は、建築を依頼したハウスメーカーや工務店にご相談ください。
公式基準で最も高い耐震等級3に適合する証明書を取得することで、地震保険料の割引や資産価値の維持が期待できます。
詳しく知りたい方は、こちらのコラムで確認できます
>>>耐震等級3の証明書を取得すべき理由|取得方法や費用、あとからの取得可否も解説
耐震等級が高いと地震保険は割引される?
耐震等級が高いほど、地震保険料の割引が適用されます。
割引率は以下のとおりです。
- 等級1:割引なし
- 等級2:30%割引
- 等級3:50%割引
地震保険加入時には、耐震性能を証明する住宅性能評価書が必要です。
耐震等級による地震保険料の割引について、より詳しい情報はこちらのコラムで確認できます。
>>>耐震等級3は地震保険料が50%割引となる|必要書類や注意点をわかりやすく解説
フラット35Sと耐震等級の関係は?
フラット35Sは、省エネルギー性や耐震性に優れた住宅向けに、「フラット35」の金利を一定期間引き下げる制度です。
質の高い住宅を実現しつつ、金利負担を抑えられる点が特徴です。
福井・石川で耐震等級にこだわる住まいを検討中なら、ノークホームズにご相談ください。
確かな技術で、ご家族の安全を守る住まいを実現します。
まとめ
耐震等級4という言葉は非公式ながらも、耐震性能のさらなる向上への関心を示しています。
また、ご家族の安全を守る住まいを目指すためには、耐震等級1~3の基準を正しく理解し、高い耐震性能を持つ住宅を検討することが重要です。
ノークホームズでは、地震に強い家づくりをサポートし、安心の住環境を実現いたします。
この記事が家族が安全に暮らせる家づくりの参考になれば幸いです。