断熱等級7の家を建てるメリット・デメリット|ハウスメーカー選びのポイントも
近年、地球環境保護の観点から断熱性能が高い住まいづくりの重要性が高まり、2022年に断熱等級6・7が新設されました。
しかし、一般の方にはなじみがない基準ですから、今までの等級との違いやメリット・デメリットが分かりにくいですよね。
そこで今回は、福井・石川の工務店ノーク・ホームズが、断熱等級7の家づくりに関する基礎知識を分かりやすく解説します。
メリットだけでなく、価格や住み心地に関するデメリットや対策も掘り下げますので、ぜひ参考にしてください。
このコラムのポイント |
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目次
そもそも断熱等級とはどんな基準?
断熱等級とは、国が定めた住宅の省エネ性能を表す基準のことです。正規式名称は「断熱等性能等級」で、国土交通省が管轄しています。
等級 |
内容 |
地域区分5(東京等)のUA値 |
断熱等級7 |
熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている |
0.26 |
断熱等級6 |
熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている |
0.46 |
断熱等級5 |
熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている |
0.6 |
断熱等級4 |
熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている |
0.87 |
断熱等級3 |
熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている |
1.54 |
断熱等級2 |
熱損失の小さな削減のための対策が講じられている |
1.67 |
断熱等級1 |
その他 |
- |
出典:国土交通省 住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設
断熱等級は具体的に上記のように7段階に分けられており、地域ごとにUA値と呼ばれる基準が定められています。
UA値は室内の熱が外壁や屋根を通じて屋外に逃げる割合を数値化したもので、値が小さいほど断熱性能が高くなるということです。
2022年までは断熱等級4が最高等級でしたが、4月に等級5、10月に等級6~7が新設されました。
断熱等級7が新設された経緯
2022年10月に断熱等級7が新設されたのは、日本の住まいの断熱性能・省エネ性能を底上げするのが主な目的です。
日本は、2050年までに温室効果ガス排出をゼロにするカーボンニュートラル宣言をしています。CO₂排出量をゼロにするためには、住まいの断熱性を高めて省エネ化を進める必要があるのです。
2025年からは省エネ基準への適合が義務化され、すべての住宅が断熱等級4をクリアする必要があります。
>省エネ住宅の基準とは|2025年義務化・贈与税減税の基準、適合住宅かどうかの調べ方など解説
しかし、断熱等級4は1999年につくられた基準で、先進国の中では日本の住宅は断熱性能が低いと言われています。
地球を温暖化から守り、健康的な生活を送るために、最高等級となる断熱等級7が新設されたというわけです。
断熱性能が高い家を建てることは、地球環境保護だけでなく、経済性や健康面などさまざまなメリットがあります。
次の章から、断熱等級7の具体的なメリットをチェックしていきましょう。
断熱等級7の家を建てるメリット
最高等級である断熱等級7の住まいには、節約・健康・間取りの自由度などさまざまなメリットがあります。
省エネ性能が高く光熱費を抑えられる
断熱等級7の家は、冷暖房効率が良いため光熱費を抑えられるのが大きなメリットです。
UA値が小さくなるほど冷気や暖気が外に逃げにくくなるため、少ないエネルギーで適温をキープしやすくなります。
また、パワーの大きい冷暖房器具を買わなくて済む場合もあるため、購入費用を抑えられるのも意外なメリット。
長く暮らすほど省エネ効果は大きくなるため、寿命が延びている現代の住まいづくりにピッタリですね。
快適に過ごしやすい
外気の影響を受けにくい断熱等級7の家は、一年を通して快適に過ごしやすいのも魅力的なポイントです。
断熱性能が高いと冬の寒さを感じにくいのはもちろん、夏の暑さの影響を受けにくいのも意外なメリット。
前述したように冷暖房を控えめにできるため、空気が乾燥したり溜まったりしにくいのも快適性につながります。
健康被害の防止につながる
断熱等級7の家は全体を断熱層で包み込むため、部屋ごとの温度差が少なく健康被害を防止しやすいのも特徴です。
例えば、暖かい部屋と寒い部屋の移動で血圧が変動して発生するヒートショック現象は、断熱性能が高いと発生しにくくなります。
また、WHO(世界保健機関)は健康リスクを軽減するために、室温を18℃以上に保つことを推奨しています。
断熱等級7の家は寒い冬でも適温をキープしやすいため、健康な生活を送りやすいのです。
音漏れが少ない
性能の高い断熱材やペアガラス・トリプルガラスを使う断熱等級7の家は、音漏れが少ないのも意外なメリットの1つ。
静かな環境でリラックスして過ごしやすく、テレビや話し声による近所迷惑の心配が少ないのもうれしいポイント。
間取りの自由度が高くなる
最高等級の断熱性で建てることで、間取りの自由度が高くなるのも大きなメリットです。
断熱性が低いと、吹抜けや大きな窓などの間取りで寒さを感じて後悔するケースがあります。断熱等級7の家なら、寒さを気にせず自由に間取りを考えることができます。
補助金や税優遇制度を活用しやすい
断熱性能が高い家を建てる場合、補助金や住宅ローン控除などの優遇制度を活用しやすいのも利点です。
ZEHや長期優良住宅などの補助金制度は断熱等級の要件が高めですが、最高等級の7ならクリアできます。
将来のリフォーム費用を抑えられる
2023年時点で最高等級となる断熱等級7で建てておけば、将来のリフォーム費用を抑えられるのも大きなメリット。
現時点ではどの断熱等級でも建てられますが、高性能化が進むと将来性能不足になる可能性があり、断熱リフォームが必要になるかもしれません。
断熱等級7の家なら、すぐに基準が変わって時代遅れになってしまう可能性は低いでしょう。
断熱等級が高いマイホームを建てるなら、施工実績が豊富なハウスメーカー・工務店を選びましょう。
福井の工務店ノーク・ホームズ の住まいづくりは、断熱等級7が標準仕様です。
断熱等級7の家を建てるデメリット
断熱性能が高いことは基本的にメリットとなりますが、注意すべきデメリットもあるので、しっかり把握しておきましょう。
建築費用は高くなる
断熱等級7の認定を受けるためには、性能が高い断熱材や窓、ドアなどを使う必要があり、建築費用が高くなるのは注意すべきポイントです。
光熱費の節約効果があるので長期的に見るとオトクになりますが、初期費用は一般的な戸建て住宅より多めにかかります。
断熱等級6~7の家づくりを検討する際は、しっかり予算計画を立て、間取りやデザインなど要望とのバランスを取ることが大切です。
予算計画の立て方はこちらのコラムで解説しています。
>マイホーム予算の決め方は3パターン(年収・返済額・現在の住居費)|平均予算、予算オーバー対策も紹介
使えない暖房器具がある
断熱等級が高い家は気密性も高く設定することが多く、石油ストーブやガスファンヒーターの使用は控えたほうが良いと言われています。
断熱性が高くすき間風が少ない家は、燃料を燃やす暖房器具を使うと不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクがあるためです。
ただし、断熱等級が高い家は外気の影響を受けにくいため、石油ストーブやガスファンヒーターを使わなくても十分暖かく過ごせる可能性が高いでしょう。
断熱等級7の家はハウスメーカー・工務店選びが重要
断熱等級7の家づくりを検討する際は、技術力が高く実績が多いハウスメーカー・工務店を選ぶことが大切です。
断熱等級7をクリアするためには、施工会社の設計力と技術力が求められます。また、高性能な断熱材や設備を使っても、施工ミスがあれば本来の断熱性を発揮できません。
省エネ性が高く快適な断熱等級7の家を建てるためには、地域性に合わせた設計・アドバイスが必要なのです。ただ性能数値を比較するだけでなく、断熱性が高い家づくりの実績が多いハウスメーカー・工務店を選びましょう。
福井・石川で断熱等級7の家を検討する際はノーク・ホームズにご相談ください。北陸の地域性に合わせて、断熱性能が高く快適なマイホームをご提案いたします。
デザイン性・利便性にもしっかりこだわっていますので、住まいのことならなんでもお気軽にご相談ください。