断熱等級7・UA値とは|断熱等級7・6どちらを選ぶべきか、仕様・省エネ性能の違いなど解説
家の新築を検討していると「断熱等級」というキーワードを見かけますよね。
特に最近は住宅の省エネ性が重視されているため、最高グレードの「断熱等級7」の家を検討している方も多いでしょう。
「1つ等級の低い『断熱等級6』との差がどのくらいなのか知りたい」という方も少なくないはずです。
そこで今回は、断熱等級7、「HEAT20」ではG3という圧倒的な断熱性能を標準仕様とする福井・石川の工務店「ノークホームズ」が、以下のポイントを中心に断熱等級7の住宅についてわかりやすく紹介します。
このコラムのポイント |
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断熱等級が高い家の魅力が分かりますので、ぜひ最後までごらんください!
断熱等級7・UA値とは
脱炭素化(カーボンニュートラル)社会の実現や電気代高騰による家計への負担軽減を目的に、2022年10月に断熱等級6・7が新設されました。
断熱等級7とは
断熱等級とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって定められている住宅の断熱性性能を評価する指標で、長期優良住宅などの認定住基準にもなっています。
その中でも断熱等級7は最高グレード(2024年7月時点)で、等級数字が大きいほど断熱性能が高いことを表します。
断熱等級 | 内容 |
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7 |
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6 |
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5 |
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4 |
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2025年4月1日以降は、新築する住宅について「断熱等級4以上」であることの義務化が決まっています。
UA値とは|C値とセットで検討する
断熱等級は、地域区分と等級ごとにUA値とηAC値の基準が定められています。
UA値とは「外皮平均熱貫流率」を指し、住宅の外皮(外壁・窓・屋根・床など外気に直接触れる部分)から出入りする熱量の平均を表す値です。
ηAC値とは「冷房期の平均熱取得率」のことで、住宅の外皮から入射する日射熱量の平均値を表します。
UA値・ηAC値ともに小さいほど断熱性能が高いということです。
例えば、ノークホームズのある福井県は地域区分4・5・6のいずれかに該当し、断熱等級ごとに設定されているUA値・ηAC値は以下のようになります。
※同じ都道府県内でも、市区町村ごとに気候特性を踏まえて地域が区分されており、それぞれ断熱等級を決める数値基準は異なります。(参考:国土交通省|地域区分新旧表)
(地域区分) | UA値の基準 | |||
断熱等級4 | 断熱等級5 | 断熱等級6 | 断熱等級7 | |
4 | 0.75以下 | 0.60以下 | 0.34以下 | 0.23以下 |
5 | 0.87以下 | 0.60以下 | 0.46以下 | 0.26以下 |
6 | 0.87以下 | 0.60以下 | 0.46以下 | 0.26以下 |
(地域区分) | ηAC値の基準 | |||
断熱等級4 | 断熱等級5 | 断熱等級6 | 断熱等級7 | |
4 | - | - | - | - |
5 | 3.0以下 | 3.0以下 | 3.0以下 | 3.0以下 |
6 | 2.8以下 | 2.8以下 | 2.8以下 | 2.8以下 |
断熱等級を決めるのはUA値とηAC値ですが、それに加えて重要視されているのが「C値」です。
C値とは、家全体でどのくらい隙間があるのかを示す値で、住宅の気密性を評価する指標です。
C値が小さいほど気密性の高い住宅であるということになります。
ここで重要なポイントは、C値は断熱等級の評価基準に含まれていない点です。
しかし、空調効率を上げて快適な住環境を作るためには、UA値やηAC値に加えて、C値にもこだわりましょう。
福井・石川で断熱等級7の住宅をご検討中の方は、ノークホームズにご相談ください。
年間を通して快適に暮らすために必要な断熱性・気密性を兼ね揃えた住宅を提案いたします。
断熱等級7・6どちらを選ぶべきか|仕様・省エネ性能の違い
2025年に義務化される省エネ性が断熱等級4であることからも分かる通り、断熱等級7・6はどちらも一般的な住宅より断熱性能は高いと言って間違いありません。
では、断熱等級7・6の違いを具体的に紹介します。
断熱等級7・6の仕様の違い
断熱等級7・6の住宅では、それぞれの性能基準をクリアするために壁や天井、屋根、床下などに入れる断熱材を変えます。
例えば、壁の断熱材として高性能グラスウールを使用した際の、仕様と費用の目安は以下のとおりです。
断熱等級 | 断熱材 | 単価目安 |
---|---|---|
7 |
高性能36×105mm 付加高性能36×105mm×2 |
3〜4万円/坪 |
6 | 高性能36×105mm | 1万円前後/坪 |
5 | 高性能14×105mm | 0.5〜1万円/坪 |
4 | 高性能14×105mm |
※6地域の場合
また、家の断熱性を大きく左右する窓の仕様も重要なポイントです。
断熱等級 | 仕様 | 費用目安 |
---|---|---|
7 | トリプルガラス内外Low-E | 20万円~/ヶ所 |
6 |
複層ガラス 片側Low-E 樹脂スペンサー |
12万円~/ヶ所 |
5 |
複層ガラス 片側Low-Eアルミスペンサー |
5万円~/ヶ所 |
4 |
複層ガラス 片側Low-Eアルミスペンサー |
5万円~/ヶ所 |
※6地域の場合
断熱等級7・6の省エネ性能・電気代の違い
断熱等級7・6は、断熱等級4と比較すると一定の省エネ効果が期待できます。
断熱等級 |
省エネ性の目安 (断熱等級4と比較した場合) |
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7 | マイナス約40% |
6 | マイナス約30% |
5 | マイナス約20% |
断熱等級7・6を比べると、断熱等級7の方が約15%ほど省エネ性が高いことになります。
もうひとつ省エネ性能を比べる基準として用いられているのが、「設計一次エネルギー消費量(住宅の設計段階で算出した一次エネルギー消費量)」です。
断熱仕様によって想定できる消費エネルギーや電気代を比較できます。
ここでは、以下の条件で年間消費エネルギー量と電気代目安を紹介します。
【シミュレーションの共通条件】
- 地域区分:6地域
- 戸建住宅(延床面積約120㎡・外皮面積の合計約310㎡)
- 4人家族
- 居室のみを冷暖房する(全館空調ではない)
- 給湯器はヒートポンプ式(エコキュート)
- 照明器具は全てLED
- オール電化
- 契約容量60A・従量電灯Bプラン
断熱等級 |
設計一次消費エネルギー量 (年間) |
電気代 (年間) |
7 | 65,138MJ | 約20.2万円 |
6 | 67,066MJ | 約20.6万円 |
(参考:エネルギー消費性能計算プログラム)
※MJ=約0.10246kWh、1kWh=30円で計算
※上記電気代は目安です。
これだけみると断熱等級7・6では電気代にほとんど違いないように見えるかもしれません。
しかし、契約する電気会社やプラン、日常生活における電気使用量はご家庭によって大きく差があるため、年間数万円単位で電気代が変わる可能性もあります。
以下の記事では、さらに詳しく断熱等級と光熱費の関係について解説していますので、ぜひご覧ください。
>断熱等級と光熱費の関係|光熱費シミュレーションや注文住宅で失敗しない3つのポイントを解説
断熱等級7・6の快適性の違い
室内の快適性は、立地環境や間取り、敷地の地域特性によって異なりますが、一般的には断熱等級によって以下の違いが出るとされています。
断熱等級 | 夏の涼しさ | 冬の暖かさ |
7 | 就寝時にエアコンを切っても快適に寝られる | 体感温度が概ね15℃以上 |
6 | 就寝時にエアコンを切っても寝られる | 体感温度が概ね13℃以上 |
5 | 外気温によっては就寝時もエアコンが必要 | 体感温度が概ね10℃以上 |
※上記はあくまでも目安です。
断熱等級7・6では夏の寝苦しさを解消できるだけではなく、冬の暖房使用時間を短縮できます。
福井・石川で「夏は涼しく、冬は暖かい」住宅をご希望の方は、ノークホームズにご相談ください。
ダブル断熱工法により、断熱等級7を標準仕様で提供しております。
断熱等級の高い住宅を建てるメリット・デメリット、注意点
断熱等級7などの高断熱住宅について、改めてメリット・デメリットを紹介します。
メリット・デメリットの両方を知り、後悔のないマイホーム新築を実現させましょう。
メリット
高断熱住宅には、環境配慮面・快適面・経済面・健康面においてメリットがあります。
メリットは以下のとおりです。
- 省エネなので脱炭素化に繋がる
- 室内外の温度差が小さくなるため、空調機器に頼らず快適な室内空間を保てる
- 窓の結露がおさまる
- 光熱費を削減できる
- 長期優良住宅などの認定を受ければ、住宅ローン減税の対象借入上限額が引き上げられる
- 受けられる補助金制度が増える(例:子育てエコホーム支援事業「100万円/戸」※2024年度時点)
- 家の中の温度ムラが小さくなり、ヒートショックなどの健康リスクを下げられる
デメリット・注意点
高断熱住宅のデメリットは以下のとおりです。
- 建築コストが高くなる
- 壁内や床下、天井裏などに内部結露が発生リスクがある(※)
- 石油ストーブやガスファンヒーターなど開放式暖房機が使えない(※)
- 窓の大きさが制限される
- 換気不足で室内の空気環境が悪くなる(※)
- 補助金や減税制度の内容が分かりづらい
※高断熱に加えて高気密な場合
家を建てる前にこれらのデメリットを解決する方法を知ると、マイホームを後悔しません。
【高気密住宅のデメリット・注意点への対策】
- 高断熱住宅(断熱等級7)が標準仕様の建築会社を選ぶ=コスト・間取り・デザインをバランスよくプランへ採用できる
- 気密性にもこだわっている建築会社を選ぶ(断熱の標準仕様だけではなく、気密性=C値へのこだわりもチェック)
- 敷地の条件を踏まえた自由でフレキシブルなプラン提案をできる建築会社を選ぶ
- 第一種換気方式の24時間換気システムを採用する(高気密住宅では自然換気のみだと空気を正しく入れ替えられないため)
- 補助金申請や税控除の条件に詳しい建築会社を選ぶ
総じて言えることは、高断熱住宅の新築は信頼できる実績豊富な建築会社へ相談すべきという点です。
以下の記事では、さらに詳しく断熱等級7の家のメリット・デメリットなどを紹介していますので、ぜひご覧ください。
>断熱等級7の家を建てるメリット・デメリット|ハウスメーカー選びのポイントも
断熱等級7|Q&A
高断熱住宅や省エネ住宅の新築を検討している方からよくいただく質問を紹介します。
「断熱等級7=良い住宅」なのか
断熱等級7の認定基準に気密性は含まれません
つまり、「断熱等級7=良い住宅・快適な住宅」とは言い切れないでしょう。
ずっと暮らせる家を建てたい方は、高断熱なだけではなく、気密性能・遮熱性能や換気計画にまでこだわる建築会社を選んでください。
断熱等級4〜7どれを選ぶべきか
ここまで「断熱等級7は省エネで快適」とお話ししてきましたが、家へ求める条件はお客様によって異なります。
そのため、予算やご家族の価値観、ライフスタイル、敷地のあるエリアなどを総合的に見て、どの程度の断熱性能が必要か検討しましょう。
その際には、高断熱住宅の知識や実績が豊富な会社へ相談することが重要なポイントです。
補助金・減税制度を使うために必要な断熱等級を知りたい
補助金や減税制度を活用できるのは、基本的に「省エネ住宅」と呼ばれる家に限られます。
ただし、省エネ住宅でも種類によって補助金の対象になるかや減税額が異なるので注意してください。
長期優良住宅 | 断熱等級5以上 |
低炭素住宅 | 断熱等級5以上 |
ZEH (ネットゼロ・エネルギー・ハウス) |
断熱等級5以上 |
省エネ基準適合住宅 | 断熱等級4以上 |
LCCM住宅 (ライフ・サイクル・カーボン・マイナス) |
断熱等級の認定基準なし |
【省エネ住宅に関連する主な補助金・減税制度】
- 子育てエコホーム支援事業
- LCCM住宅支援事業
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業
- 住宅ローン減税(所得税)
- 新築住宅に係る固定資産税の減額特例
- 新築住宅に係る不動産取得税における控除増額
- 特定の住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置特例
- その他、自治体ごとに実施する独自の補助金や減税制度
住宅業界全体の平均断熱等級を知りたい
戸建住宅1棟ごとの断熱等級が分かる公的なデータはありませんが、全住戸に対して省エネ基準適合住宅(断熱等級4以上)の割合が91.7%、認定長期優良住宅(断熱等級5以上)の割合が29.3%まで増えています。
2025年の断熱等級5義務化に先駆けて、標準仕様を高断熱化する建築会社が増えている点もポイントです。
以下の記事では、省エネ住宅義務化について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
>「2025年からの省エネ住宅義務化」とは|断熱等の義務化内容、影響をわかりやすく解説
標準仕様の断熱性断を確かめる方法を知りたい
マイホーム新築を相談する施工業者を選ぶ際、以下の点について標準仕様をチェックしましょう。
- UA値(断熱等級の基準値と敷地のある地域区分を併せて確認)
- C値(気密測定無しの会社もあるため要注意)
- 窓サッシ(アルミ<アルミ樹脂<オール樹脂で断熱性高まる)
- 窓ガラス(シングル単板<ペアガラス<Low-E空気ペアガラス<Low-Eアルゴンガスペア<Low-Eアルゴントリプルガラスで断熱性高まる)
- 玄関ドア(D4・K4<D3・K3<D2・K2<D1・K1で断熱性高まる)
- 換気システム(ダクト給排気型第一種換気システムや熱交換換気システム付きがおすすめ)
上記に加えて、施工事例のデザイン性や保証サービス、アフターメンテナンスなども会社選びのチェックポイントになります。
以下の記事では、断熱等級を決めるUA値の基準と地域区分について詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
>断熱等級7の電気代削減効果|断熱等級5〜7の光熱費シミュレーション(オール電化・電気+ガス)
断熱等級7の住宅を安心して依頼できる施工業者の選び方を知りたい
断熱等級7の住宅を安心して依頼できる会社かどうかは、施工事例の数で分かります。
福井・石川で高断熱・高気密住宅をご希望の方は、ノークホームズにご相談ください。
ダブル断熱工法により、断熱等級7を標準仕様で提供しております。
まとめ
断熱等級7は最高グレードの断熱性を持つ証明ですが、快適に暮らすためには気密性・遮熱性や換気性への配慮も必要です。
高断熱住宅を後悔しないためにも、断熱性・気密性・遮熱性・換気性などの住宅性能とコストをバランスよくプランへ取り入れられる会社を選びましょう。
また、高断熱住宅のメリット・デメリット・注意点や失敗しないための対策も知っておくことが肝心です。