断熱等級と地域区分を簡単解説|断熱等級7と6以下の違い、1〜8地域の特徴、断熱等級の選び方など
断熱性能はマイホームの快適性やランニングコストに大きく影響しますが、「どの程度の断熱性能が必要なのかわからない」「最高等級の断熱等級7は本当に必要なのか」など、疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、標準仕様で断熱等級7を提供している福井・石川の工務店『ノークホームズ』が、以下の項目をわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
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この記事を最後まで読んで、これから建てるマイホームに、どの程度の断熱等級が必要なのかを判断できるようになりましょう!
目次
断熱等級と地域区分を簡単解説
断熱等級・地域区分は『住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)』で定められていて、一定の省エネ基準を満たす住宅を建築する指標として活用されています。
また、断熱等級の高い住宅は補助金・税の優遇制度などの対象にもなるため、マイホームを検討している方にとって「どの程度の断熱等級が必要か」「マイホームを建てる地域がどの地域区分に該当するか」を把握するのは、大切なことです。
そこではじめに、「断熱等級」「地域区分」の意味を確認しましょう。
断熱等級とは
断熱等級は断熱性能のレベルをあらわしていて、最高等級の断熱等級は7です。
また、断熱性能とは「室内の空気が外皮(壁・床・屋根・窓など)を伝わって逃げるのを防ぐ性能」「日射熱が住宅に侵入するのを防ぐ性能」をかけ合わせた性能で、断熱等級が高い住宅ほど、以下のような快適な環境で暮らせます。
- 冷暖房効率が良く、光熱費を抑えられる。
- 室内全体の温度差が小さい(LDKと廊下などの温度差)
- 急激な温度変化が発生しづらい(冬の朝の温度低下など)
断熱等級と光熱費の関係を、こちらの記事で確認できます。
>断熱等級と光熱費の関係|光熱費シミュレーションや注文住宅で失敗しない3つのポイントを解説
地域区分とは|例:地域区分5の地域
日本は南北に長い地形で、北海道と沖縄では気候に大きな違いがありますよね。
地域によって住宅に必要な断熱性能も変わるため、日本を1〜8の地域に区分して「同じ断熱等級であっても地域ごとの気候に沿った断熱性能の基準」を法令で定めています。
※さまざまな法令に関連する地域区分が定められていて、今回お伝えしているのは「省エネ基準」の地域区分です。
1〜8の地域区分は気候が似ている地域ごとに分けられているため、各地域の大まかな特徴を確認しましょう。
地域区分 | 地域例 | 特徴 |
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1 | 旭川市 | 北海道北部 |
2 | 札幌市 | 北海道中部〜南部の一部 |
3 | 盛岡市 | 北海道南部の一部〜中部地方の内陸側 |
4 | 仙台市 | ・東北地方の海側〜中国地方の内陸側 ・四国地方の内陸側の一部 |
5 | 宇都宮市 | ・東北地方南部・関東地方の内陸側〜中国地方の海側・内陸側 ・四国地方の内陸側 ・九州地方の内陸側 |
6 | 東京23区 | ・関東地方〜中国地方の海側 ・四国地方の海側 ・九州地方の海側・内陸側 |
7 | 長崎市 | 中部地方〜九州地方の海側 |
8 | 那覇市 | 沖縄県の一部 |
〈参考〉国土交通省トップページの検索窓に『地域区分新旧表』と入力して検索
※ご自身がお住まいの地域の地域区分を、『地域区分新旧表』で確認できます。
例として、福井県の地域区分5の地域は以下のとおりです。
同県内でも地域区分が分かれるため、マイホームを建てる地域の地域区分を確認してみてください。
例:地域区分5の地域 | |
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福井県 | 大野市、勝山市、あわら市、坂井市、永平寺町、南越前町、若狭町 |
「断熱等級」「地域区分」の意味を確認したので、次に各断熱等級の違いを紹介します。
断熱等級は「住宅の快適性」「住宅の建築費用」に影響するため、ぜひご確認ください。
福井・石川で高断熱性能を持つマイホームをご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
標準仕様で断熱等級7・長期優良住宅を提供しています。
断熱等級7と6以下の快適性の違い
断熱等級7と6以下の快適性の違いは、以下のとおりです。
断熱等級 | 快適性 (例:冬の室内の最低体感温度) |
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7 | おおむね15℃を下回らない |
6 | おおむね13℃を下回らない |
5 | おおむね10℃を下回らない |
4 | おおむね8℃を下回らない |
断熱等級4以下を紹介していないのは、2025年の「省エネ基準義務化」によって断熱等級の最低等級が4となるためです。
省エネ基準義務化について、こちらの記事で詳しい基準を確認できます。
>「2025年からの省エネ住宅義務化」とは|断熱等の義務化内容、影響をわかりやすく解説
温度が15℃の場合は薄手の長袖シャツで過ごせますが、8℃の場合は厚みのあるセーターなどを着ても肌寒く感じます。
特に北陸・北海道など冬の寒さが厳しい地域にお住まいの方にとって、断熱等級にこだわってマイホームづくりをすることは、ご家族が快適な暮らしを手に入れるカギとなりますね。
また、断熱等級は以下の要素の組み合わせによって変化するため、マイホームの建築を依頼する施工業者が標準仕様で提供している断熱等級・断熱施工の内容を確認しましょう。
要素 | 特徴 |
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断熱材の厚み・素材 | 厚みがあり、熱伝導率が低い(熱が伝わりづらい)素材の使用で断熱性能アップ |
窓の性能・玄関ドアの性能 | 熱伝導率が低い窓ガラス・サッシを選ぶと断熱性能アップ |
壁・天井より上・床より下へ断熱材を入れる際の工法 | 住宅全体をすき間なく断熱材で包む工法は断熱性能が高い |
福井・石川で1年を通して快適に暮らせる高断熱住宅をご希望の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
標準仕様で断熱等級7を提供しています。
断熱等級の選び方
断熱等級ごとの快適性の違いを確認し、「冷暖房で室内温度を調整することを想定すると、最高等級の断熱等級7は必要ないのでは」と疑問を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで次に、断熱等級の選び方を紹介します。
断熱等級が高い住宅のメリット・デメリット
断熱等級が高い住宅にはメリット・デメリットがあるため、すべてのご家庭に断熱等級7が適しているとは限りません。
例えば「日当たりが良い立地にコンパクトな住宅を建てる場合は断熱等級6以下で室内の快適性をキープできる」などのケースがあるため、予算と断熱等級のバランスを検討しながら、最適な断熱等級を施工業者に相談してください。
断熱等級が高い住宅のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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断熱等級が高い住宅の窓・換気設備の選び方を、こちらの記事で確認できます。
>高気密高断熱の住宅は換気設備&窓選びで夏の過ごし方が変わる|湿度が下がらないなどの後悔を避ける方法
断熱等級は5以上なら補助金を活用できる
断熱等級を選ぶ際には、「補助金や税の優遇制度を活用できる断熱等級にする」という視点で選ぶ方法もあります。
補助金・税の優遇制度を活用する際に必要な断熱等級は、以下のとおりです。
補助金 税の優遇制度 |
断熱等級 |
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長期優良住宅関連 | 断熱等級5以上が必要 |
ZEH住宅関連 | |
住宅ローン控除 | 断熱等級4以上が必要 |
※上表の断熱等級は2024年8月時点の情報で、今後変わる可能性があります。
前述したとおり、断熱等級4の場合は冬の室温の最低体感温度が10℃を下回るため、快適性・暖房費などを考慮して、断熱等級5以上を検討することをおすすめします。
福井・石川で補助金を活用したマイホームづくりを検討中の方は、ノークホームズへお問い合わせください。
ノークホームズは各種補助金を申請可能な工務店で、標準仕様で断熱等級7、長期優良住宅を提供しています。
まとめ
マイホームを検討中で「どの程度の断熱等級が必要なのかわからない」「最高等級の断熱等級7は本当に必要なのか」などの疑問をお持ちの方へ、「断熱等級」「地域区分」を解説したうえで断熱等級の選び方を紹介しました。
マイホームづくりの際には、まずは依頼する施工業者の標準仕様の断熱等級を確認し、予算・立地・設計内容などに合わせて断熱等級を検討しましょう。
今回の情報を、ご家族にとって最適な断熱等級を決める際の参考にしていただけると幸いです。